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28話 お小遣い稼ぎ4

28話 お小遣い稼ぎ4


クソっ!見誤ったか。

仲間が、やられた時に危険性を感じて様子を見ていたが、現れたのは幼く経験の少なそうな人間だった。

仲間がやられた怒りで判断力が低くなっていたとはいえ、、、最近はつくづく運がない、折角アイツを追い出したのに、他所から来た奴に立場を奪われた、、、挙句の果てに駒のように働かされた結果がコレだ、、、いや、全ては実力か。。。


薄れゆく意識の中、フォレストウルフは自分の不運と実力を恨んだ。



「っっぶなかったぁ。思いつきでツリフネソウと火炎草を交配させたけど、威力すごいね。オオカミさんのアゴなくなっちゃってるよ。」


フォレストウルフの下顎は跡形もなくなっていた。

また爆炎の影響は体内まで広がっていて、臓器の殆どは焼き潰れていた。

って、後で解体所の人が言ってた。


「素材としてどうかわからないけど、とりあえずマジックバックに入れておこうかな。少しくらい売れる場所があればいいな。せめて魔核は残っていてよ。」


フォレストウルフとの戦いは、ツリフネソウの攻撃がイメージが弱かったのもあるけど、毛皮で弾かれてたみたいで、目に見えたダメージがなかったし、鞭でもダメージを稼げなかったんだよなぁ。

口の中から攻撃できたらいけるかも!って思って、リスクはあるけどフォレストウルフが確実に口を開ける状況を作る為に、ワザと疲れてるようにみせたり色々やったんだよねぇ。

フォレストウルフは慎重に行動する性質があったから、色々考える時間があったのは幸いだった。


予想外だったのは、ツリフネソウと火炎草の交配種の威力!

もぅちょっとキャウウンって言うレベルかな?

って思ったら、、、ねぇ。

自分が無事でよかったけど、下手したら自分も巻き添え受けてたよね。

盾持とうかな?それか、盾になる植物?

いや、いちいち魔力使うのもなぁ。

ぁーまた考える事が増えてくよ。

盾で悩むし、解体や野営の時見張り役の相棒。

やっぱパーティー組むべきなのかなー?


それにしても最後しぶとかった。

正直死んだかな?って思ったけど、まさか立ち上がったから焦ったよ。ゴブリンの剣拾っててよかった。

やっぱ刃物いるね。マァリッシュ。

夏休み前までには絶対買う!!

そして、魔力通せる魔鞭か線鞭(魔)欲しい。これがあれば魔力操作次第で切り裂く事もできるらしいから、毛皮や硬いモンスターにも対応できるようになる。

マルゴ商店で売ってるけど、高いんだよねぇ。

それか、素材を集めて作るかだよね。素材集めたら父さんが作ってくれるみたいだし。

とりあえず相談だね。


そして防具、、、まぁ、コレは全面的に父さんに協力してもらおう!天才錬金術師に。



〜〜〜〜〜


昼過ぎに冒険者ギルドに帰ってくると、ギルド内は人がまばらで、列に並ばずに受付カウンターにいけた。

「こんにちは。買取お願いします。」


「ありがとうございます。では、素材の提出とギルド証があればお預かりします。」


「はい、コレが薬草類、ゴブリンの魔核。あとはフォレストウルフとホーンラビットの解体お願いしたいです。」


「かしこまりました。では、先に薬草類の確認ですね。止血草10株 魔力草12株 ポポロ草2株 アーロエ5株 火炎草3株ですね。全て見事なサイズですね。精算しておきますので、奥の解体場へどうぞ。」



火炎草は数株残して提出した。後で母さんにツリフネソウと火炎草の交配種の件を聞こうと思って。なんなら庭で量産してもいいかも。



解体場に入ると大きな作業台が中央に二台あって、それを囲むように小さめ(と言ってもフォレストウルフなら三匹は並ぶぐらいの大きさはある)

