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シュミカの役目

※シュミカ視点です


 コーマが出した案に、ギルが乗っかる形で、私がウレイン全土に結界を施す事になった。ウレインは私の理想が詰め込まれた楽園だ、誰にも穢させはしない。


 アイリーンやシエルちゃんに暫く、というかどのくらい会えないかは分からないけど、ちょっとだけ寂しい思いをさせちゃうかもなぁ~。


 「シュミカ、アイリーンから伝言。」


 「およ? いきなり伝言?」


 「ま、急にこっち来ちゃったからね。別れを惜しむ暇もなかったしね。」


 「そうだねえ、ゆっくりしちゃうと、私が寂しくなっちゃうから。」


 「うん、まあ上で会えなければ、私が会いに行けばいいじゃないって結論になったらしくてさ。結界の排除対象から、天界のメンバーを外しておいてって。できる?」


 「んー、多分できるっぽいかな?アイリーンとシエルちゃんと、ネルちゃんとコーマとギルは通過できることにするわ。」


 「それでよろしく、じゃあウレインの中央に行こう。」


 「はーい、正確な位置はわかんないから、案内よろ~だよっ!」


 「一瞬で行くから大丈夫・・・。」


 アイリーンったらもう、シュミカが居ないと寂しいんだね? あっちから会いに来てくれるだなんて、シュミカ冥利に尽きるなぁ~。

 なんて考えてたら、割とマジに一瞬で到着した。さすがギル、さすギル。


 そこには、大きな木があった。そういや作ったな・・・世界樹みたいな木を中心に~って思いながら。創ってからもう何年経ったのか分かんないけど、めちゃくちゃデカくなってる。

 この辺はそこまで頻繁に遊びにはこなかったからなぁ、遠目にしか見てなかった。それでも結構遠くから見てたのに頭一つ飛びぬけてたわ。近くで見るとこんなに大きいんだねえ、凄いわ、つまり創った私も凄いってことだね!


 「余計な事考えてないで、いくよ。世界樹の根本。」


 「ぶー、頭の中見ないでよー、えっちぃ~」


 「はいはい、ひわいひわい。」


 「スルーする力が漲っておるわ・・・ギルめ、やるなぁ。」


 くだらないやり取りをしながらも、世界樹の根元にたどり着く。ト〇ロのあの木よりでかいわ。現物見たわけじゃないけど。

 根本の中心部分に、ちょっとした窪みがあって、一人分の寝床みたいになってた。


 「ここに、オフトゥンでも敷いといて。寝るのはここね。んで、行動範囲は世界樹の葉っぱが覆ってる範囲になる。分かりにくいなら線でも引いとくかい?」


 「おおう、ここで寝泊まりね。そうだね、一応目印は欲しいかも?」


 「後、何か欲しい設備なんかあれば聞くけど。」


 「アイリーンじゃないけど、お風呂とかは作るとしたらどこに作るの?」


 「その寝場所から直接行ける場所に空間を作る感じになるかな。世界樹の中だよ。」


 「じゃあそれで!あとは暇しないように台所と農具お願いね、野菜の種も。」


 「はいはい。僕もたまには見に来るから、その時にまた希望は聞くよ。」


 「ありがとーね、じゃあ早速ウレイン全土の地図を頭に思い浮かべて・・・、ドーム状、外からの接触に限り捕獲吸収機能付与、通行許可付与・・・」


 本当は頭の中で思うだけでいいんだけど、言葉に出した方がイメージするのにも役に立ちそうだから、ぶつぶつ独り言いう変な人っぽいけど、どうせここにはギルしかいないので気にしないでおく。


 「結界発動!」


 自分の中にある何かがごっそりと無くなった感じがした、なんかほら、久しぶりにアレが出たみたいな。ちょっとお下品かな、あはは!


 「うん、ちゃんと発動したみたいだね。今多分、神の力がごっそり減ったと思うけど、勝手に回復していくから、心配しなくていいよ。そこから維持にちょっとずつ持ってかれはするけどね。回復量の方が上回るから、大丈夫。」


 「あ、回復する量結構あるんだね、了解~。」


 「本来は、僕が他の神からのちょっかいが掛からないように対処すべきことなんだけど、ごめんね。」


 申し訳なさそうな、ちょっと泣きそうな顔してる。ギルだって私達の上司の神様なのに、威厳とかどっかに置いてきたんだねえ、色々突き抜けて可愛いわ。


 「気にしないで、悪いのは例のアレでしょ?」


 「そうだけど・・・、なんで僕に執着するのかは分からないんだ。僕が原因を作ってしまっているのかもしれない・・。」


 「いや~、そんな粘着質な奴の考える事なんて分からなくて当然だよ、神様はいつだって理不尽でしょ?」


 私達が急にこの世界にきたのも、理不尽な神の力によるものだ。基本的に神は理不尽なものなのだ。多分、きっと。私の中では理不尽だ。


 「ははっ、そうだね、神は理不尽だ。」


 自嘲ともとれるけど、その表情は暗いものじゃないみたいでよかった。どう考えたってわからないんだから、笑い飛ばすくらいで丁度いいのよ。


 「ギルも裏方仕事がんばれよぅ! 私もここでのんびり待ってるから。」


 「うん、結界の維持は特にこれと言ってやる作業はないけど、しいて言えば暇に耐える作業だと思っておいて。目印の線から外に出れば結界は自動的に消滅するから、気を付けてね。」


 「はぁい、がってんでいっ!」


 「じゃあ、僕は行くよ、今度はアイリーン達でも連れて来るから、気長に待ってて。」


 「またね!」


 そして、ギルは帰っていった。さあ、これからは暫く一人の時間だ。久しぶりの農業でもやって暇にたえてやろーじゃないの!

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