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新しい生き物を作ろう その2

 新種の動物を作るのは思ったより難しいようだ。既存の動物を組み合わせるのも面白いんだけど、なんかネタに走ってしまいがちというか、これだ!っていう組み合わせが中々ね・・・。

 

 「とりあえず、うさぺんちゃんの仲間を作ってあげよう?一匹だけじゃ気の毒だし・・・」


 「そうは言うがな、一回作ると消すの可哀想だろ」


 「コーマって意外と可愛いとこあるよね・・・」


 「意外ととか言うなよ、あと可愛いも褒められた気がしねえ」


 「それはまあどうでもいいとして、うさぺんちゃんの友達かぁ・・・」


 作ってくれるコーマに対して酷すぎる女性陣である。


 「可愛い生き物もいいんだけど、実用性のあるのはどうかな?例えば・・・浄化スライムみたいな・・・」


 「あー、ファンタジー系によくあるアレね。それなら役に立つしいいかもな、あと能力も大陸に合わせて調整しやすそうだし」


 「えー、スライムとかあんまし可愛くない・・・」


 「可愛さだけを求めては、良い大陸になれないのだよ・・・」


 「良い事言った風にしてるぅ・・・」


 だが事実だ。


 「それならさ、丸くてかわいいスライムにしてあげればいいじゃないの。一家に一台て感じで」


 浄化スライムに求められる能力は、汚れの除去と言う名の汲取りだ。下水の整備がされてない世界だから、御不浄の行き先は肥料のみなのである。臭いと衛生がねえ・・・。肥料はまあ、別の物からでも作れるし。


 「そうだな、それなら・・・勝手に増えないように性能も調整してやらないとな」


 そう言いながら、コーマは目の前に球体を出し、うさぺんの時とは違い、すぐにまるくてぷるぷるしたスライムを出した。ちっちゃい目が可愛らしい。


 「わるいすらいむじゃ・・・」


 「それ以上はいけない!」


 すんでのところでシュミカを止める事には成功した。あぶないあぶない。


 「スライムっていうと例の可愛い奴か、どろっとしたやつか、融合に失敗した邪悪そうなやつくらいなイメージだったけど、これは結構可愛いね!」


 「うん、これならモンスターって感じでもなくて可愛いわね」


 あとは各自で性能調整するだけだ、これくらいならポイント的にもお安そう。うさぺんちゃんに友達ができた!でも2種類だけか・・・まだちょっとだけ寂しい感じだなぁ。


 「うさぺんちゃんとスライムと・・・あと何にしようか?2種類だけじゃちょっと寂しいよね?」


 「あの、少しよろしいですか?」


 シエルが控えめに挙手をしていた。今まで黙って私達のわーわーぎゃーぎゃーしているのを見てたシエルだったけど、なんかいいの思い付いたのかしら?もしかして、私達のバカっぷりに呆れちゃったとか・・・?いや、シエルはそんな事思わないよ!多分・・・?


 「ど、どうぞ・・・」


 「以前シュミカさんが温泉に行ったときにカピバラとかいう動物が欲しいと仰ってましたよね?そちらの動物はまだトリルに存在していないと思うのですが、そちらは作れないのでしょうか?」


 あー・・・そういや言ってたわシュミカ。火の精霊さんに無謀なお願いしてたわ、そして理解されてなかったわ・・・。


 「あー!そうだカピバラさん作って!もしくはそれに近しいやつ!」


 「カピバラー?んなもん作ってどうすんだよ」


 「温泉に入れる」


 「ああ・・・そういやなんかどこかのなんとかパークみたいなとこで風呂に入ってたな・・・」


 地球の動物園的なところを思い出した様子のコーマだったが、若干うろ覚えなようだ。


 「あれ全身どんなのか、あんまし覚えてねーんだけど・・・、なんとなくでもいいか?」


 「かけ離れてなければいいよ」


 シュミカ・・・あんたそれ、取り返しのつかないクリーチャー出来ても文句言えないよ?でも、私もちょっと見てみたい好奇心が・・・。


 「じゃあ、ちょっと待ってな・・・」


 3回目の創造が始まった。球体が出て、うにょうにょと変形を繰り返している・・・、なんか頭の上にミカン乗ってるんだけど・・・・?新種かな?


 「・・・なんかうろ覚えにも程があると思うんだよね・・・」


 「奇遇ね、私もそう思ってたところよ・・・」


 うろ覚えでもいいと言った手前、文句は言わずに創造の終わりを待つ。あ、顔はそれっぽい、というか、概ね合ってる・・・かな、ミカン以外。・・・・足短すぎじゃない?こんなもんだっけ!?あと尻尾が悪魔っぽいんだけど・・・動物?魔物じゃないよね?


 ハラハラ見守っていると、どうやら終わったらしく、うろ覚えカピバラが爆誕してしまった。


 「なんかテレビで見たやつ思い出しながら創ったら、こんな感じになった、正直すまないと思っている」


 先に謝られてしまっては、責められない。むしろ責任は許可した私達にある・・・。いやでもまあ・・・顔は可愛いよ・・・、ミカン乗ってるけど・・・。


 「ミカンは毟るとちゃんと食べれるようになってる。んで、また生えてくる」


 「「怖いわ!!!!!」」


 そして可哀想だわ!なんという無慈悲な生き物創ってんのよ!!!!


 「毟らなくても自然にぽろっと落ちるように調整してよ!」


 シュミカ、そこじゃないけど、私もそれには賛成するわ。いや、ミカン消せばいいんじゃないの?


 なんやかんやあって、3種類の新生物が生まれた。カピバラのミカンは撤去された。よかった・・・。

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