天井は高くて窓も多くて、換気も採光もしっかりしてるから、陰鬱な雰囲気はなくて、むしろ清潔感を感じれる。

辺りを見回していると、革のエプロンを着て長靴を履いたおじさんが声をかけてきてくれた。

「おぅ!解体か?」


「はい、フォレストウルフ二体とホーンラビット一体お願いします。」


「おぅ!お願いされた!そこに出せるか?」


指示された作業台にマジックバックから出して並べると。

おじさんが唸る

「う〜ん。かなりデカイな。それに凄い状態だな。コレは君がやったのか?」


「はい、ソロです。」


「う〜ん。。。凄いな!!まずは、フォレストウルフ、小さい方は非常に綺麗に仕留めてる。外見上傷口がないから、一枚の大きな毛皮になるから買取額も上がるぞ。で、毒殺か?」


「いえ、毒ではないです。」


「おぅ!そうか、それなら肉も大丈夫だな。血抜きがされてないから少し味は落ちるが、若い個体だから、肉も旨い。」


「え?!フォレストウルフって食用なんですか?食べた事ない。」


「おぅ、食べれるぞ。若い個体限定だが、なかなか美味いから高級店でひっそりと食べられてるな。生後二年を超えるとダメだ。硬さと独特の臭みが出る。そして、こっちの大きい方はかなりボロボロだな。下顎はないし、焼けた匂いもあるな。内臓もやられてるな。毛皮も一部しか使えないから、魔核があればいいが、この状態だからなぁ、、、正直解体するだけ無駄だぞ。練習用に引き取るぐらいだな。」


「ううう、あの死闘はなんだったのか。。。」


「ううん。そうは言ってもなぁ。死闘だったのは伝わるが、とりあえず続けるぞ。

ホーンラビットは、ツノは綺麗に残っているし、血抜きもされているから、食用にもいける。

二体は解体するとして、大きい方のフォレストウルフはどうする?」


「うーん。じゃあ二体はお願いします。

で、どこか場所があれば魔核を探してみます。」


「、、、君、ランクはいくつだ?」


「ランク一です。どうしたんですか?」


「そうか。十五歳か?」


「はい、第二職業が騎士になったんで最近登録しました。」


腕を組みながら少し何かブツブツ言いながら考え事をしていて、考えが纏ったのか、こっちをパッと見て

「、、、よし。今から時間はあるか?」


「え?!あ。特に予定はないですけど。」


「そのでかいフォレストウルフで解体教えてやるよ!解体を覚えると、必要な素材だけ持ち運べるから、マジックバックに余裕ができるぞ!!綺麗に倒せたやつは血抜きと腸を出しておいて、後は俺らに任せた方がいいが、ボロボロになった奴に関しては、自分で解体できた方が稼ぎになる。」


「え?!いいんですか??」


「おぅ!かまわねぇぞ!登録して二ヶ月でフォレストウルフを倒すなんて、なかなかなもんだ!第一職業が戦闘職じゃないと倒せたもんじゃねぇ。けど、そうじゃねんだろう?きっと。」


「はい。第一職業は学者です。どうしてわかったんですか?」


「第一職業が戦闘職ならすぐ登録に来るだろ!その為に修行してたんだから、嬉しそうに登録しにくるもんなんだよ。まぁそいつらでもこの時期にフォレストウルフをソロで倒せたら相当優秀な方だ。

それをこんなに綺麗に倒せるなら、将来有望。

これは俺らからの先行投資みたいなもんだ。それにな、解体を覚えると、どこに刃物を入れて、どの方向に動かすと効率的か分かるから、モンスターと戦う時に便利だぞ!」


「あ、はぁ。」


「よし、じゃぁ冒険者用の道具を使うぞ!こっちだ!ついてこいっ!!」


半ば強引に始まった解体の勉強会は、正直言って、かなり面白かった。

筋肉の流れを見て、刃物の入れ方や切り方。

スジや骨のつき方から、どこを破壊すればどうなるのか。

更に鞭ならどこにダメージを重ねていけば有利になるのか?外見には現れないダメージの積み重ね方等を教えてくれた。

大きい方のフォレストウルフも充分鞭で倒せるみたいで、私が鞭で倒せなかったのは、単なる実力不足だったらしい。もう少し今の鞭で強くなるように言われたよ。


ちなみに魔核はボロボロになっていた。毛皮は尾っぽ方が使える状態だったから、そこだけ貰っておいた。


ギルドで諸々の精算を終えたら、もぅ夕方だった。

急いで帰らなきゃ。


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