幻獣の遺跡8
126話 幻獣の遺跡8
うーん。
この壁画はこれで全部なのかな?
どこか見落としてないかな?
んー。
クァッ!
『お姉ちゃんどうしたの?』
ヴィゾーちゃんが顔を覗き込み、心配するように魔力パスを使って喋りかけて来た。
「うん。ちょっと考え事をしていてね。
もう一回さっきの壁画を見てみようと思うんだけどいいかな?」
『それならよかった。
もう一回だね!いいよ!けど、お姉ちゃん絵が好きなの?
他の絵は見ないの?』
「ん?!他の絵?どこかにあるの?」
『うん。さっきスプちゃんに教えてもらったんだけどね。空から見ると地面に絵が描いてあるんだよ。』
「うそぉ?!ほんとに?」
『うん。本当だよ!僕も今見たもん。
ここにも描いてあるよ!
お姉ちゃんも上から見てよ。』
「わかった。
じゃぁ、風魔法で上に飛ばしてね。」
そういいながらアルソミトラを巨大化させる。
『わかった』
私が用意できたのを確認して、風魔法を使い私を持ち上げていく。
アルソミトラで風を受けて上空から広場を見ると、確かに絵が描かれている。
<動物とモンスターが一緒に水を飲んでいたり、寄り添って寝ていたりしている>
他にもないか見渡すけど、ここからだと障害物が多すぎてよくわからないよ。
地上に着地するとヴィゾーちゃんが駆け寄ってきて
『ねっ!あったでしょ?』
「うん。あったね!ありがとう!
スプちゃん!他にもこんな感じの絵ってあるの?」
スプちゃんが点滅しながら縦に揺れて、他にも描かあると言っている
うーん。いい加減話しがしたいなぁ。
「よし!じゃぁ案内して!」
スプちゃんが見つけてくれた絵は他に三枚
<老狐のモンスターが穏やかな表情で小動物に果実を分け与え、横には幻獣が寝そべっている。
幻獣の上に、鳥やリスや小狐が登って遊んでいる>
<雪が降る中、種類を問わず動物達が洞窟に纏まり身を寄せ合い寒さを凌いでいる>
<親が赤ちゃんや子供にご飯をあげていて、洞窟の外はさっきの絵とは違い、草花が咲いていて、そこを動物達が駆け巡っている。
幻獣が背中に動物達を背負い歩き、その近くに老狐とマントを羽織った人がいる>
それをなるべく正確に描、、、くのは無理があるから、文章でもメモをした。
「うん。よし、こんなもんかな?
もう少し探し回りたいけど、クエストの納品もあるからなぁ。。。
ヴィゾーちゃん。
ちょっと急ぎめに走ってもらってもいいかな?」
『うん。いいよー』
クエストの納品は夕方までだから、それまでに帰らないといけないから、風魔法も使って飛ぶように帰っていく。
途中で行きの時に出会ったアースカラーの集団とスレ違った。
何かを馬車に詰め込んでいたけど、一瞬だったからよくわからなかった。
まぁ忙しそうだったしいいか。
挨拶しても特に話す事ないしね〜。
その後特に何事もなくフォギに着いて、納品クエストを済ませた。
人形劇が始まるまで時間があるから、お風呂に入っちゃおうかな。
 




