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転生者シュウ、女神から相談を受ける

 「おう・・・いきなり呼び出しはやっぱりビビるわ。」


 ギルが戻ってから、またシュウ君を呼び出すのに協力してもらい、早速朝の礼拝時にシュウ君とご対面。昨日の今日ってわけじゃないけど、結構前回から時間が経ってないのが申し訳ない。


 「ごめんねー、ちょっと重要案件でご相談が・・・。」


 「えっ、重要案件!? まさか、あいつがちょっかい出してきたの?」


 「う、うん・・・シュウ君の集落からは離れてるとこなんだけどね。この星に存在しない魔物が送り込まれてきちゃってさ、一応対処はできたから無力化というか、大人しくはしてあるんだけども・・・。」


 シュウ君に、新種の魔物の設定が出来た事で、魔物を大人しくさせる事に成功した旨と、夜叉鵺の今後についてのこちらの希望を伝える。


 「契約魔法か・・・、ラプールは動物くらいしかいないから、テイムしてもなーってちょっと思ってたんだよ。でもそういう事なら頑張って習得してみるよ、名前からして結構強そうな感じするし。」


 「能力的にはかなり強そうな気がする、自分で設定しといてなんだけど、戦う事自体想定してなくて、強さの目安がさっぱりわかんなくて・・・なんか情けない限りなんだけども。」


 「平和だからなあ・・・そこが良いとこだと思うけどな。」


 「んで、能力は・・・」


 シエルが捕獲しに行っている間に設定した、夜叉鵺のステータスと戦闘技能をシュウ君に提示する。


 「おぉ・・・っていってもステータスのSとかは、基準がわからんから何とも言えん。でも技能は良い感じだと思うよ。基本的な事押さえてるって感じで。あー・・・前から思ってたんだけど、女神様って元日本人?」


 突然の問いかけに、一瞬だけ焦る。え、この見た目だけど隠しきれない日本人臭がするのかしら・・・。まあ別に隠してるわけではないので、是と返答。


 「やっぱりそうだったかぁ、立ち振る舞いとかがどことなくそれっぽいなって、ちょっと思ってたんだよ。俺も、元日本人だから分かるっていうか。」


 おぉ、なんか日本の事が分かる人がいるって、海外に来て日本人に出会った感あって、凄く安心するわね。話通じるし。


 「いや~、キャラメイクでこんな見た目になってるけど、中身バリバリ日本人だからねえ、そんな分かりやすいのかしら・・・、別に隠してるわけじゃないんだけどね?」


 「多分、日本人同士だから分かるんじゃないかな? ま、外国人が夜叉だの鵺だの知ってても怖いけど。」


 「ああ、確かに・・・純和風だわ、ネーミング的に・・・。」


 名付けの時は焦って世界観まったく考慮してなかったわ・・・反省しないとね。咄嗟に出るのってやっぱり母国のあれこれよねえ、仕方ないっちゃ仕方ない。

 次、無い方がいいけど、次があればもっと冷静に考えたいところ・・・だけど、多分そんなの私には無理ね。普通の一般ピーポーがそんな緊急事態に冷静とか、無いわ。


 「夜叉鵺に、付けてほしい技能とかある? あんまり強すぎるやつだとちょっと無理だけど。」


 お値段的に・・・。


 「んー・・・そうだな、大きい系の魔物だと物理障壁か魔法障壁持ちみたいなのが王道だと思うけど。まだ文化レベルというか、魔法の習熟的に存在してないからなあ・・・。スキル固定じゃなくて、後から習得できるようにって可能? どうせ契約するなら、一緒に成長していきたいし。」


 なるほど、最初に設定した技能を固有技能として、後々これからシュウ君と過ごすにあたって、成長する要素が欲しいわけね。確かにその方が、絆を深め合うのにも一役買いそうな感じがしていいわね。


 「成長は可能だね、まあ夜叉鵺は最初から結構強いから、そこまで強化することは出来ないと思うけど、その子と君次第って感じになると思う。」


 「純粋な強さよりは、工夫して強い方が俺好みだし、全然オッケー! 折角だから、掃除も手伝ってもらうわ。」


 そ、そこなの!? 障壁とか言ってたからてっきり魔法系に特化させたりするのかと・・・。すっかりラプールに染まってて、喜ばしい限りではあるのだけどね。


 「今はシュウ君の集落の近くの森に待機させてるから、帰って朝の用事済ませたら早速向かってみてくれるかしら? 念のため、それまでシエルに面倒見てもらうから。」


 「俺のタイムスケジュール、完全に把握されてんのな。神様だから別にいいけど。」


 「あ、それで今後の事でもう一つ・・・。」


 シエルに話した、学術都市構想というか、魔法研究都市? というか。シュウ君には集落をそれに特化したものにするため、協力をお願いしたいと伝えた。


 「おぉ・・・なんか急にファンタジック要素が加速してる。俺としては、ラプールがより良いものになるのなら、喜んで。周りの大人も、最近結構魔法の研究にハマってきてるから、まずは集落の中の人間の意識改革から・・・かな?」


 「流石話が早くて助かるわ。色々負担掛けるようで申し訳ないけど、お願いね。」


 こうして、最初の都市計画がスタートしたのだった。


 ちなみにシュウ君はその日のうちに契約魔法を習得してしまった。転生者だけど、ガルクさんみたいに選択をしてもらう風にしようかな? 若いからまだまだ先の話になるけどね。

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