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ネルのお遣い~準備編~

※ネル視点です


 コーマに突然呼び出されたと思いきや、お遣いを頼まれました。別に働くのはいいのですが、コーマの思いつきだけの依頼は嫌な予感しかしません。ですが、今回は割とコーマにしては考えた末のお願いだったみたいです。


 この前、ラプールに新種の魔物が現れて、他所の星の神様が悪さを仕掛けてきたと聞きました。私がコーマに伝えた事が元になってなんとかなったと聞いたときは、本当にホッとしました。アイリーン様からもお褒めの言葉を頂きました、凄く嬉しいです、光栄です。


 さて、あっちでの用事が済んだので、今度はこちらで遠征の準備をしなければいけませんね。



 丁度、ドラゴニュートの里担当の猫獣人の集団さんがこちらにいらっしゃるので、次の出発に合わせてご一緒させてもらいましょうか。集団で旅をするのは初めてですから、準備に必要な物などを聞いておきましょう。

 猫獣人の方々は旅慣れているので、道中に色々な旅の話を聞くのもちょっとだけ楽しみですね。


 村の事は、そこまで急ぐ案件はないものの、より良くする事は止めるわけにはいきません。私が旅に出て、戻ってくるまでにしておくことリストを皆に渡しておかなければ。やる事はいくらでもありますから。


 ラプールの方で始まった錬金術の研究をこちらでも始めてみるのもいいかもしれませんね。あれは結構役に立ちそうですから。ゴブリンさんの中で、魔法の得意な人を選んでおきましょう。彼らは勤勉ですから、きっといい成果を上げてくれることでしょう。


 そういえば、この星にはまだ乗り物と呼べるものは存在しませんね、今度コーマに相談してみましょうかねえ。牽引する動物も、適したものがいないので、新種の動物を催促しておけばいいですね。走る小さめなドラゴンみたいなのが居たらかっこよさそうですね。


 旅に出るのはそこまで長い間ではありませんが、いない間にやってもらう事と思って考えていると、色々ありすぎて、迷ってしまいますね、困ったものです。


 そういえば、旅に出たらお風呂に入れないのですね・・・どうしましょうか・・・我慢は体によくありませんから、なんとかしてお風呂を持ち運べないでしょうか。一人用のサイズのお風呂を持ち運ぶ方法ですか・・・、なんとか魔法でどうにかなりませんかねぇ。


 あっ、なんか魔法が生えたかもしれません。空間魔法の収納ですか、これは便利そうです! 早速風呂釜を土魔法を使って作りましょうね。お湯は現地で出せばいいとして、これでお風呂は解決ですね。


 そういえば、カピヴァラさんを連れて行くわけには・・・いきませんね。あのいい香りはとても気持ちよくなるので、それに準ずるものが作れればいいのですが。カピヴァラさんにお願いして、どうにか旅用の浴用剤ができないか試してみましょう。


 「カピヴァラさん、カピヴァラさん、ちょっといいですか?」


 話しかけてみましたが、どうにも表情が変わらない為、こちらの言う事が伝わるかどうか不安ですね・・・。ダメもとで頼んでみましょうか。


 「・・・というわけで、一人用のお風呂に使える浴用剤が欲しいのです。作れませんか?」


 少しずつ理解できているか確認しながら、お願いをしてみましたが、どうでしょうか・・・。私の好きな香りが出るように、食べさせるエサも用意しましたが・・・。

 あっ、餌の臭い嗅いでる・・・、食べないんですか。うーん、伝わってるのかしら・・・。


 『・・・入れ物ほしい』


 えっ、誰ですか? なんかふわっと声が聞こえたんですけど、どこから聞こえたか良く分からない程度の小さな声です。ちょっと良く聞こえませんでしたね・・・、もしかしてカピヴァラさんが喋ったとか?


 『ねるしゃま、お風呂のいい匂いのお薬入れる、入れ物ほしいです』


 今度は先程よりはっきりと聞こえましたね。カピヴァラさんの声でしょうか?


 「カピヴァラさん喋れたんですか?」


 『たぶん、ねるしゃまだけ・・・だと思います、一生懸命お話してくれましたので、私もお話したいと思いました。多分、それで・・・。』


 「なるほど、念話みたいなものですかねえ・・・、あ、先程入れ物と言いましたが、お薬作れるんですか?」


 『はい、餌を直接変換することが出来るようになりましたです。』


 「おぉぉ、それは凄いですね。ではちょっとドワーフさんに言って、それ用の入れ物を作ってもらいますね! しばしお待ちを!」


 善は急げです! 急いでドワーフさんに在庫を確認してもらって、なければ作ってもらいましょう!


 「ドワーフさん! ちょっといいですか~!」


 「はいはい、どうしましたかネル様。そんなに慌てて」


 「あのですね───。」


 浴用剤の事をドワーフさんに伝えましたところ、丁度良く大きめの土製のビンが余っているとのことで、譲っていただけました。旅行用の浴用剤は猫獣人の方々に人気が出そうとの事で、これは移動中に空間魔法の講座を開かなければならないかもしれませんね・・・。ドワーフさんは一人用の浴槽をぼちぼち作っていくとのこと、鍛冶仕事じゃないような気もしますが、ものづくりならなんでもいいんでしょうか?


 旅の用意は、順調に進んでいきます、出発まであと二日。

しばらくネル視点が続きます

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