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21話 マルゴのお姉さん再び2

21話 マルゴのお姉さん再び2


マルゴ商店の裏手は砂地の地面で、広さはギルドの訓練所の半分程。それでも数人が自由に動いても余裕がある程の大きさはある。

訓練場を入ってすぐの所でファムちゃんがフンフンいいながらハルバードを振ったり突いたりしているけど、イマイチ感覚をつかめてない感じでいる。


それを、笑顔で眺めているお姉さん。

なんとも言えない困った顔でこっちを見てくるファムちゃんに、お姉さんが近づいていき髪の毛を括りながら

「少し貸していただけますか?」


「あ、はい。」


ファムちゃんが私の側まで来たのを確認して、お姉さんが構え、息を吸い込み、槍を一回転させて突、そこから大きく踏み込んで槍を短く持ち、身体を捻りながら横薙ぎ、そのまま一回転し突、ショートダッシュをして飛び上がり槍を縦に一回転させて、振り下ろす。バックステップからの横薙ぎ、切り上げからの中段蹴りからの突、、、その後もハルバードの演武が続いて行く。

別の場所で武器を試していた人も集まり、お姉さんを見ている。

美人が華麗な槍捌きを見せていたら、そりゃ集まるよ。美人だし、槍捌き綺麗だし。控え目に言ってカッコイイ。

というか、鞭だけじゃなく槍までいけるんだ。しかも難しいって言っていたハルバード、、、


お姉さんの動きが止まると周りから自然と拍手が湧き起こった。それに対し、一礼をして手を振るお姉さん。

この日マルゴ商店王都店の槍が売れに売れ、お姉さんの非公式ファンクラブが発足したとかしなかったとか。



「ふふふ、久しぶりにハルバード使ったけど、楽しかったわ。」


「買います!ハルバード買います!!」


「ふふふ、ありがとうございます。」


「ただね、ちょっとお金が足りないので、買うのは夏休み前でもいいですか?」


「ふふふ、もちろん大丈夫ですよ。」


「けど、その時なくなったりしてないですか??」

うるうるした瞳でお姉さんに質問するファムちゃん。相当お姉さんのハルバード捌きに憧れたんだね。うんうん。わかるよ、その気持ち。

私も目を閉じればお姉さんの鞭捌きが鮮明に、、、


「マルゴ商店の商品は常に補充できる生産体制を維持しているのですが、一部商品や一時的に品切れで店頭にない場合もございます。その場合でも一週間もすれば店頭に並びます。」


「一週間、、、わたし寮組だから、それは困る。どうしよう。」


「ふふふ。でしたら、二本ほどお取り置きしておきましょうか?そして、その時買える方を購入するというのはどうでしょうか?」


「え?!いいんですか?」


「お取り置きは本来代金の一部を頂いて、二週間のみ保管となっていますが、メティスちゃんのご紹介なので、特別に許可致します。」


「嬉しい!けど、そんな事して大丈夫なんですか?店長さんに怒られたりしないんですか?」


「ふふふ、優しいわね。でも大丈夫ですよ。私店長より役職が上ですので。」


「そうだったんですね。すみません。そんな人に武器選んで欲しいなんて気軽にお願いしてしまって。」


「ふふふ、お仕事ですので気になさらずに。」


あの演武を見て、槍というかハルバードの練習をする事にしたファムちゃん。

購入は夏休み前にして、それまでにクエストをこなして、お金を貯めるらしい。ちなみにクエストに行く時武器がないと危険なので、両刃剣とスピアは騎士学校から無料で貸出ししてくれる(制作は鍛冶学校の生徒さん)

もちろん、壊したり無くしたりしたら弁償だよ。


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