表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
257/261

円滑な関係

 思わず、そんな設定したっけ・・・と、作成途中を思い出すが、特にそんな設定を盛り込んだ記憶はない。もしかして、隠された願望でもあったのか?


 そんな少し戸惑った様子で、使徒ズの様子を伺うと、特に気にした様子はない。


 「とりあえずだ、自分達の名前はわかるな? 俺の名前も」


 「はい、認識しておりますわ」


 おっと、お嬢様っぽいぞ~? 微ツンデレにしたような気がするが、お嬢様属性なのか。


 「ちゃんとわかってますよ~、私達のマスターはコーマ様です」


 ちょっと間延びした喋り方をするのはノワールだ。黙っていれば多少冷たい印象を与える様な容姿なんだけど、喋るとこれだ。うん、ギャップ萌え的にはかなりアリだ。


 「無事に目覚めて何よりだね、私は君たちの教育を担当するギルと言う、これから暫くよろしく」


 おぉ、なんだかギルが余所行きの喋り方してる。ちょっと新鮮だな。


 「お前達が俺の元で働ける時を待っているとする、勉強がんばれな?」


 あ、無理無理、途中でもう喋り方が崩壊した。神様らしい喋りってなんだよ? 地球に居た頃の部下にすら普通にタメ語で喋ってたし、目下の存在に対する対応が苦手なんだよ。


 まあ、無理に飾る必要はないよな・・・使徒だし裏切る事もないだろ。


 「はい、一刻でも早く貴方様のお役に立てるように努めますわ」


 「はぁい、がんばるね~」


 いいんじゃないでしょうか。


 使徒ズとギルを見送ると、深い溜息が腹の底から出てきた。なんか・・・なんか緊張した。ネルの時ってどうだった? ここまで気を張ってなかった気がするぞ、何せかろうじての適性でも適性アリを見つけてテンションがやばげだったからなぁ。


 何にせよ、これで新しい使徒が増えた。後は教育やら、女性陣とのやり取りだな。


 「アイリーン、ちょっといいか?」


 『いいわよ、どうかした?』


 「新しく使徒作ったんだけど、性別的には女性だから、宜しくなって」


 『あら、そっちはむさ苦しい男の城にするのかと思ってたわ』


 「失礼な奴だな、そんなの誰が得するんだよ」


 なんでそんな思考に辿り着くんだ、望んで男所帯になってるわけじゃねえし。


 『なんとなく?』


 「あのなぁ・・・まあいいや。兎に角今はギルが教育してくれてるから、それが終わったらそっちにも挨拶に向かわせるつもりだから、そんときは宜しくな? くれぐれも余計な情報を仕込まないようにな」


 『はいはい、分かったわよ、シュミカにも伝えておけばいい? ネルちゃんはどうする?』


 「ネルには俺から連絡いれとくよ、シュミカはよろしく、あと野菜美味しかったって伝えておいてくれ」


 『ああ、バーベキュー食べたのね。わかった、伝えとくわ』


 ついでにバーベキュー部屋が、ついうっかり出来てしまったことも伝えておく。ちょっと呆れられたけど、アイリーン自身もこっちでバーベキューができるのを嬉しく思っているようだった。


 「さて、ネルはどういうかな?」


 何の相談もなしに、新しく後輩が出来た事を、責めるだろうか? それとも素直に喜ぶだろうか?


 「ネル、ちょっといいか?」


 『あら、お久しぶりですねコーマ、何か御用ですか?』


 新しく使徒を作った事を伝え、そのうち挨拶に行かせるというと、ネルの反応は特にこれと言って何かあるような風でもなかった。


 『こちらに来られたら、色んな所を案内しないといけないですね、楽しみです』


 「その・・・黙って新しく使徒作った事については・・・その、なんだ」


 『何をもしょもしょ言ってるんですか! コーマは今はシャリオンで働いているんでしょう? そこで創る使徒について私に相談なんて必要ないじゃないですか、コーマの判断でしていいんですよ? 私は今でも一応コーマの使徒ですが、神でもあるんです。変な気遣いは必要ないです」


 「お、おう・・・そうか、そうだな、すまん」


 『まあ、それだけコーマが私を慮ってくれたのは、悪い気はしないですけれども。私は後輩ができて、素直に嬉しく思いますよ』


 ちょっと微妙にツンデレちっくな物言いな気がしなくもない。でもこれは言ったら怒られるやつだ、言わないでおこう。


 『でもコーマが新しく創るのは、男性使徒だと思ってました、なんでか分からないですけど』


 お 前 も か


 「その意味不明な印象は一体どこからきてるんだ・・・?」


 『うーん、良く分かんないですね! コーマは美少年が好きなんじゃないんですか?』


 「あの美少年人形の事言ってんのか? あれは別に他意はないぞ? 普通に男として女性が好きだぞ?」


 『そうでしたか、それは多少考えを改めないといけませんね、どうでもいい事ですけど』


 どうでもいいのか・・・なんかそれはそれで傷つく。なんにせよ、ネルが好意的に受け止めてくれるのは普通に嬉しいし有難い。


 「とにかく、教育やらなんやらおわったら、そっちに挨拶行くと思うから、その時はよろしくな」


 『はい任されました』


 相変わらずあっさりテイストなネルだった。神と使徒との関係としては、ダメなのかもしれないけど、この気軽さがネルの良い所だよな。


 なんだかんだですんなり事は進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