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ラプールに降りる動物たち

 スライムの導入は問題なし、と。いやいや、女神のやる事だし仕方ないみたいな空気なんなの?


 諦められているのか何なのか・・・でも感謝の祈りを捧げられたしなぁ。一応歓迎されていると思ってもいいのかしら?


 「じゃ、次はカピヴァラさんね。可愛いし一匹ここで飼えないかしら・・・」


 今は魂が入っていないので、抜け殻というかぬいぐるみ状態のカピヴァラさん。可愛いっちゃ可愛いんだよね、足短すぎだけど。お風呂に入れると色んな効果が出るとかいうのは、是非ここのお風呂にも使ってみたいんだよ・・・美容に効果があったりするしね・・・。効果付けたの私だけど。


 「ま、今はぬいぐるみとして愛でるとしますかね。さて、東西南北に野生の子は配置したとして、問題は各集落にどうやって導入させるかなんだけど・・・シエル何か案はあるかな?」


 手っ取り早いのは、神殿に直で遣わす。でも、これをやるとカピヴァラさんが神の遣いの動物ってことになるよね? つまり、私のお供はカピヴァラさんになってしまう。

 よく神様って何かの動物とかに乗ってる絵とかあるよね、それがカピヴァラさんに跨ってる私とかになるわけよね?


 ・・・ちょっと嫌かなっ!


 「神の遣いとして降臨させるのも有りといえば有りなんですけど、野生の住処を神託で教えてしまうと乱獲されてしまいませんか?」


 「そうね、そうなるとカピヴァラさんが気の毒よね・・・、最悪お肉にされちゃう可能性だってあるし」


 食肉は可哀想だからやめてあげてほしい。お肉用ならお肉用に何か作るので、カピヴァラさんとラピンちゃんは勘弁してあげて欲しい。製作者のわがままといううかなんというか。


 やはり神の遣いみたいなポジションにするしかないのかしら。でもなー・・・壁画とかにカピヴァラさんに跨った私とか描かれたらほんと恥ずかしいし・・・。

 ここはもう私の恥とか一旦忘れ去って、実利を取るべきかなぁ?


 「母様、スライム導入の時に居た、動物の鑑定が使える人がいましたよね? 他にもあの鑑定が使える者がいるかどうか、確認してみませんか?」


 ああ、いたわね。あの時はたしかミゲルさんだったかしら? 動物限定の「鑑定」魔法が使えるんだったわよね。他の集落にもいるのかしら。


 「分かったわ、ちょっと見てみましょうか」


 動物限定の鑑定魔法持ちをラプール全土で検索にかけてみると、案外いた。割と希少な魔法かと思いきや、動物スキーは結構いるということだよね。動物観察とかしてないと生えてこないっぽいし。


 「この鑑定を持つ人達だけに神託を配り、カピヴァラさんには鑑定の時に分かる情報へ私達の思いを綴れば良いと考えます。」


 「なるほど、それで乱獲防止になるわけね!流石シエルだわ、賢い!」


 いつもより多めになでなでしておこう。ちょっと照れたようにはにかむのがこれまた可愛いんだわ。


 「じゃあカピヴァラさんに鑑定の時に見える情報を付与しておかないとね!どんな情報にしようかしら。」


 お風呂の守り神として集落の公衆浴場に1匹ずつ配置するように、とか? うーん、もうちょっと砕けた感じの方がいいのかなぁ。いやでも女神からのお願いみたいな感じで、丁寧な言葉にしておこうかしらね。


 <カピヴァラ>

浴場の守り神

集落の公衆浴場に1匹ずつでお願いします

可愛がってあげてください


 ・・・なんか、なんか捨て猫に添えるメッセージみたい。この子をお願いします・・・みたいなさ。も、もうちょっと変えよう。


 浴場の守り神として、集落に1匹ずつでお願いしますね。


 も、もうこれでいいや、あんまり詰め込み過ぎても鑑定した人が困るし・・・。シンプルが一番よね!餌や浴場に入れて云々は設定した物すべてが見えるようにしておいて、と。


 「設定はこんな感じかしらね、集落分の数と、プラスアルファで配置っと。あとはさっき検索で見つけた人達に神託を飛ばしていくだけね」


 先程見つけた動物限定の鑑定を持つ人達に向けて、カピヴァラさんを配置した場所を神託で飛ばしていく。ついでにお風呂に入れたイメージも付けておこう。なんだかメールにファイル添付するみたいで、ちょっと面白い。こんなところで地球の事が思い出されるなんてね。


 スライム導入で活躍した動物鑑定の人達、今回もお頼み申しますよ~!


 さて、これで経過は見ていくとしてだ。


 「最後はラピンちゃんね・・・森と泉を用意してあげないといけないんだけど、温暖な気候がいいだろうから、若干南の方に作ろうかな」


 「そうですね、なんだか寒いと可哀想に感じますね・・・」


 ペンギンも入ってるから寒さは平気な感じもするんだけど、ウサギの耳が生えてるせいで寒さに弱そうに見えちゃう不思議。ま、快適そうな環境を作ってそこにひっそりと住まわせておこうね。


 ラピンちゃんに関しては誰にも知らせないでおく方針。なので、配置する森も集落からはかなり遠い場所に設定した。折角だから、泉に精霊も配置しておきますかね・・・、ちょっと過保護かしら?


 そんな事を考えつつ、ラピンの森は完成した。微妙な可愛さを持つ謎の生き物は安息の地を得たのだ。

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