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ネルのお遣い~下山編~

※ネル視点です


 結論から言いますと、ドラゴンさん達はお風呂を堪能しました、それはもう物凄く気持ちよさそうに。ちっさいドラゴンが湯船に浸かっているのは中々に可愛らしいものでした。年齢不詳ですけども。


 湯気の上がるドラゴンさん達は、その場で家族会議を開始しました。私は大人しく眺めていることにしましょう。家族の事は家族で決めるのが良いと思いますが、収拾がつかなくなりそうなら、仲裁に入りましょうかね。

 本当は、ミュウちゃんをロクオウ村に呼ぼうと思って用意していたお風呂ですけど、まさか全員が気に入るとは・・・。そう、家族会議の内容は、『誰がロクオウ村に行くか』です。


 娘が一人にならないように、こちらに預ける的な流れになると思ったんですけどね。案外ドラゴンさん達の大人組は大人気ないのでしょうか。欲望に忠実なのでしょうか。それともコーマが設定したせいで、ギャグ時空に突入してしまったんでしょうか。


 あ、なんかここに残るのはエンシェントドラゴンさんのお二方になったみたいですね。ここでもお風呂に入りたいからなんとかしてくれ? そうですね・・・簡易のお風呂なら作れますが、ドラゴンさん達は温水の魔法とかありますかね・・・? あ、ないんですね。となると、誰かがお世話をしなければいけません。一応麓のドラゴニュートの里にも公衆浴場はありますが、ああ、パトロールの帰りに入って帰ってくるですか。


 「では、ドラゴニュートの里の方に、ドラゴンさん達が来ても驚かないように伝えておきますね」


 簡易のお風呂が入れるように、今から必要な魔法の習得をするそうです。ドラゴンが魔法の習得頑張るとか、よくよく考えると凄い事ですね。


 お父さんとお母さんは大陸南部に行くと。あちらはドワーフさん達が住んでいますが、天然温泉が湧いたという噂を聞きましたので、そちらに案内するようこちらで手配しておきますね。


 そして、予定通りというか、自動的になったというか。ミュウさんはロクオウ村に来ることになりました。よかったです、交渉はほぼしてませんけど。

 普段生活するのに不便だからと、人化してくれました。ちっさい子になるのかと思っていたのですが、案外大人びた姿になりましたね・・・、ドラゴンの年齢と見た目の年齢の関係がよくわかりません。


 「よろしくね! ネルお姉ちゃん!」


 あら可愛い。15,6歳くらいに見えるお嬢さんからお姉ちゃんて言われちゃいましたよ。これは自慢できそうです、コーマに。


 「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」


 人間の姿になったまま、一緒に下山することになりました。人の体になるのは久しぶりだそうで、体を慣らしたいんだそうです。そういえばこの人化バージョンのミュウさんの姿は、コーマが考えたんでしょうか? ま、人の好みはそれぞれですね。銀色の長い髪の毛の先だけ黒くなっているところとか、闇属性を意識した感じがします。瞳は金色ですね、宝石のようでとても綺麗です。


 「戻りましたら、ドラゴンさん達の予定とお風呂の事をカゲツさんにお伝えしなければ。ミュウさんもロクオウ村へは猫獣人の方々と一緒に旅をするということでよろしいですか?」


 「うん、いーよ! 家族以外の誰かと旅するなんて初めてだし、楽しみ!」


 無邪気に笑顔を見せる様子は、見た目の年齢よりも幼く感じます。素直でいい子みたいです、我儘なお嬢さんでなくて良かったです。


 行きは一人でダッシュしたので、スピードを気にせずいましたが、ミュウさんはどれくらいの身体能力をもっているんでしょうか。


 「ミュウさんは、どのくらいの速さで走れますか? 人間の姿で」


 「んー、今よりはだいぶ速く行けそうかな?」


 全力で走ったことがないみたいで、どこまでやれるかは不明みたいです。


 「じゃあ、今から少しずつ速くしていきましょうか。疲れたら仰ってください」


 「はぁい!」


 うん、いいお返事です。スピードを少しずつ上げていきますが、鼻歌交じりについてきていますね。これはかなりのスピードが出せそうな感じです。


 「あ、スピードの限界来る前に、里に到着してしまいそうですね・・・」


 「あらー、残念。でもいい運動になったわ!」


 普通ならかなりのスピードだったと思いますが、いい運動くらいのレベルなんですね。さすがドラゴンです。運動能力半端ないです。


 里が見えてきたので徐々にスピードを緩めて、事故が起きないようにしましょう。ドラゴンに体当たりされたとなったら、流石のドラゴニュートさんでも無事では済まなそうですから。


 あっ、カゲツさんがいますね、戻ってきたのを察知したんでしょうか? 中々の勘をお持ちのようです。


 「ただいま戻りました、こちらはカオスドラゴンのミュウさんです。彼女はロクオウ村に随行していただくことになりました。こちらの山にはエンシェントドラゴンさんお二方が居てくださるそうです。それでなんですが───」


 お風呂の事に関する連絡事項を、まず先に伝えておきます。重要ですから。カゲツさんは驚いていましたが、快く受け入れてくださいました。崇める対象が来てくださるんですから当然っちゃ当然ですね。


 こうして無事に下山と相成りました。

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