139話 幻獣の遺跡21 従魔達の戦い3
139話 幻獣の遺跡21 従魔達の戦い3
リーダー格の男が倒れるより少し前に大男は正気を取り戻し立ち上がった。
目の前には三本の尾をもった狐がいた。
「なんだぁ??なんで目の前に銀狐がいるんだ?!」
んで、なんだこの状況??縄で縛られてるやつもいるじゃねぇか、、、
「お前か?!お前がやったのか??」
すると目の前の銀狐はニヤリと口角を上げて三本の尾をゆらゆらと振った。
「三本尾のくせに生意気な!
うぉぉらぁぁ!!」
大声を出しながら銀狐を蹴りつける。
銀狐は尾の本数に応じて強さが変わり、最大で六本まであり、、、いや、伝説上を含めると九本尾が最大だけど、一般的には六本尾が銀狐の最高峰になり、個体の強さもそうだが、配下を召喚する能力があり非常に厄介。
高ランク冒険者パーティーが複数集まってようやく対処できるレベルである。
三本尾は銀狐に成り立てでモンスターランク二程度、得意技は幻術で戦闘力は低い。
なので、大男が強気になったのも頷ける。
大男が蹴りつけて銀狐を飛ばす
、、、
はずだったが、強烈な痛みが足に響いた。
痛みに耐え切れず飛び退き、自分の足を見ると折れ曲がり火が溢れていた。
ヒュッと音がすると首に力が入らなくなり、呼吸の仕方がわからなくなる。
音にならない声を出しながら、大男の意識が遠のいていく。
大男の視界には銀狐がゆらゆらと尾を振っていた。
尾の数は
一
二
三
六
ちくしょうが。
ーーーーーーーーーー
ドサッと投げ落とされた小柄な男は、目の前に光景に絶望していた。
自分を投げ落とした大男は無謀にも六尾の銀狐に挑み、首と体が辛うじて繋がっている状態だ。
あれはどう見ても助からない。
リーダーも白いヴェデルになす術もなくやられ、頭と背中がくっついている。
そして俺の目の前には大蛇が下をチロチロさせながらジッと見つめている。
お願いだ。
殺すならひとおもいに頼む。
大蛇はゆっくりと足元から体を巻きつけ、下の方から骨を砕きながら上がってくる。
その速度は骨を砕く感触を楽しむように遅く、男には永遠に感じる程だった。
やがて痛みのあまり男の意識は飛び力が抜けていく。
その様子を見た大蛇はつまらなさそうに首を刎ねた。
全ての戦闘が終わると銀狐が配下を召喚し、肉を血を全て食らいつかせ、何事もなかったように綺麗にした。
銀狐『みんな綺麗に食べたかしら?』
銀狐の多種多様な配下達は整列して銀狐の問いに答える。
銀狐『よしよし、いい子達ね。じゃぁ帰っていいわよ。』
そう言うと全員一斉に消えていき、現場には4匹だけになった。
大蛇『つまらん奴等だったな。大した実力もないのに策も練らずにきよって。』
銀狐『あら、ちゃんと三体一という策を練ってたじゃないの。我らがいる事は想定してなかったんでしょ?』
大蛇『それでもだ、、、』
銀狐『あら、血肉沸き踊る戦いをご希望ですか?アナタも野蛮ねぇ、、、』
大蛇『ふん。。。この時期は昔を思い出してしまうからな。』
ヴィゾーちゃん『おにーさんおねーさん達凄い強いね!!一緒に戦ってくれてありがとう。』
銀狐『あら、ちゃんとお礼を言えて偉いわね。
どういたしまして。』
大蛇『あぁ、お前もよくやった。怪我はないか?』
ヴィゾーちゃん『うん、大丈夫だよ。』
大蛇『そこのスプライトもよくやった。いいタイミングだったな。』
スプちゃんがチカチカ光り喜んでいる
銀狐『いいかい、人をむやみに殺してはダメだけど、自分に危険が及ぶ時は遠慮や同情はしてはダメよ。
殺す気で来てるんだから、殺される覚悟はあるわけだもの。
怪我で済ませただけなら、後で彼らは自分達で決めたルールの中で我々を裁きにくるの。
厄介よ。
だから、やる時は殺る。
可能なら痕跡は残さないようにね。』
ヴィゾーちゃん「は、はい。痕跡かぁ、、、どうやって消したらいいんだろ?」
大蛇『火で全てを焼くのが一番簡単だな。ただ、時間はかかってしまう。
あとは光魔法で浄化で血は消せる。闇魔法で飲み込む。食べる
、、、だな。』
銀狐『あら、それだと、、、、』
、、、
、、、、
その後厩舎に戻ってみんなで色んな話をしていたら難しい話になって、いつの間にか寝てしまっていて、気が付いたら銀狐さんも大蛇さんもいなくなっていた。
あれ?もぅお宿出たのかな?
 




