14話 お姉さんと鞭2
14話 お姉さんと鞭2
あの後30分ぐらい鞭を振って、安定して音が鳴らせるようになった所で、お昼休憩になって、今はギルドの食事処に来ている。
「腕がだるい〜お腹すいた〜」
行儀が悪いのはわかってるけど、テーブルに突っ伏してダラけてしまう。
「ふふふっ。お疲れ様。ここは私が出すから好きな物頼んでいいのよ。」
「やったーありがとうございます。」
メニューを見てるけど、どれが美味しいんだろ?
揚げ物はだいぶ胸焼けしそうだし、、、
「、、、むむむ。
どうしようかな。お姉さんは何にするの?」
「私はそうね、ハオチー鳥とキノコのガレットにしようかな。トッピングで半熟卵もつけて。」
「わぁー美味しそう。うーん、うーん、オススメってあります?ここって味はそこそこというか、ワイルドだから、、、」
「ふふふ。じゃあキッシュプレートはどう?
ホーレー草とキノコとホロホロ鳥のキッシュ
と
カボチャとゴロゴロベーコンのキッシュ
の組み合わせがオススメよ。」
「あ!じゃあそれにします!すみませ〜ん。」
エプロンをした店員さんがニコニコしながらオーダーを取りにきてくれた。
「はーい。ご注文でしょうか?」
「ハオチー鳥のガレット、トッピングで半熟卵。キッシュプレートのホロホロ鳥とカボチャお願いします。」
「はーい。かしこまりましたー」
「それにしても、メティスちゃん鞭ははじめてなのよね?」
「はい、はじめてです。」
「それならなかなかいいセンスね。本当はね、クラッキングは先端に細い布をつけてやるのが普通なのよ。けど、今回はそれを付けずにやったじゃない。その状態だと初心者はまず音を出せないのよ。」
「え!そうなんですか?!なんでそんなイジワルしたんですか?」
「ふふふ。困ってる顔の方が素敵じゃない?」
「え!?やっぱお姉さんって、、、」
「ふふふ。どうかしら。まぁ、鞭は鳴る必要はあるけど、鳴らす事に執着したらダメなの。扱えるようになった結果鳴ればいいのよ。」
「ちょっとよくわかんないよ。」
「そうね。例えば大剣を自由自在扱えるようになる為には、100kgのバーバルを持ち上げれないとダメという事にしましょ。」
「うん。」
「じゃあメティスちゃんは大剣の練習をする為にバーベルを持ち上げる練習をするかしら?」
「ううん。大剣を振るよ。」
「ふふふ。そうよね。大剣を振って自由自在に扱える様になった結果、100kgのバーベルを持ち上げれる事もできるようになるのよ。」
「うーん?」
「ふふふ。」
「、、、」
「ふふふ。」
「、、、」
「ふふふ。」
「はい。」
と言っておこう。凄い言い包めようとしてくるけど、反論を許してくれなさそうな目をしてるんだよね。目の奥が女王様だもん。そして、きっと多分、いや絶対クラッキングの件はお姉さんの悦だよ。
あ、ご飯が来た、とりあえず食べよう。
うん。
「いただきます。」
〜〜〜〜〜
午後の訓練開始が始まったけど、もぅ今日は腕がちょっと重たいよ。
「では、次は鞭を目標に当てていく練習をしましょう。当て方は目標に対して①テールを横に当てる②テールの先を当てる③ボディで巻き付ける。」
「はい!お姉さん!腕が重たいです!」
「ふふふ。大丈夫よ、今日は当て方のコツを掴むだけだから。午前中みたいにハードにはならないわ。」
「そうなんですね。じゃあ頑張ります。①と②の違いは?どんな効果があるの?」
「①はボディよりだと打撲、テールよりだと切り裂き②は突き刺す。これの打ち方は人それぞれの感覚だから、ひたすら繰り返して自分でものにして。」
「お姉さん!凄いなげやりだよ!もっと教えてよ。」
「ふふふ。嘘よ。最初は的を正面において、まずやりやすいのは②の突き刺しね。Zをイメージしてやるといいわ。」
.......
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ハードにならないとは、なんだったんだろう。
結局あの後お姉さんのごほu ではなく特訓は夕食前まで続いた。腕が本当にもぅ上がらないし、握力がもぅないよ。ポーションで痛みを取るのは禁止で、理由は筋肉にならないから。ぐるじいよぉ〜。武器の訓練を舐めてたわけじゃないけど、予想以上だったよ。
けど、お姉さんもお仕事で忙しい中、貴重な休みを割いて時間を作ってくれた上に、しっかりごほu じゃなくて、しっかり特訓してくれたんだから、本当に感謝だよ。
帰り際に「鞭について伸び悩んだら、お姉さんに相談しなさいね。ふふふ。」って言ってくれた。本当に良い人だよ。だけど、相談は暫く先でいいかな、うん。そうしよ。




