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151話 ルリ11

151話 ルリ11


「ダメだ。」

カミラさんが答えた

「まず勘違いして欲しくないのは、私がグリフォンの要望を聞きたくない訳じゃなく、どちらかと言うと要望を聞いてあげたい。

だけど、預け先が見つからなくて悩んでいるだけだ。

だからと言って、グリフォンをここに放っておく事はできない。」


顔を上げて周りを見渡すと他の冒険者の方々と目が合う。目が合うと頷いてくれている。


「夜営ができる場所はどれくらい離れてる?」


「そんな遠ない所にあんで。

ホンマは昨日に使う予定やった所や。」


「では、そこに移動して今日の移動は終了し夜営に入る。

グリフォンは台車に乗せて移動だ。」


「って事やで。

ウチらもちゃんとその話混ぜてーや。」


「ヒトりで抱え込むな!

一人で出来る事なんて限られてる。

これだけ多くの人がいるんだから、みんなで知恵を出せばいい。」



そこからオリエントの薔薇が運搬用に使っている台車を組み立てて、そこにグリフォンを乗せて移動した。

一時間程移動すると、今日の野営地に到着した。


到着してすぐに藁草を成長させて枯らして、グリフォンの寝床を用意して、そこに寝かせた。

目が醒めるまで暫くそっとしておこうかな。




「っにしてもラヴァルはんの樹魔法ほんま便利やな。なんでもできるやん!反則やん!」


「いえいえ、むしろ出来ない事多いですよ。結局物理攻撃になるし、植物がない所だと自前の種を使わないとダメだし。

さっきの黒い靄の時なにもできなかったし。。。」


「え?せやけど、攻撃しとったやん。」


「アレはこのブレスレットから雷魔法を発生させてたのと、火魔法を使ってたんですよ。」


「そーなんや。

てか、あんだけ靄の中突っ込んでてよく無事でおれたな!グリフォンはんなんて一瞬で翼やられてはったやん。

気は失っとったけど。」


「あれ?そういえばそうですね!?

なんでだろ??」

黒い靄に包まれた後に身体が重たくなっていって、その後から記憶が曖昧になってるや。


「まぁもしかしたら、従魔がなんか守っとってくれたんかもな。」


「、、、なんですかねー?

そういえば、クノさんの雷魔法凄いですね!」


「なんや!クノのやつかい!俺のはぁ?!」


「あ!ヒトテラさんのも凄いですよ!」


「わかっとるわかっとる」

私の反応を見て笑っている。揶揄われたや。

「アレは見たことないやろ!アレは印を結んで魔法を発動させとるんや!

決まった順番で印を結べば、その魔法の事を深く考えんでも威力を上げれるようにしとるんや!

別の国やと呪文って形になるんかな?

クノとイチは隠密行動や対人戦が多い集団に属しとったから、いちいち言葉発っせれんのや。」


「ヒトテラ、、、喋りすぎだ」

スッとクノさんが現れてヒトテラさんの頭を叩いた。


「イダっ!!」


「ごめんなさいクノさん。私が聞いちゃったんで、、、」


「んっ。構わない。

乙女の生立ちの秘密を勝手に喋るコイツが悪い。」


「印って凄い勢いで手を動かしてましたよね!

私も出来るかなー?」


「印は手の動きが意味を成しているからな。

身体に馴染めば威力が増大するけど、習得するまで時間がかかるから、お勧めはしない。

それに君は呪文の方が合っていると思う。」


「そうなんですか?」


「脳筋なら印、賢いなら呪文が合っている。

が私の考え。」


「え?!じゃぁクノさんは、、、脳筋なんですか?そうは見えないけど。」


「私は幼少から印を覚えさせられたから特殊。

人に教えた時に抱いた印象。」


「せやったら、俺も印覚えれんかったから賢いんかな?」


「ヒトテラは印。だけど、覚える気がなかった。

その武器が良すぎる。」


「あはは、ヒトテラさんダメじゃん。

ていうか、そうそうその武器凄いよね!?

めっちゃ炎出てたよね。」


「せやろ!ロマンがあるやろ!

カッコええやろ?!」


「うん。めっちゃカッコイイ!!

ミスリル製なの?」


「いや、ダマスカス鋼がベースらしいんやけど、貰いもんやから詳しい事はわからへんねん。」


ダマスカス鋼、、、確か刀剣を作る時の高品質素材だけど、今って作り方が不明な古代素材だったはず、、、

「よく貰えたよね。」


「兄貴が鍛冶師なんやけど、兄弟弟子と一緒に作った太刀の影打ちらしいわ。

真打ちやないから、冒険者なるわー言ったらくれたわ。

魔法陣を仕組んでくれてるみたいやねんけど、どこを見てもないんやけどな。まぁなんにせよ魔法を纏える太刀やねん。」


「へー魔法陣、、、けど、それだったら魔力込めるだけでいいんじゃないの?」


「せやねん。そう思ってたんやけど、それじゃアカンらしくて、各属性毎に呪文があって、それを唱えな発動せーへんねん。」


「へー珍しいね。

っていうか、色んな属性使えるの?」


「せやねん。

火・水・風・土・雷がいける。」


「すごっ!なにそのチート武器!ズルい!!」


「そう。ズルい武器。」

クノさんが本気で羨ましがってる。

「ヒトテラ、冒険者引退したらくれ。」


「持つべきはよき兄やで。」





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