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ネルのお遣い~交渉?編~

※ネル視点です


 「はい、では早速お話させていただきますね。つい最近この星に存在する大陸の一つであるラプール大陸に、新種の魔物が現れました。その事はご存じですか?」


 「いや、寝てたから知らないな。この大陸に来たのなら気付いて起きたかもしれないが、遠すぎる場所のものまで感知することは不可能だ。」


 「了解です。新種の魔物はこの星を構成する神々のお一人であるアイリーン様が対処され、事なきを得ました。天界からの情報によりますと、別の星を司る神からの嫌がらせのような行為だったらしいのです。」


 「ほう・・・、この星に居ない魔物をけしかけるとは物騒な嫌がらせだな。」


 僅かに眉間に皺を寄せたのがなんとなくわかった気がしました、ドラゴンなので分かりづらいですけど。


 「たまたま、ラプール大陸の方にその嫌がらせが行っただけで、次はこの大陸に来る可能性も考えられると、神々は不安視しています。」


 「もし、ここの大陸に来た時にその対処を頼みたいって事か? 流石に距離があり過ぎると無理があると思うが。」


 「概ね正解ですが、対処をしていただくというのではなく、ご協力をしていただければと思います。我々も日々その事についての対処法を考えては実行できるようにとしているのですが、一体何時仕掛けてくるのか皆目見当もついておりませんので・・・。」


 「まあ、いつ来るかわかってたら嫌がらせにはならんな。協力するのは別に構わないぞ、基本暇してるからな、ハッハッハッ!」


 ドラゴンジョークなのでしょうか、笑いのツボがよくわかりません。しかし、あっさりと協力を了承されてしまいましたね。


 「貴方のジョークは分かりづらいから、あまり言わないほうがいいわね。面白くないし。」


 ズバリと奥様が言い放つと、ドラゴン父さんはちょっと涙目になって黙ってしまいました。


 「それで、具体的には協力ってどうすればいいのかしら? 見回りでもするの?」


 「いえ、もし強い新種の魔物が現れた場合、感知していただければ。その時にこの、連絡用の道具でお知らせしていただければと。」


 コーマから預かっていた連絡用アラームボタンという道具を、ドラゴンさん達の前に差し出すと、興味深そうに全員がじっとこちらを見ています、ちょっと怖いです。敵意がないとはいえ、ドラゴンに囲まれているこの状況って、相当恐ろしいのでは?


 「なるべくならこちらで対処しますが、もしこの付近に害が及びそうならご出動いただくこともあるかもしれません、そこのところは申し訳ないです。」


 「それくらいならお安い御用よ、気にしないで。そうなると、私達は固まっているより、分散した方がよさそうね?」


 「そこは無理にとは言いません、可能ならば有難いですけど・・・。」


 理解の早い奥様で大変助かります、こちらの言わんとすることを先回りして汲取っていただけてます。


 「私は別に構わないわよ?」


 そう言うと、他のドラゴンさん達に奥様は視線を向けました。他のドラゴンさん達が多少でも渋るかと思ったのですが、「いいよ~」となんだか軽いノリでOKしています。これ交渉の必要あったんですかね?


 「もしよろしければ、私達の村にもお一人きていただけませんか? 私達の村はこの大陸の中央部にあるので、各所への連絡も取りやすいかと思います。お風呂にも入っていただきたいですし。」


 「「「「お風呂?」」」」


 おっ、皆さんの興味を引くワードだったようです、お風呂。


 「ええ、今は旅用の一人で入る浴槽を持ってきています、見てみますか?」


 皆さん全員でブンブン首を縦に振っています、ちょっとした風が起きてますね、凄いです。同意を得たので、収納してある浴槽を出します、そして温水魔法でお湯を注いでいきます。


 「ほう・・・お湯を入れるのか、これからどうするんだ?」


 「あなた、ネルさんが説明するのをちゃんと待ってて、慌てすぎると嫌われちゃうわよ?」


 「そ、そんなことで嫌いませんよっ、このお湯を張った浴槽に、服を脱いで浸かるんです。体が温まって気持ちいいですよ、最近ではこれに浴用剤を投与して、いい香りを出したりします。」


 カピヴァラさんに作ってもらった浴用剤を投入し、いい香りが周辺を漂います。皆さんはスンスンと匂いを嗅いで、ほうっと溜息を洩らします。これは中々の好感触じゃないですか?


 「ちょっと人化して試してみてもいいかい?」


 そわそわしたドラゴン父さんがいました。まさかここですっぽんぽんにでもなるつもりなのでしょうか、私、一応年頃のお嬢さんなんですけど。


 「それは流石に許可できないわ、貴方。お嬢さんの前で、全裸になるつもりなのかしら?」


 奥様から氷の魔力が漏れてきます、お風呂が冷えてしまいます!!


 「じゃ、じゃあこのまま小さくなったら入っていいかい?」


 「あ、それでお願いします。皆さんもどうぞです。」


 ちっさいドラゴンなら大丈夫ですね、そういえば、この状態は全員すっぽんぽんということになるのでしょうか・・・いえ、考えたらいけませんねそんなこと。


 結局即席でもう一つ浴槽を作りました。

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