幻獣の遺跡10
128話 幻獣の遺跡10
今は昔、国が村であり人がヒトの時代
ヒトは生を繋ぐ為、他の動物を糧にしていた。
時に其れが困難な時は菜を採り飢えを凌ぎ、寒さに耐え、狩をして数を増やしていった。
増えたヒトは村を起こしこれまで以上に動物を狩っていった。
やがてヒトに怯えた動物達は森の奥へ奥へと逃げ込んでいった。
ヒトA「くそぉ!動物達が見つからねぇな!」
ヒトB「大きな声を出すな!動物が逃げちまう」
ヒトA「ふん。もぅ三日も狩れてねぇんだ!どうせこの辺にはいねぇよ!」
ヒトB「そうは言っても緊張感はもつべきだ!」
ヒトA「あぁ?!」
ヒトB「なんだ?!」
ヒトA「お前こそなんだ?!」
ヒトC「おい!二人とも!あそこを見ろ!」
ヒトAB「っんだよ。」
ヒトC「ほら!あそこの茂みを見てみろ!」
ヒトB「、、、尻尾があるな。」
ヒトA「アレは、、、モンスターだよな?」
ヒトC「あぁ、動物と違って魔法を使うやつだ。」
ヒトA「、、、」
ヒトB「狩るのか?」
ヒトC「試してみる価値はあるよな!」
ヒトA「危険だぞ?!」
ヒトC「不意打ちをつけるし、こっちは三人いる。しっかりやればなんとかなるだろ!」
ヒトA「、、、どう思う?」
ヒトB「俺は賛成だ!」
ヒトA「作戦があるのか?」
ヒトB「いや、ない。」
ヒトA「おいっ!」
ヒトC「一人は上から槍を投げよう。他の二人はそれを挟み込みように配置して、隙があれば攻撃だ。無理なら三人が揃うまで牽制するのはどうだ?」
ヒトB「俺はそれでいい。」
ヒトA「、、、食糧の為だ。危険は受け入れよう。」
ヒトC「よし、、、、」
〜人形劇が始まった、、、はずだけど、舞台に出て来てる登場者はみんな人間に見えた、、、
関節の動きの滑らかさや、移動の時の重心移動、身体の細かい動きとか、本当に人間じゃないの?
ってなるけど、舞台の天井から糸が下がっていて、それが登場者についているから、きっと人形なんだよ、、、ね?
けど、本当にその糸がなかったら人と見分けがつかないかも!!!いや、言い過ぎか。
顔の表情は流石にちょっと、、、人形だね。
けど、それもちゃんと喜怒哀楽を表現しながらころころお面みたいにかわっていってる。
その後、苦戦はしたけど、ヒト達がモンスターを狩って食料を得て、動物だけじゃなくてモンスターも食料になるという話になった。
やがて、モンスターの牙や骨を使って武器を作り、更に狩を効率化していった。
ヒトがモンスターを狩れるようになってからは、ヒトがモンスターの住処を奪うかのように、どんどん生息域を拡大していった。
もちろん、ヒトの被害がなかったわけではなく、ヒトも傷付き倒れていった。
そうしている間にヒトはモンスターを憎み、モンスターや動物はヒトを憎むようになった。〜
リザードマン「今日もまたやられた、、、川に水を飲みに行った黒狼達だ。俺たちは水すら安心して飲めねぇのか!」
鉄蜘蛛「ヒトは残忍だぜ!まだ食べる為ならわかるが、俺達は食べる所がほとんどないのに、殺される。しかもその後に俺らの体を使って他のモンスターを殺していく、、、」
斑目蛇「ちと、おいたが過ぎるわねぇ。あたいらもヒトを食べるけど、多過ぎるわねぇ。」
老狐「皆不満が溜まっておるの。
このままだとヒトの思うがまま、我等は逃げ隠れるしかなくなってしまう。
アイツらは群れで襲ってくる。
こっちも群れで対抗するべきじゃな。」
鉄蜘蛛「俺らは何匹か集まって戦ってるぞ!」
老狐「うむ。そうではなくてな、色んな種族が集まった方がよいのじゃ!
例えばオークとリザードマンが一緒に動き、攻撃を食い止め、斑目蛇と鉄蜘蛛が上から奇襲をかける。
他には黒狼に跨り森を駆け巡るとかな。
一種族だと対応されるが、複数いればそれも難しくなるのじゃ。」
斑目蛇「そうは言ってもねぇ。」
老狐「今までワシらは自由に動いてきたが、その結果がコレじゃ。
手を組む時期なんじゃよ。
ヒトは変わった。ワシらも変わらねばならぬ。」




