30話 交配実験
30話 交配実験
「じゃあ早速やってみるね。」
「ええ、お願い。」
「火炎草とツリフネソウを普通に成長させて交配させても成功しないから、ツリフネソウがもっと生息域を広げる為に、より遠くに、より暑い環境で生きていけるように、[火]が必要ってイメージして花の状態まで成長させる。
火炎草はより遠くに種を飛ばせるようにイメージして、花まで成長させる。
で、火炎草の雄蕊をツリフネソウの雌蕊に付けて、成長させるの。」
「あらっ!なんで火炎草の雄蕊とツリフネソウの雌蕊なの?」
「ん〜〜実になって種を飛ばすベースになるのは雌蕊じゃない?だから、基本的な形を残したい方を雌蕊にしたんだけど、、、あってるよね?」
「そうね。雌蕊の方が実になるわ。」
「でね、受粉させたらイメージをしっかりもって成長させるの。そしたら完成だよ。」
魔力を込めて交配したツリフネソウを成長させ花が咲き実をつけさせる。
「あ、、、どうしよう。」
「どうしたの?」
「種だけ取り出せないよ。」
「あらっ!大変。じゃぁ地面に穴を掘るから、そこで爆発させましょうか。防御壁も展開しておくわ。」
深さ30センチぐらいの穴を掘ってもらい、そこに投げ込む。
ドゴォォォン
あれ?こんなに威力あったっけ???
「メティスちゃん。今魔力込めて威力高めた?」
「いや、投げ込んだだけだよ。こんなに威力あったんだ。。。凄くない?」
「凄い、、、わ。確かにこれはツリフネソウを
強化しただけより威力はかなりあるわね。ちなみに名前はつけたの?」
「う〜ん、、、ボムズでいいかな?」
「ボムズね。よし、母さんもやってみるね。」
「うん。やってみてー。私は種を拾ってくるね。」
母さんが交配している間にさっきの穴から種を拾い集める。これ栽培するのはいいけど、実ができる度に爆音と被害が出るのかな?
ご近所さんに怒られないかな?
うーん。そうなると、音が出ないように爆発、、、イメージする、、、
静かにドン、違う
スッとドン、違う
ヒュルルルルドーン、違う
ダメだ、無理だ、諦めよう。
種を拾い終わって母さんの所に戻ると、集中していたから、邪魔しちゃ悪いなと思って、一人で色んな組み合わせをやってみる。
カラマリツルとツリフネソウ 交配できなかった
ツリフネソウとテッポウウリ 交配できなかった
テッポウウリとアイビー 交配できなかった
ツリフネソウとアイビー 交配できなかった。
うんうん唸りながら数種類交配していると
「メティスちゃん。母さんできなかった。」
「えっ?!嘘でしょ!!」
「本当よ、まずはツリフネソウに[火]が必要とイメージして花の状態まで成長させるでしょ。コレはできるわ。
そして、火炎草はより遠くに種を飛ばせるようにイメージして、花まで成長させる。コレもできるわ。
そこから、火炎草の雄蕊をツリフネソウの雌蕊に付けて、成長させるの。
ここで成長しないのよ。何度やっても。
イメージを色々変えたり知識を動員しても無理だったわ。」
「えーなんでたろ??」
「わからないわ。職業が関係してるのかもしれないけど、今の所はメティスちゃんの特技なのかもね!?と思うしかないわ。」
「うーん。母さんがコレができたら、色々相談できたのになぁ。」
「出来ないものは仕方ないわ。それより色々やっていたけど、何か面白い組み合わせできた?」
「あ、うん。できたよ。
・アイビーとカラマリツル 動けば動くほど絡みついて、更に吸盤で動けなくなる。(名前オクトレグ)
・止血草とアイビー 大きい切り傷をひっつけて止血する。(名前エイド)
・テッポウウリと火炎草 テッポウウリの強化版(名前テッポウウリ2)
がとりあえずできたよ。
他にも試したけど、どうも上手くいかなかったよ。」
「あらっ!なんでも配合できるわけじゃないのね。」
「多分だけど、お互いが本当に求めてる性質だったり、成長した状態が似ていたりすると、相性がいいのかも。でも、それでも交配できないものもあるし、意外な組み合わせもあるかもしれないから、法則性はわからないや。それに手元にある植物も限られているから。。。」
「わからない事だらけね。まぁゆっくり試していきましょう。」
その後栽培してわかった事が一つあって、交配してできた種は、魔力を使って成長して使う事はできるけど、土で育てようとすると成長しなかった。多分無理な交配だから、自然界に受け入れられなかったのかな?って母さんが言ってた。




