155話 ルリ15
155話 ルリ15
大きな声が聞こえ振り返ると、そこには、、、トビマルさんがいた!!
何故?
トビマルさんは鬼人族で、アウレ連邦で数少ないドワーフ族以外の工房主で、私の片手斧マァリッシュを打ってくれた人のお師匠さん。
ちなみに私の父さんと鍛冶仲間。
「トビマルさん?」
「んっ?!、、、」
私に声をかけられて、暫く誰か思い出すように考えている。
「あの、、、このマァリッシュを、、、」
と言って見せると。
「嗚呼!!!!
おおおおお!!!!
懐かしい!!!!
なんや、なんで自分こんなとこおるん?!
凄い偶然やん!!!」
「護衛クエストでここのみんなと一緒になったんで。」
「おお!そうなんや!!
せやったら、ちゃんとお礼せなな!
ウチの弟が世話なったな!!
五月蝿かったやろアイツ!!おもんないくせによー喋りよるねん。」
「あ、いえいえ、こちらこそお世話になっています。」
「そかそか。ほんで、その片手斧の調子はどない?問題あらへんか?」
「問題ないですよー。むしろ調子がいいよ。
バンダナさん元気してます?」
「元気にしとるで!
人数が多いから少し苦労しとるよーやけど、上手いことやっとるみたいやわ。」
「そっか〜。
っというか、トビマルさんはなんでまたルリに?
ヒトテラさんと落ち合うにしても、、、なんでここにしたの?」
「ん!?
偶には親の顔でも見よう思うてヒトテラに連絡したんや。そしたらアイツも帰るゆーたから一緒に帰ろかーゆーてな。
んで、調べたらルリでおもろそうなお祭りあるゆーやん。
せやったらそれ見てからにしよかな思うてな。」
「そうだったんだ!
確かに冒険者と一緒に旅なら安心だもんね!!」
「ん??安心??
あぁ、まぁ確かに夜は交代で寝れるし、戦闘サボれるから心は穏やかになるわな。」
「え?!いや、戦闘してくれるんじゃないの?」
「いやいや、俺も戦うで。
コイツらだけより俺も戦った方が早いやん。」
「???
危なくないの?」
「俺一応元々冒険者やで。
ランクもコイツらより上やったし。
めんどくさなって冒険者の年一回のクエスト放ったらかしてたら、除名なってもうたんやけどな。」
「え、、、そうだったんだ、、、」
ヒトテラさん達ってランク三と四だったよね、たしか。
それより上ってめっちゃ強いじゃん。。。
ちなみに、クノさんとイチさんがとオンミョウさんがランク四ね。
「それより自分いつまでルリおるん?マスクドドール見てくんか?」
「うん。マスクドドールは見ていくよ。」
「そかそか。
まぁ何もない思うけど、なんかあったら言いーや。モンモ(メティスの父親の事)の子供やから困った時は助けたるからな。」
「わ!ありがとう〜。」
「ほな、弟んとこいってくるわー。」
そう言いながらヒトテラさんの所に向かっていった。
「珍しい。
トビマルさんが気に入ってる。」
クノさんが呟いた
「あれ?そうなんですか?
なんかあの話し方だから、誰にでもフレンドリーなのかなって思ってたけど。」
「誰にでもフレンドリーは間違いない。
けど、何かあったら助けるは言わない。
あの人強いから色々頼られて、嫌気がさして冒険者を辞めた。」
「、、、そうなんだ。
じゃぁあんま頼らない方がいいのかもね。」
「わからない。
、、、けど、向こうから言ってくれる善意は受けてもいいと思う。」
「んー、、、善意、、、
ご飯奢ってくれるとか?」




