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152話 ルリ12

152話 ルリ12


夜になり、交代で食事を取り終えたタイミングでヴィゾーちゃんから連絡があって、グリフォンの元にかけつけた。



グリフォンとの会話はヴィゾーちゃんを通じて私が聞いて、みんなに伝えるという手順で進んでいった。


「やぁ、目が覚めたのね。

気分はどう?」


『アァ、キブンハイイとはイエナイけど、ヒトマズダイジョウブだ。

ココハ?』


「ここは私達が今夜休む場所、みんなで貴方を守るから安心していいよ。」


『ソウカ、カンシャスル。

タシカワタシはアノトキ シ をカクゴシタノダガ、、、タスカッタのダネ』


「危ない状況だったよ。

身体の傷はそこのヴェデルともう一人の人間が治したけど、弱っていた心臓はどうする事もできなかった。今は一時的に動きを補助しているけど、、、、」


『ソウカ、アラタメテカンシャスル。

コをウムジカンをアタエテクレタノダナ。』


「そう、その件なんだけど、、、」

私達の現在の職業や生活様式、自分達でできる仔グリフォンのケアと託せる場所の候補、ただそれも希望的観測で不確かな事を伝えた。


グリフォンとしては

・子供が安全に愛情を持って育てて欲しい。

・子供は卵で産まれて、孵化するまではしばらく時間はある。

・従魔になる必要があるなら、それは仕方がないし、それは子供が決める事。できればその判断は子供が自分でしっかりと決断できるまで保留にして欲しい。

・メティス達、できればヴィゾーちゃんが適してる環境だと判断すれば、その環境に託しても大丈夫。

・その対価として自分の身体は死んだら自由に使っていい。


グリフォンとしては寿命が尽きようのしてる状況だから、卵を産んでそれを<お願い>するしかない手詰まりな状況だから、私達の善意に訴えかけるしかない。


私達としてもそれを受けてあげたいけど、強いモンスターだし、何せ大切な命を無責任に預かる訳にはいかない。



「ドッちにしろ、グリフォンは卵を産むんだろ?」


『モチロン。』


「ソレなら私達に出来る事は仔グリフォンが育つ環境を見つけてやる事だ。

希望の条件はわかった。産んだ後の事はもぅ我々で話し合おう。そして探そう。

我々の最善を尽くす。

だから、安心して産むが良い。」


『カンシャする』




その場はそれで解散となって、ヴィゾーちゃんがグリフォンの隣で付き添う形で、産卵を見守った。

私達はグリフォンと卵の限られた少ない時間を邪魔しないように夜を過ごした。


朝、朝食を食べているとヴィゾーちゃんから連絡があった。

グリフォンの所に行くと、昨日にはなかった卵があり、それを大切に愛情を注ぐような姿で動かなくなったグリフォンがいた。

グリフォンの遺体をマジックバックにしまい、卵は藁で巣の形を作り、馬車で運ぶ事になった。





そこからの護衛は相変わらず魔石の屑山が何回かあり、討伐を繰り返しながら進んでいき、フォギを出発してから十二日で、今回の護衛の目的地ルリに到着した。

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