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学問適性3以上を探そう

 「いや~楽しかった~」


 たっぷりと天然温泉という名の巨大温水プールを堪能した惑星トリル女性部(仮)は、ほっかほかのほっくほくで全員が満足顔だ。ゆっくり浸かったり、周囲の景色を堪能したり、泳いでみたり・・・と、心行くまで遊び倒した。久しぶりの地上という事もあって、余計に楽しかったかもしれない。


 「またいこーね!土の精霊さん達にも滑り台とか色々お願いしたし~」


 「最終的に一体何を目指してるのよ・・・」


 「温泉だけど遊園地的な・・・?」


 「まあ、妖精さんとかも楽しめるなら・・・私達だってそんなに頻繁に行くわけでもないし」


 「ちょいちょい様子見に行くよ!私が!」


 「あんまり迷惑かけちゃだめよ、程々にね」


 保護者か。


 時間の流れが違うらしいので、地上に降りて結構遊んだけど白い部屋の時間はそんなに経ってなかった。ギルは戻ったら早速コーマの部屋に急いで飛んでたけど、一体何があったんだろう?なんか説教するっぽいこと言ってたみたいだけど・・・。


 「リフレッシュしたし、私も部屋に戻って作業の続きでもするわね」


 「真面目だねえ、アイリーンは~」


 「そういう性分なのよ、知ってるでしょ」


 「あはは、そうだねっ無理しすぎないようにね~」


 笑顔で手を振るシュミカに見送られて、私とシエルは白い部屋を後にする。文字を広めるための下準備だけしたところで作業は止まっている状態なので、適性3以上の人を探す作業が待っているのだ。

 今回はシエルがお手伝いを申し出てくれたので、手分けして探す分、多少気は楽。単純作業故に一人では少々飽きやすいしね・・・。おしゃべりしながら作業というのは案外捗るものである、地球時代によく趣味で何かを作ったりしながらネット通話とかでおしゃべりしてたのを思い出す。

 誰かしら修羅場だった気がしなくもないけども!


 「じゃあシエルは南の方から”学問適性3以上”を探してもらえるかな?」


 「承知しました、母様」


 シエルは今日も可愛い。はっ、いかんいかん、シエル見てたら作業進まないじゃない。


 「昨日の今日だし、生まれてなくても気にしなくていいからね」


 作業に使命を感じて、鬼気迫る感じでやらないように釘を刺しておく。シエルは真面目だから無理しそうなのよね・・・。かわいい。

 もはや心の声の語尾がかわいいになりつつある、私って親バカの素質あったのね・・・なんて無駄な事を考えながらも作業を開始する。


 「案外2とかはそれなりにいるのね・・・どのくらいのレベルの賢さなのかは良く分かんないけど・・・、5とかになったら超天才とかなのかしら」


 「私の魔法適性や使徒適性が5でしたけど、それもかなり珍しい方なんですよね?」


 「らしいわよ、ギル曰く”かろうじて”もかなり珍しいらしいけども」


 「ネルさんも希少な存在なんですね」


 詳細はギルに聞いてみないと分からないけれど、大体の感覚で行くと


 1:伸びしろはある、普通より

 2:それなり

 3:かなり

 4:エキスパートが約束されるレベル

 5:ヤバイ


 ざっくりしすぎだけど、大体こんなもんだと思う。私の中の評価だからふわっとしてるけど問題ない、多分。今度一応ギルに聞いてみようとは思うけど、ギルの説明も割と適当だからなぁ・・・似たような答えが返ってきそう・・・。

 そんなこんなで1時間ほど「いないねえ」とか「この集落の服装は他より洗練されてる」だとか雑談を交えながら探していくけど、そううまい具合に見つかる訳もなく・・・。


 「あ、母様!適性が4の者がおります!」


 シエルがきっちり仕事をしていてお母さん嬉しい。いや、今はそこじゃない!適性3じゃなくて4!?

期待値を上回る数値を見ると心も自然と踊るよね。わっしょい!


 「シエル、お手柄ね!じゃあその集落の周辺に洞窟になりそうな場所とかってあるかしら?アーティファクトを設置するのにそのへんに野晒しじゃ格好付かないよね」


 「そうですね、この集落の神殿に私が赴いても宜しいかと思いますが。」


 「ああ、そういう手もあるのか・・・ちょっとギルに聞いてみよっかな、説教も流石に終わったでしょ」


 通信でギルに呼び掛けてみると、随分疲れた様子で「ちょっと待ってて、そっちいく・・・」と返事が返ってきた、一体何があったんだ・・・?!


 早速現れたギルは何だかゲッソリしてるような気がしなくもない・・・、マジで何があったんだ。聞きたいけど後にしよう・・・。もしかしたらシエルの教育に悪いことかもしれないし。


 「適性4の人が見つかったんだけど、適当な周辺の洞窟とかに設置するかシエルを遣わすか、どちらがいいと思うかな?と・・・」


 「うーん・・・そうだね・・・伝説の武器とかじゃないし、シエルが降臨してその人にちゃんと説明したうえで授けるというのは悪くはないね。言葉で伝えた方が伝わりやすいのは確かだし。」


 「では、集落の者達が朝のご挨拶に神殿へ来られることを踏まえて、明朝早速降りてみます。」


 シエルはまだ使徒に目覚めてそこまで経ってないというのに、しっかりしている・・・。とまあまた親バカ暴走しそうだったのを堪えて、明日に向けての打ち合わせを念入りに3人で進めて行くのであった。


 ちなみに説教の内容はシエルが下界に行ってからこっそり聞くという事になりました。

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