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幻獣の遺跡7

125話 幻獣の遺跡7


太陽がまだ水平線の向こう側に現れていないうちに、泊まっていた鳩の止り木を出て、フォギの街の大門の所までやってきた。

辺りは[霧の街フォギ]の名に相応しく、毎朝出る霧に包まれて少し暗く感じるが、小鳥の囀りが聴こえて来て、確実に朝が近付いてきているのがわかる。

大門の周りには開門を待つ人がチラホラといて、皆旅立ちの前の最終点検をしていた。

朝早く起きたにしては、身体というか気分がスッキリしていて、冒険に出掛ける気分を高めてくれる。


ヴィゾーちゃんを撫でながら時間を潰していたら大門が開き、前の人が動き出した。

その流れに乗って列を進み、何度目かの分かれ道を経ると、周りに人は少なくなっていった。

途中からアースカラーの服に身に纏った集団と話しをしながら歩いていて、

彼等は街には泊まらずに色んな地域を渡り歩いているらしい。

野生動物やモンスターにも詳しくてヴィゾーちゃんを見て珍しがっていた。

私を見るというより、ヴィゾーちゃんをずっと見ていて、ちょっと気持ち悪かったけど、単純にモンスター好きなのかもね。

先を急いでいるからと挨拶をして、ヴィゾーちゃんの歩みを速め、幻獣の遺跡へ急いだ。



〜〜〜〜〜


森から遺跡へと続く道はよく人が通るからか、道が通っていたのもあって、迷わずに遺跡に辿り着けた。

遺跡は石造りの建物が森に侵食され、樹が屋根を突き破り壁に蔦が絡みついていたり、かつては綺麗な道も木の根によって波打っていた。


遺跡の中央には広場があって、教会はその広場に隣接するようにある。

壁画は街の中心部から少し離れた所に点在していて、どこから見たらいいのかちょっと悩んだけど、とりあえず指名クエストを片付けてから時間いっぱいまで、遺跡を探索しようかなって思って教会に向かった。



教会に行くとその隣に立派な樹がたっていた。木々には青々とした葉が付き、風が吹くと葉の衣擦れ音が聴こえてくる。


「誰か整備してくれてるのかな?やけに周りが綺麗、、、スプちゃん。この辺にスプちゃんの仲間いたりする?」


そう呟きながら聞くと目の前にスプちゃんが飛んで現れて、点滅しながら横揺れに動く。

スプちゃんと決めた否定の合図だ。

ちなみに肯定は点滅しながら縦揺れにしているよ。


「いないって事だね!ありがとう。

じゃぁ誰か来てるのかな?

マスターが言ってた有志の方々なのかな?

まっ!いいか。」


樹の幹に手を当てながら

「こんにちは。幻獣祭で使うシードルの実が三つぐらい欲しいんだけど、お願いできるかな?」

と言い、魔力操作をして実を成らせる。

枝を手元まで伸ばして赤いシードルの実を三つもぎ取り、元通りに戻していく。


「ありがとう。

お礼に少し魔力あげるね。」

樹魔法で負担をかけた分、魔力のお礼をして樹から離れた。



「さてとっ!

壁画をみますかー!!!」


まずは教会の壁にあるのは

タイトル・幻獣とマルゴ

<狼をベースにした四足歩行の生物で、顔は狼だけど雷角を生やし、隣にいる人間をベースに考えると四〜五メートルぐらいありそう巨大の生物(フォギの街に伝わる幻獣らしい。)

それとマントを羽織った人が両手をあげて、天を見上げている>


「うん。やっぱり壁画の幻獣さんは見たことないや。

角がなかったらグレートウルフとかフェンリルだし、雷から連想されるウルフ系なら雷狼だけど、角生えてないし、一角狼は雷属性じゃないし角は一本だし、、、うーん。わからないや。」



次に向かったのは、遺跡の入り口とは逆の方で昔は街の外壁だった部分かな?

既に森に呑まれていて、辛うじて壁画が読み取れる。

といってもパンフレットありきじゃないとちょっと辛いかな。


タイトル・ヒト

<ヒトが森を開拓して、動物を狩っている。>


そこから時計回りに見ていくのが正規ルートらしくて


タイトル・虐殺

<ヒトがモンスターを一方的に狩る姿

複数のヒトがモンスターを囲っていて、囲いの中には倒れたモンスターがいる>


タイトル・血の盟

<色んなモンスターが集まり、会合を開いている絵、中心には威厳のある姿で描かれている尾が六本ある狐のモンスターがいる>


タイトル・生賭

<ヒトとモンスターが戦い、モンスターを突き刺したり、大蛇がヒトが噛みついたりしてお互いを傷付け合っている>


タイトル・雷闇

<雷が鳴り響く暗闇の中、幻獣とマントを羽織った人が話をしている>


タイトル・導き

<怒った目をしているモンスターと幻獣が対話をしている

武器を持ったヒト達とマントを羽織った人話している。


タイトル・道

<人が鍬を持ち畑を耕していて、鳥や動物がそれを離れたところから見ている>


タイトル・平穏

<モンスターや動物が穏やかになって、優しい表情で休んでいる>



という壁画が続いていた。

というか、パンフレットには解釈としてそう書かれていた。



パンフレットに載っている壁画を全て見終わって、教会の側の広場で一休みしながら、壁画を思い返す。


ヴィゾーちゃんとスプちゃんにちょっと休憩ね!伝えたら、二人して空を飛んで遊んでいる。

っといってもヴィゾーちゃんは飛ぶというより、思いっきり跳び上がって風魔法でゆっくり降りてくるぐらいだけどね。

それでも気分の問題なのか、羽根をパタパタ羽ばたかせていて、可愛い。


うーーーん。

見応えはあったけど、なんかちょっと違和感があるんだよね。


人ではなくてヒトと表記されているけど、<マントを羽織った人>になっているし、壁画・道 ではヒトじゃなくて人になっているんだよね。


何の違いなんだろ?

うーん。うーん。

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