101話 ボスコ砦11
101話 ボスコ砦11
砦までの帰り道、通常のシルバーエイプをはじめ、ハイマペタルデス(吸血蝶)オンブルセルパン(影蛇)フェルゼンシュピンネ(岩蜘蛛)ラオフー(魔虎)など、色んなモンスターが襲いかかってきた!
明らかに異常な数の襲撃
「くそ!多いな!さっきの巨大なシルバーエイプといい、どうなってるんだ?!」
クマさんが岩蜘蛛をなぐりつけながら呟く。
「そうだな、異常だなこの量は!まぁだからこその撤退なんだろうけどな!」
エルフさんが風魔法で吸血蝶を切り刻みながら返す。
「さっきの大きなシルバーエイプ、手にもっていたの馬の足でしたよ。」
影蛇をヴィゾーちゃんの光魔法で炙り出して、首を刎ねながら続ける。
「くそ!誰かの馬がやられたか!!」
「そうかもな。しかし、本当に数が多いな!上からはどんな感じだ?」
「今、上空に従魔を一匹飛ばしてるんですけど、樹が邪魔して安全なルートが見つからないです。」
ファムちゃんが首を振りながら答える。
「そうか、ならばとりあえず警戒しなg...」
「いや、直進はどうだ?それなら最短だから最小のモンスター数じゃないか?どうせ分からないならさ。」
「避けれる戦いは避けた方がよくないか?」
「ただ、避けていった結果遠回りになったり包囲されるって可能性もあるぞ!」
「まさか?!モンスターが結託するか?」
「いや、あの大きなシルバーエイプがいたんだ!イレギュラーが起こる可能性も考慮しないと!」
慎重派のエルフさんと、直進派のクマさん。
この場合どっちがいいんだろ?
どっちの案も正解な気がするんだけどなぁ。
ドォォン!!!
大きな爆発音が遠くで聞こえた、、、絶対ヤバイやつだよね。
「あっちはやめておこうぜ!」
「あっちはダメだな!」
エルフさんとクマさんが声を揃えて言う。
音の鳴った方から少し離れるように進んで砦を目指していく。
モンスターの襲撃は多少収まったけど、それでもやっぱり普段より多い。
砦に近づいてはいるけど、砦に直進したいタイミングで、モンスターが砦の方向に見え、妙なもどかしさがパーティーに焦りの気持ちが芽生えさせていく。
「なぁ、もぅここまで来たら砦まで直進でいいんじゃないか?」
モンスターの連続襲撃に疲労したクマさんが少し苛立ちながらエルフさんに提案してきた。
「確かに、、、幸い前方に敵影も見えないですし、、、いきましょうか。」
私達の意志を確認するようにエルフさんが振り返ってきたから、頷いて返事をする。
皆んなの意志を確認したエルフさんが進路を変えて砦の方に進もうとしたら、目の前に光の玉が現れて、行くてを遮るように飛び回っている。
「!!!!スプライト。」
エルフさんが驚いたように立ち止まり呟いた。
エルフさんが立ち止まったのを確認したら、今度は私の所まで来て飛び回っている。
この動きと光り方はさっき掌に来た子だよね。
「君は、さっきの子だよね?!
なんだろ、どうしたの?」
聞いても意思の疎通なんてできないけど、、、
「この道は危ないという事かな?」
「分かるんですか?」
「あぁ、一応エルフは精霊と契約できるからな。未契約のスプライトでもこれぐらいはなんとなくな。」
「へぇ〜すごーい。」
「あ、ありがとう。」
ちょっと困った顔をするエルフさん、、、なぜ?
いや、けど実際すごいよね!契約なしでモンスターと意思疎通するみたいなもんなんだし。
あれ?合ってるよね?そんな感じだよね?
スプライトがスーッと移動するのを見て
「付いて行くぞ!」
っとエルフさんが指示を出す。
直進派のクマさんも何も言わずに付いていく。
多分なんとなくだけど、ダメだと感じてたのかもね。
まぁ苛立ちからの直進だったしね。
私とファムちゃんもなんの反対もないから、大人しくついていく。
というか、エルフさん上官だから、その指示は普通に聞かないとダメだもん。仮に「嫌だーっ」て言って、「じゃあ俺らはこっち行くからね!バイバイ」ってなったら、詰むよね。
というか、ファムちゃん大丈夫?さっきから喋ってなくない?
って思ってファムちゃんを見たら、従魔の鳥さん同士の情報共有を聞いてて、それどころじゃなさそうだった。
頑張ってね。
暫く付いて行くと何度かモンスターに遭遇したけど、頻度はかなり少なく、無事砦に帰ってくる事ができたよ。
砦周辺はさっきまでのモンスターの襲撃が嘘のように、モンスターの気配がなかった。
砦の入口付近で警戒していた騎士団の人に帰還を報告した。




