幻獣の遺跡6
124話 幻獣の遺跡6
その後受付のお姉さんと少し話して、解体と査定を終えた頃合いに再び受付に行った。
「こんにちは。冒険者ギルドへ。
本日はいかがいたしましたか?」
猫耳と猫手で、襟元に大きなリボンをつけている、猫の混血人のお姉さんが受付をしてくれた。
「えっと、さっきアウルベアの解体と査定をお願いしていたメティス・ラヴァルです。」
「解体待ちの方ですね。
かしこまりました。ギルドカードをご提示お願いします。」
ギルドカードを提示すると、それをチェックすると、査定額を書いた用紙を出してきて見せてくれた。
「こちらが、査定表です。
・薬草類の採取状態が良く、評価が少し高くなっています。
・ロックバードの嘴は少し欠けているので、評価を少し下げています。
・クロージャガーの爪は欠損もなく、状態は上々なので、適正価格になっています。
他魔核関連は適正価格で買い取らせて頂いてます。
アウルベアは素材を全て売却希望という事でしたので、全て査定させて頂きました。
状態がかなりよかったので、評価を高くしています。
金額にご納得頂けましたら、こちらにサインをお願いします。」
と言いながら筆を添えて査定用紙を見やすい位置に置いてくれた。
素材を売却する時は個人で買取をしている所にもっていく事もできて、場合によっては高く買い取ってくれる時もあるけど、逆にイチャモンをつけて買い叩かれる時もある。
それに毛皮屋は毛皮のみ、魔核は魔道具関連の店とか、それぞれに対応したお店に行かないとダメだから、めんどくさい。
冒険者ギルドはそういう事はない代わりに買取価格は(少し安めだけど)定められていて、何でも買い取ってくれるから、色んな素材を大量に持ち込む場合に便利。
何よりギルドのランクアップに繋がるから、基本的にギルドで買い取ってもらっている。
査定表にサインをしてお金を貰い、ギルドカードに入金してもらった。
「それと、ラヴァル様に指名依頼が入っています。」
入金の為に預けたギルドカードを返したもらうタイミングで受付のお姉さんが伝えてきた。
「はい、、、、、、
シードルの実ですか?」
一瞬目を大きく見開いて驚いた表情をしたけど、すぐに冷静な表情に戻り、通常運転に戻るお姉さん。
「はい、もぅお聞きでしたか?」
「カスミの雫のマスターさんとさっきお話ししていたので。それのクエストなら聞きましたよ?
確か幻獣の遺跡にある教会の横の樹からでしたよね?」
「はい、そうです。
その樹のシードルの実を三つ、実の色は問わないそうです。
依頼を受けますか?」
「はい、受けますよ。」
「では、処理をしておきますね。期限は明日の夕方までとなっています。」
「はーい。」
「頑張って下さいね!
幻獣祭にシードルの実があったら、きっと盛り上がりますよ!」
「任せて下さい!!」
ギルドの外に出ると日が傾いていて、夕方の少し忙しない空気感が漂っていた。
明日は夕方までに戻ってこないといけないから、朝一に街を出ようかな?
ってなると、朝ご飯は移動しながらになるかな?
帰りに明日用の携帯食料にサンドイッチと飲み物を買って、宿でヴィゾーちゃんに明日朝早い事を告げて、ご飯を食べて早めに布団に潜り込んだ。
そういや、シードルの実の報酬聞き忘れてたな。
まぁいっか。




