110話 ボスコ砦20
110話 ボスコ砦20
「メティス君やるねぇ〜」
「ありがとうございます。
班長さんもヘラクレスビートル、、、倒したんですよね?」
「あぁ、倒したぞー」
「どうやったんですか?倒し方綺麗すぎませんか?」
「ん?簡単だぞ!
水魔法で溺死させて、念の為に羽を開けて、心臓を刺しておいた。
あんなのまともに相手したらダメだからな!」
「へぇ〜参考になります。」
脳筋じゃなかったんだ、、、
「脳筋じゃやってられんからな!
メティス君も従魔との連携なかなかだったな!」
「ありがとうございます。
そうなんです!ヴィゾーちゃん、ちゃんと指示を聞いてくれるし、それなしでも自分で考えて色々やってくれるんですよー。」
「そうなのか!いい子だな!
羨ましいなぁ。」
「ヴィゾーちゃん褒められたよ。」
そう言いながらヴィゾーちゃんを優しく撫でると、目を細めて気持ちよさそうにしている。
「さて、そろそろアイツらの所にいくか!」
顎でトレントの方を指しながら、確認してくる。
「あ、はい。
準備大丈夫です!いきましょう。」
トレントの変異種の方にいくと、
只でさえ怪力で攻撃の一つ一つが重たく強力で厄介なのに、それに加えて枝葉を鞭の様に振り回し範囲攻撃で寄せ付けないトレント。
それに対して騎士団はその攻撃を避けながら反撃に枝葉を切り付けたりしていたが、目立った効果はなく、戦闘は思いの外進んでいなかった。
「う〜ん。面倒臭い相手だな。」
そう言いながら手を前にし、人差し指でトレントを指すようにして呪文を唱え出した。
すると魔力が指先に集まり、班長さんの指先から勢いよく水が飛び出した。
飛び出した水が一直線にトレントに襲い掛かる!
が、トレントの周りに火の盾が現れ、それにによってかき消された。
「ッチ!やっぱこの距離はダメか、、、
それと、火魔法か。。。
他の魔法は確認してるか?」
「土魔法を使うのか、近付こうにも地面が急にぬかるんでスピードがでないです。」
「そうか、、、
メティス君!柳の木の特徴は?」
「柳の枝は弱いですが、他の木を縛る事ができるぐらい柔軟性があるので、普通に攻撃をしても柔らかくいなされるはずです。
可動域の限界までいった所か、掴んで張った状態で切るのがベストです。」
「なるほど、突破口はあるか?」
「う〜ん。。。枝を頑張って切るより、根本付近を狙うのもいいかもです。
突破口は、、、ちょっと危険ですけど粉塵爆発を使えば隙を作れるかなと、、、」
「って事は火が必要か。」
そう言って、指先からもう一度トレントに向けて水を打ち出した。
トレントがそれに反応して火の盾を作り、ジュッという音と共に防いだ。
班長さんがニヤっと笑いながらこっちを見てきたから、頷いてそれに答える。
「火は確保できたな。」
「はい、すぐ準備しますね。」
火炎草と微細種子のカルセオラリアを配合して、粉塵とまではいかないけど、連鎖して燃えやすい種子を作る。それを袋状の状態にしてキープさせて、数個作っておく。
作り終わり顔を上げると班長さんと目が合う。
「いけるか?」
「はい。コレを向こうに投げ込めばいいだけです。」




