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上と下との共同作業

 女神様達との邂逅を終え、ますます力を付ける事に注力するようになったシュウであったが、薬学を学ぶ際に、もっと万能薬的な物がが造れないかと思案するようになった。

 擦り傷の為の薬や、風邪に効く薬などは既に作れるようになったし、レシピも書き留めてあるが、まだまだ足りてないと感じる。


 保存用のビンがまだ作れないということだったので、どうにかガラスを作れないかと考える。


 例えば、ガラスを作る材料を手に入れるのが難しいのなら、塩の実とかがあるように、ガラスの実みたいなものは作れないか?と。素材さえあれば、後は作り方だけだ。流石に転生者と言えど、ガラスの作り方などはわからないので、女神サイドで調べてもらわないといけないのは分かっているが。


 「あとは、薬を作るための錬金魔法みたいなのがあればな・・・よくある錬金術がポーション作るみたいな。ガラスはちょっと時間が掛かるだろうから、代用品は竹筒あたりか。」


 となると、錬金術として使う魔法を生やさなければいけないということだな。今は薬草を乾燥させて、薬研でゴリゴリするだけなんだけど、それを鍋に入れて、水と他の種類の薬草と混ぜ合わせるわけだから、成分抽出みたいな魔法があればいいな。成分抽出から、合成か。いや、結合の方がいいか・・・。


 ブツブツとあれがいいかこれがいいかと、紙に色々と書き込みながら、薬を作る過程を考えていく。



 その様子を、アイリーン達は上から眺めていた。


 「はえー、よくそんなに思いつくもんだわ、凄いねシュウ君。」


 「転生者だからね、神の立場だったらもっと簡単に済ませるだろうけど、下界の普通の人としてだからね。」


 「うん、それにラプールに合わせてくれてる感じがするよね、いい子だね。」


 「ほんと、環境っていうのは凄いもんだよね、彼転生前はちょっとヒステリックな感じだったんだよ?」


 「全然わかんないね、今の彼見てると、めちゃ優しいし良い子じゃない?」


 「うん、一生懸命頑張ってくれてるし、できるだけ協力してあげないとね。」


 そんな会話がされているなどとはつゆ知らず、シュウは頑張って頭を捻り続けているのだった。


 「それはそうと、万能薬か・・・状態異常を回復するポーションになるのかな?」


 「そうだね・・・万能薬とまでいくとちょっとやりすぎな感じはするけど・・・。」


 「さじ加減が難しいわね。こちらで用意するのはちょっと厳しいけど、魔法を生えやすくする事とかはできるかな? あとガラス素材の実」


 「ガラス素材の実はまあ、うん。魔法を生えやすくするギフトを与える事はできる、けど一人だけにあげるというのはちょっとね。」


 「そうよね、ちょっと依怙贔屓になっちゃうよね。じゃあ魔法を研究してる人を検索で探してみて、その人たちにこっそり付与するっていうのは?」


 「あまり強すぎるものでなければ、良いと思う。強すぎる力は、どんなものであっても、リスクがあるからね。」


 「分かった、じゃあ検索してさりげなくばら撒くわ、魔法創造促進(小)」


 「話の流れ的に、与える人材をこちらでピックアップしておきました。母様、いつでもいけますよ。」


 「ほんとシエルは有能すぎて、可愛いわ!」


 「アイリーンはシエルの事になると、ほんとわけわかんなくなるよねえ・・・」


 魔法創造促進を各地に居る、シエルにピックアップされた人達とシュウ君に与える。ガラスの実とガラス作成はテストケースとして、シュウ君の居る集落の人達に頑張ってもらって、完成したら他の土地へも伝えるということにした。ギルにガラスの作り方を教えてもらい、それを紙に書き記した。シュウ君は色々書き留めるために紙を所持しているので、そこへ転写・・・と思ったけど貴重品もったいないので、そのまま降ろしておこう。


 しばらくぶりになるけど、ガラスの実を作ろう。木はガラスのように透明感のある木で、実はクリスタルみたいな形にしておこう。実は丸ごと溶かせば、ガラス素材になる。

 作成したガラスの実の特徴と、場所もシュウ君に伝えておかないとね!


 ライトを付与して、錬金魔法を色々考えて、書きなぐっていたシュウの元に、淡い光が舞い降り、そこにガラスの製法が描かれた紙が現れる。いきなりの事に少し驚きはしたが、早速女神様達がこちらの意図を汲んでくれたのだと理解し、感謝する。それと同時に、ガラスの実の成った木を配置した場所が頭の中に入ってくる。


 「仕事早すぎだっての、まあ明日にでも見に行ってみよう。」


 もう夜も遅い、集中して作業していたため、もう寝ないと明日の朝がキツイ。女神様が直々に協力してくれるんだ、もっとこの星の為に頑張れる。

 沢山体を動かし、魔法を使い、そして遅くまで勉強に励んだシュウは、充実した疲れに包まれて、その日を終えるのであった。


 (そういえば、日本人かどうか聞くの忘れてたな・・・いつか日本の話もしてみたい・・・な)


 

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