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三者三様

ツッコミによって正気を取り戻すとか・・・と変なところでショックを受ける愛梨を軽くスルーし

呑気な様子の澄香は


「いったんリアルの事は諦めるとしてさ」


そう切り出す。

いくらなんでも潔すぎな気もするが、それが澄香の良い所でもある。

そういう所に救われてきた過去もあった。


「そうだな、さっきの話が本当だとしたらスパッと気持ち切り替えて目の前の事を進めるべきだな。というかそれしか選択肢ねえし」


信の言うことはもっともではある。

拒否したとしても、地球での時間が大幅に経過しているのであれば帰る家どころか地球自体の存在すら怪しい。

       

時間経過云々が()()()あれば


しかしそれを確かめるすべはない、信じるしか道はないのだ、救われるかどうかは知らないが。

であるならば、前向きになるしかない。


気持ちの切り替えをスパッと決めた二人をまだ困惑した愛梨が見やる。


「まあこの作業を続けるならこの部屋はないよねえ、いい加減座りたいし」


澄香のごもっともな意見を機に三人はこの浮かんでいる惑星模型しかない真っ白な部屋を、どうにかできないかとギルに相談することにする。

いきなりこんな事に巻き込まれ?たのだ、それくらいの融通は利かせてほしい。


「この部屋の外に個室を作ったりとかできないか?一人でじっくりやりたい時だってあるし

 休憩いれたり、必要なさそうだけど風呂とかも入りたい、よな女性陣?」


「そのくらいは全然おっけーだよ!」


女性陣が応える前の即答だった。むしろ相談している会話が筒抜けなので食い気味にOKを出されてしまった。

リアルを理不尽に奪った張本人であるギルではあるが、なんだか凄くフレンドリーすぎて憎めない。

いや憎んだところでどうしようもないけども。

さすがに神の肉体を授かったとはいえ、棒立ちのままの作業は気が滅入る。疲れた気分にもなるし

プライベートスペースは欲しいという信の意見は自分たちも同意する。


数時間前までいたリアルを簡単には捨てきれない


各個室から連絡は通信アイコンを設置してもらい通話でも文字でも送れるようにしてもらい、一日一度は定時連絡会として中央の部屋に集合することにした。

そこでシステム的に改善してほしい要望を出したり、現状どういうふうに発展しているかなどの報告を行う。

個別の相談はギルに通信を送って聞けば教えれる範囲で教えてくれるらしい、ヘルプギル。


各個室は生前?の部屋に近いものにした。

部屋のカスタマイズも自由にできるようにしてもらい、至れり尽くせりである。

ちなみに思い浮かべて念じる方式である。

なんだかんだ悲壮感は薄まったように見えるが、ハウジングで気を紛らわせているだけとも言う。


各々が部屋で過ごすにあたって、三人が揃って見てないときは時間経過が緩やかになるようにシステムが設定される。

机の上の惑星模型の前に居ないと判定されるのはちゃんとセンサーがついてるかららしい。無駄にハイテク。

早送りはできるが巻き戻しはできないので、見逃した分は録画を見ることができる。気になることがあって過去をさかのぼって見る、そういうことが可能なのだ。


真実はいつも一つなのだ


「あ、一応大前提として君たちは神なので地上に直接干渉はできないからね、事件解決はじっちゃんの孫に全部任せてあげてね」


若干考えを見透かされ、遠回しにツッコミを入れられた事に少々気を落とすが、とりあえず

一旦各々部屋に移動した。

白い部屋のものより小さめの惑星模型の浮かぶ机の前に置かれた自分の椅子に腰かけ、ため息の後ぼんやりと目の前のそれを眺めながら3人はそれぞれに呟く


「ここの人たちはこれから一体どうなっていくんだろ・・・」

「・・・ドラゴンを神の使途にでも・・・いや干渉はダメなんだったな」

「お腹すかないのへんな感じだぁ、でもなんか食べたい」


三者三様である

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