アーティファクトを創ろう
天然温泉に行く前に、一仕事しておこう!というわけで、文字を広めたい。現時点での文字文化レベルは
象形文字レベルなのである、そして石板に書かれている程度で一般のご家庭には普及していない状態。
当然学校もないし、学問というものもない。各集落に〇〇に詳しい人に〇〇を教わる的な事はされているが、基本口伝や見て学ぶ、やってみて学ぶ、そういう位なのだ。
「自分で分からない文字を作るとかは無理だし、どうしたもんか・・・」
1から文字を作るなどという事は無理なので、ひらがなの成り立ちのようにぐにゃ~っと文字が出来ていくみたいなのは出来ないかな?と考える。現在ある文字の解読からやらねばならないのだが、これがまた大変な作業であった。考古学の学者がやることだよそれは!!
いっそ五十音の表を各神殿に配るとか・・・?シエルに手伝ってもらって・・・ぬーん。
「自然の成り立ちに任せるかどうか悩ましい・・・でももっと文学的な文化も発展してほしい・・・」
もっと言えば、娯楽的な発展を遂げてほしいのだが、ラプールの人々は働き者だらけなので、たまには息抜きでもしてほしいのよね・・・。癒しは公衆浴場が広まったことで、ある程度は与える事が出来たと思う。地面に〇×書いて遊ぶ程度の子供の遊びはあるものの、大人になった人たちの娯楽よね・・・ギャンブルはお金ないからできないし、そもそも私が苦手なので広まってほしくないし。
「というわけで、文字を広めるにはどうしたらいいと思う?」
「とりあえず、思いついたのを聞こうか」
いつものヘルプなギルに相談を持ち掛けると、私の考えた案を色々聞かせてほしいとのことだったので、さっきちらっと考えた五十音表を作って神殿に配るというものから、学者や知力の高い者に神託を施すだとか、思いつくままにいくつか述べた。
「手っ取り早く広めるなら五十音表だけどねえ・・・、シエル一人だとちょっと負担が大きいかも?」
「じゃあそういう書物をどこかに配置しておいてさ・・・」
思いついたのは、見れば文字の知識が頭の中に入り込んでくる書物を大陸のどこかに配置する、そしてそれを見つけさせて、現地の人に広めさせるというもの。そんな都合のいいアイテムがあるのかって?
なければつくればいいじゃない
なんだか若干コーマに影響されてる気がしなくもないけど、なんとなく作れそうな気がするのよね・・・、こういうのなんていうんだっけ・・・アーティファクト?
「その手は中々いい感じだと思う、でも知力がかなり必要だと思うね」
「それよねえ・・・頭が良くて、知識を受け入れる柔軟性がないと厳しいよね・・・」
「とりあえずはひらがな?だけなら・・・そうだな、学問適性3以上ってとこかな」
「学問適性・・・それはまだ見たこともなかったわ」
段階的に行うとして、まずはすべての基本となるひらがなに該当する文字だよね。ローマ字、数字、漢字と様々な文字があるのだが、ラプールを日本みたいに育てていいものかという迷いもなくはない。
でも・・・やはり自分が理解できる物じゃないと、一体何が書かれてるのか分からないものが多く出てくるのは怖い・・・。たまにやらかす自分が悪いんだけども・・・!
「3以上の子が確認出来たら、五十音を記した書物を創ればいいかな?」
「そうだね、それが広まったころにまた段階あげた物を配置って感じにしたらいいと思うよ」
アーティファクトの作り方は、いつものムムムッと念じて作る感じでいいらしい。割と適当だな神様!
今更だけど!大体念じればなんでもできるこの万能さよ・・・。あ、でも読んだ人の負担が少ないように色々考えておこう、メモメモ。
<アーティファクト:はじまりの書物>
・学問適性が3以上の者が手に取ることが出来る
・書物を開くときに確認メッセージが流れるようにする
『この本を開くことにより、神々の知識の一端が得られることになります。得た知識を大陸に住まう人々に広めるという使命が課されますが、よろしいですか?(はい/いいえ)』
・知識が馴染むまでの間は本人の周囲に防護結界が張られる
・読み終えた書物は最初に開いた者だけが開くことが出来る
こんなものかしら・・・、他に適性の高い人が現れたときはそこに導くようにナビゲート機能も付けておこうかな!結構至れり尽くせりな無駄に性能の高い書物が出来上がりそうだ。アーティファクトだから仕方ない。
「というわけで概要はこんな感じにまとめてみました」
「流石アイリーンは仕事が丁寧だね、わかりやすいし、住人の事をよく考えてるね」
わーい、ギルに褒められちゃった!なんか普通に嬉しいっ!あとは、適性の高い人を探す作業が待ってる・・・それが大変なんだけども・・・。
「多分、多分だけど・・・コーマの大陸で使徒適性高い子探すよりは全然楽だと思うよ・・・」
「ですよねー」
気長にやりますかー




