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103話 ボスコ砦13

103話 ボスコ砦13


「メティスちゃん大丈夫ぅ〜?

マジックポーション飲んどくぅ〜?」


「うん。貰っとく。

ありがとね。」

魔法使いちゃんから青色の液体が入った瓶を手渡されて、グビグビと飲む。

魔力が体の中を満たしてくる感じがする。


あの後会議がクマちゃん中心に進んで、

川を渡らせるなら、どのポイントにするか?

そこにどうやって誘導するか?

って話になったんだよね。


その結果、干上がった川にモンスターを誘導するけど、対岸には上がらせないようにする為に樹魔法で植物の柵を作る事になって、魔力を大量に消費したの。

そして今から、湖から川に流れてる所を堰き止める所。

メンバーは私、魔法使いちゃん、エルフさん、クマさん。

ファムちゃんは眠り球を粉にしたやつを空から撒いてるから別行動。


それ以外にも砦での戦闘の為に色々と種を作ったりと、、、



「メティス、回復したか?」

エルフさんが顔を覗き込んできた。


「はい、大丈夫です。」


「よし、じゃぁやってくか!

準備はいいか?」


「はぁ〜い。」


エルフさんと魔法使いちゃんが並んで土魔法を使って土壁を岸に立てていく。

それに私が植物の根を這わせていく。

生やしたのは適当にその辺に生えてる草にした。

一時的に生やすだけだしね。

水辺に生息してるから、問題ないでしょ。

わかんかいけど。

完成した土壁をクマさんが川に並べていく。

最後に土壁同士を繋ぐように植物を絡ませて、更に地面にも根を張らせて完成。



昼過ぎから始まった作業も三時間ほどで終わって、今日はそのままここで待機して、決壊させる合図を待つ事になってる。

大量のモンスターが一箇所に集まってるから、ここにはほとんど居ないだろうけど、用心して今日は火を焚かずに木の上で過ごす事にした。

もちろん居心地がいいように、私が樹魔法で色々とイジるっていうね。



サンドイッチを晩御飯にしながらたわいもない会話をして時間を潰す。


「それにしてもメティスの魔法は便利だな」

クマさんが木の上に私が魔法で作ったベッドの寝心地を確かめながら言ってきた。


「ありがとうございます。

植物がないと何もできないですけどね。」


「いやいや、いや、まぁそうかも知れんが、逆に言うと植物のある所を活動拠点にしていたらいいんじゃないか?」


「まぁ、そうなんですけど、、、色んな所行きたいじゃないですか。」


「確かになぁ〜冒険者も悪くないよな。」


「ならないんですか?冒険者に?」


「冒険者なぁー。面白そうだけど、あまり興味がないかなぁ。この仕事が安全!という事ではないけど、安全に安定した暮らしがしたいからな。」


「えー先輩強いのに。」


「強い弱いは関係ないだろ〜。」


「そうだな、お前は冒険者になるには優しすぎるしな!」

エルフさんが笑いながら会話に入ってきた。


「まぁな。

けど、そういうお前こそ騎士に向いてないぞ!

どう考えても研究者とかそっち系だろ。」

クマさんも負けじとエルフさんをイジり出す。

二人とも仲良いんだね。


「それは俺も思う!けど、第二職業が騎士だから騎士団に入りやすかったしな。

まぁ森に関連する所に配属してもらえるし、メインは調査だから、助かってるよ。」


「そこは親父にお礼を言うんだな。」


「おふたり仲良しなんですか?」


「あぁ、騎士学校の同級生なんだ。

それでコイツがこんなんなのに騎士団に入るって言うから、俺が親父にボスコ砦の適任者がいるって推薦したんだ。」


「???推薦??」


「あぁ、俺の親父、騎士団の第二部隊の隊長だぞ!妹から聞いてなかったか?」


「そうなんですか!?知らなかったです!」


「私は知ってたよぉ〜」

魔法使いちゃんが手をヒラヒラさせながら答えてきた。


「え!うそー!なんで私は知らなかったんだろ?」


「メティスさんはぁ〜クエストでたまにいないでしょ〜その時にぃ話してたんじゃないかなぁ?それかぁ寮かなぁ?」


「う〜ん。それか忘れちゃったとか?いや、それはないな。」


「まぁ、なんにせよそんな感じだ。

そんなしょっちゅう学校抜けるのか?クエストの為なら結構休みやすいけど、休みすぎるとあんまりいい顔されんだろ?」


「いやいや、ほんと偶にですよ。」


「ほんとにか〜?」

笑いながら茶化してくるクマさん。

「学校休むって事は遠征のクエストだろ?

もぅパーティー組んでるのか?」

通常パーティーを組むなら同じ条件の人が多くて、ギルドランクが近い、同郷から出てきた、同じ目標や目的があるとかだから、学生をパーティーに迎え入れる事は殆どない。逆に学生だけでパーティーを組む事はよくあるけど、そうなると学校を休んでまでのクエストは滅多に受けない。


「いえ、固定のパーティーは組んでないんですけど、父さんのクエストに同行したり、武器の演武依頼ですよ。」


「へ〜お父さんも冒険者なんだ!」


「はい、昔は冒険者してましたけど、今は年一回くらいしかやってないです。」


「はは!まぁ現役以外そうなるよな!

娘が騎士見習いなら尚更タンクとして活躍してくれるしな!

さて、じゃぁそろそろ寝るわ!おやすみ。」


あ、なんか父さんが守ってもらう感じになってるけど、そんな感じじゃないんだけどなぁ、、、

まぁいいや。

「あ!じゃぁ私も寝ます。おやすみなさい。」

魔法の使いすぎでもぅ眠気が凄いよ。


「はいはぁ〜い、みんなぁおやすみー見張りは任せてねぇ。」


「じゃぁ頼んだぞ!おやすみ。」

エルフさんもそう言いながらもぞもぞと寝床に潜り込んでいった。


夜の見張りは、魔法使いちゃん・熊さん・エルフさん・私の順番になって、私と魔法使いちゃんは睡眠時間がとりやすいように配慮してくれたよ。

あーけど、冒険者になったら、夜の警戒ほんとどうしよ。

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