ネルのお遣い~いよいよ出発編~
※ネル視点です
さて、準備も色々進み、いよいよ本日出発となります。ユキさん達に一人用のお風呂の事を話したら、物凄い勢いで詳しく話をと迫られました。食べられるかと思いました。
その流れで、空間魔法のお話もさせていただいたところ、集団の中の半数くらいが生やす事に成功したようでした。これは結構相性がありそうですね。カピヴァラさんに浴用剤をたくさん作ってもらったのですが、疲れてないか聞いたところ、特に。との事でしたので、そちらも一安心です。
空間魔法が生えたおかげで、旅の荷物が大幅に減りました。身軽になった事で、移動速度がかなり上がる見込みです。これは思ったよりも旅がスピーディーに行われそうな予感がします。
「さー、出発するにゃー!」
ユキさんの掛け声に、にゃーっと元気よく集団でお返事がされました。かわいいですね。ドラゴニュートの集落までは、整備した宿場町が一つ、整備途中の宿場町が一つ、あとは建設予定地なのでそちらは野宿という形をとります。その先はまだ、建設候補地を選定している所ですので、道沿いで野宿といったところですね。
事前の予定では、一週間ほどかかる見込みなのですが、身軽になった効果で、1,2日くらいは短縮できるかもしれません。
ユキさん達の集団は全部で30名ほどいるのですが、今回はその中から12人ほどでドラゴニュートの集落へ向かいます。旅に出ている間に、次の準備を残りで行うというサイクルでやっているそうです。中々効率的ですね。
ロクオウ村を拠点にしてから、結ばれたカップルも結構いて、他の集団との交流の成果がこんなところにも表れているようですね。地味に猫獣人の人数が増えています。流石に本来の猫のように一度に複数産むということはないようですが、ペースがとにかく早いのです。驚きの早さです。
拠点がある事によって、常駐する人もいるし、ロクオウ村にもたくさんのゴブリンさん達やオークさん達がいますから、子供の面倒を見るという事においては、かなり楽になったそう。村全体で育てているといった感じでしょうか。みんないい子ですよ、かわいいです。
一日目の行程は、移動速度の上昇を見ながら、無理はせずに宿場町で一旦ストップ。ここには、浴場もありますから、旅行用のお風呂の出番はまだありません。宿というより、宿舎という感じですかね。ユキさん達専用のお泊り施設があります。凡その日程は管理されているので、その時に合わせてゴブリンさん達もご飯の材料を揃えてくださっています。ありがたいことですね。
何もなかった荒野が少しずつ賑やかになっていくのは、結構楽しいんですよ?
道中、生えている薬草なども、できるだけ採取していきます。宿場町にいるゴブリンさんの中に薬を色々作っている方もおられますし、カピヴァラさんの餌にもなりますので。こういう地味だけど有難い気づかいが、この発展が円滑に進んでいく秘訣なのかもしれませんね。
さて、宿場町に到着です。こちらは川が近くになかったので、コーマに言ってなんとかしてもらいました。地下水が湧き出るポイントを設置してもらい、今では結構大きな池になっています。こちらは農業用水として使用していますね。
町の中は井戸を掘りました。土木特化ともいえるゴブリンさんやオークさん達が頑張ってくれましたので、水の心配はいりません。でも、お風呂は沢山の水を使いますので、こちらは自然と魔法で入れるようになっていきました。
ゴブリンさんやオークさんは繁殖力が凄いですから、ロクオウ村の人数が増えすぎたため、次々と移住を始めていて、この宿場町も最初の事を思えば、随分と賑やかになりましたね。
宿場町のここにもそろそろ名前が必要になってくるのではないでしょうか。また私が考えねばいけないのでしょうか・・・? 名付けだけはちょっと苦手なので、自分達で考えて欲しいものですね。
この宿場町の代表の方に、名前を考えておいて欲しいと伝えておきましょう。寄ったついでなので、この町で何か不足している物や、お困り事がないかも聴取しておきませんとね。ついでですから、ついで。
この町でもベビーラッシュが起きているらしく、人口増加が著しいそうです。働ける人が増える事は良い事ですが、急な人口増加は色々と問題も起きやすいので、繁殖行為は程々にと言っておきましょう。面倒を見きれる範囲でお願いします。
この辺りはコーマが新しく作った味噌の実が摂れる木が多く生えているので、お料理も味噌を使ったものが沢山あります。味噌のスープはとても美味しいんですよ、コーマの前に居た星でも良く飲まれていたそうです。私は大根のお味噌汁が大好きです。
この宿場町に住む人たちは、割となんにでも味噌をつけて食べる風習ができたみたいで、味噌にちなんだ町の名前にしてもいいかもしれませんね。ま、それは冗談ですけど。
さて、まだまだ旅は始まったばかりです、この先も順調にいく事を願っておきましょう。




