162話 ルリ22
162話 ルリ22
大雨の中マルゴ商店を出て、ドール博物館に向かって走る。
博物館に近づくにつれ、ドールの数が多くなり、冒険者がそれに対応している。
博物館の扉が見えて、もう少しという所で空が一瞬光り大きな音が鳴った。
っと同時に何かの破片が飛んできた。
「風盾」
で上手くさばき、前を向くと博物館の扉に大きな穴があいていて、その穴からドールが流れ出てきている。
ヒューマドールもいれば動物タイプのオートマタもいて、その中には例の作り込みの多いツルっとしたドール[プロト]もいた。
周りを見るとドールの出方を見るように構えている冒険者もいれば、自信が無く後退りにしている人もいた。
再び走り出し、テッポウウリ2(火炎草とテッポウウリの掛け合わせ)を複数同時に撃ちドールの集団に風穴を開け、そこにボムズ(ツリフネソウと火炎草の掛け合わせ)を投下した。
ボムズの小範囲爆撃を受けて、何体かドールが倒れる。
っと同時にドール達がこっちに顔を向け、一斉に走り出してきた。
同じ要領でテッポウウリ2とボムズを組み合わせて数を減らしていく。
三回目のテッポウウリ2を撃とうとした所で、他の冒険者達が追いついてきて、魔法を撃ち込み、それを追うように近接職が飛び出していく。
ドールと冒険者がぶつかり入り乱れ、乱戦になっていく。
戦いは広場全体に広がっていった。
、、、
、、、
、、、
四足獣タイプのオートマタの首を突き刺し、黒い靄がでていくのを確認して、顔を上げる。
三猿と比べるとそこまで強さは感じなかった。
やっぱり憑く精霊とドールの素材とクオリティによって強さが違うみたい。
ってなると先にドール博物館の歴代優勝作品に結界を張るべきじゃなかったかな?
あ、いやでもオショウさん達もすぐ動いてたし、マルゴ商店の方も対応が早かったし、どっちみち無理か、、、
ドォン!
「うわぁ!」
ガァァン!
「ぐわっっ!!」
衝撃音と呻き声が響き、その音が徐々に近付いてくる。
音のする方を見ると、巨大なドールが腕を右に左に払い、冒険者を薙ぎ倒していた。
ルート的には私の方を目指しているような、、、
いや、近くのマルゴ商店かも!!!
ひとまずドールを止める為にオクトレグの種を蒔き、散弾式テッポウウリを用意して迎え撃つ
ドールが近づくにつれて、その正体が明確になってくる。
腕や足、体の各所の作り込みは他のドールの比にならないくらい細かく、それでいて凹凸が少ないフォルム。
[プロト]だ。
冒険者が薙ぎ倒されて目の前にプロトが現れ、ルート上のオクトレグを発動させる。
足に絡みつき、足がもつれそうになるがグッと耐えながら前進してくる。
止まりはしないがスピードが落ちた。
散弾式を展開して照準をプロトに合わせて撃ち込む!
爆女と共にプロトが仰け反った。
追加でボムズを数発撃ち込んでいく。
ドォォン
という音と土煙が周りに広がっていった。




