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ラプールに魔法を

 「というわけで、今日は魔法について考えたいと思います」


 わーわー、パチパチ、とシエルが一人でお囃子してくれるのが可愛い。今日も可愛いわね私の娘は。


 「具体的には、どういった魔法ですか?」


 魔法。ファンタジーの王道の魔法。

 せっかく魔法の存在する世界を創っていくのに、全く使わずに地球の進化をなぞるだけというのは味気ない。というか私の知識にも限界はあるので、そろそろチート?じゃないにしてもそれなりの魔法を大陸に与えたいなと思ったわけなのだけど・・・。


 「今のところラプールには武器といったものがないからね・・・攻撃魔法は除外で。」


 「そうですね、攻撃する相手もおりませんし、皆さん仲良しですしね。」


 「そう、だから発展に寄与するような魔法を考えましょう」


 「発展に寄与するような魔法ですか・・・土魔法などは如何でしょうか」


 「ざっくり属性で言うと土魔法って地味だけど、作物を育てる土壌を改良するのに使うとかかしら?」


 「そうです、でもそれだと魔法に頼るばかりになってしまうので、土鑑定みたいなものにしてはどうでしょうか?土を鑑定して、栄養分で足りないものを教えてくれるといった形をとるのです」


 「なるほど、腐葉土が足りないようだ、とかメッセージが伝わればそのように動くわね」


 「はい、考えて行動に移すという事が大事かと思います」


 「さすが賢いわね、シエル」


 可愛くて賢いとかもう最強だわ、と思いながら頭をなでなでしておく。


 「ありがとうございます、母様」


 「でも、そうねシエルの案はかなりいいと思う。そういう魔法を創れないかギルに聞いてみるわ」


 通信でギルを呼んで、さっきの魔法について聞いてみると、悪くない感触だった。難易度的にも魔法適性が高くなくても使えそうだったので、採用案の一つに加えておこう。


 「農作物的にはとりあえず今の魔法でいいかな。どうせなら他の職業の人にも便利な魔法使ってほしいよね」


 「他の職業と言いますと、技術職・・・でしょうか」


 「そうね、物を作ったりするときに便利だと・・・あっ、ライトの魔法ってどうかな?灯りあんまりないよね、今のところ」


 「そうですね、室内でモノ作りをされる方には勿論ですが、料理をされる方にも便利ですね」


 「燃料を使っての明かりもあるけど、燃料も無限に湧いてくるわけじゃないからねえ」


 それもあるけど、室内で火は危ないよね、火事の原因にもなるし・・・。そう思ってまたギルに相談してみると、ライト程度の魔法なら1回使って30分継続くらいで適性なくても使えるレベルだそう。

 明るさはこちらで調節できるみたいだ。


 「あとはそうね、飲み水を出すとか・・・」


 シエルと色々相談していって、生活魔法みたいな分類の魔法が数種類出来上がった。出来上がったはいいが、これをまた広めなければならないのだ。

 問題はその広め方なのだが・・・。


 「ラプールの各地には集落ごとに神殿がありますよね?それを使うとかはどうでしょう?」


 小説とかでよくある洗礼を受けると魔法が使えるようになる云々みたいな感じだろうか・・・。でもそれだと神官さんがいないと難しいよね。しばし考え込んでいると


 「石像に触れると生活魔法セットが身につくようにしてはいかがでしょうか?幸い、ラプールには使徒適性を持つ者だらけですので、神託は与えやすいかと思います」


 なるほど・・・そういう手もありなのか。ありなのか?各地の石像の前に手をかざす石碑的な奴でも配置できれば、それに手を触れなさい、みたいな神託を飛ばすことで人々を誘導することができると。



 やっぱシエルちゃん天才じゃない?


 でもとりあえずギルに確認とっておこ。


 「なるほどなるほど、よく考えたねえ。魔法セットの内容は問題ないし、いいんじゃない?ポイントも問題なさそうだし。」


 割と軽くOKが出てしまった。これはもうやる流れでしょうな・・・。


 今日決まった魔法セットの内容はこうだ


 光魔法:ライト

 土魔法:土鑑定

 水魔法:ウォーター(コップ一杯程度)

 火魔法:ウォーム(ホッカイロ程度)

 風魔法:ドライ(乾燥を早める程度)


 うん、初心者向けって感じ!ここから魔法に適性のある人が色々研究していって発展させてくれればそれでいいかな。適性の高すぎる人は滅多に生まれないみたいだし、いいよね。


 んで、各地の神殿に置く石碑的なやつは・・・子供でも触れるくらいの高さにしておいて、手のマークでも入れておこう。2回触れても意味がないようにしておいて・・・、初回限定特典ってやつだね。あ、そうだ折角文字が広まりだしてるからなんか文言でも入れておこうかな?・・・やっぱ恥ずかしいからやめておこう・・・。


 こうして、ラプールに魔法を齎す準備は着々と進んでいくのだった。

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