ブランとノワール
「おぉ、なんかこういうのパワーストーンで見た事ある気がする」
とりあえず、自分の手に現れた翡翠の腕輪を装着しておく。うん、褐色肌によく映えるじゃないか。
これを元にして、使徒ズの杖の装飾を考えていく。よくある魔法使いのやつだと、邪魔そうだから、シンプルに埋め込みタイプで装飾しよう。蔓が巻き付いているような感じで、杖本体にミスリルを巻き付けて、所々に翡翠を埋め込む。うん、なかなかおされな感じじゃないか?
「よしよし、見た目はこれでいいな」
いい出来だと自分でも思う。俺グッジョブ。
さー、問題は・・・魂の選別なんだが。これなぁ・・・難しいところだよな。ネルはずけずけ物言うタイプだから、なるべく被らないようにしたいところだが、あまり仰々しい対応されるのもちょっと困る。気軽に言った事が大事になったりするからな。
あとなんかまた軍曹的な子が増えるのがなんかちょっと・・・うん。
使徒適正は3くらいがちょうどいいんじゃないか? んで、魔法適正も高めの方がいいな。あと料理。神の体は腹も減らないし、喉も乾かないから必要ないっちゃないんだけど、ないよりある方がいいんだよなぁ。うまいもんはうまい。優雅にお茶タイムとかしてみたい、アイリーンがうらやましいわけではない、決してない。
ネルが活発系だから、こっちは大人しい系にするか。
色々条件を追加していくと、最終的にかなり絞られた。あ、あとは・・・名前か。なんだかいつも悩まされる気がするこの名前。そしてたまに失敗する。
「名前・・・名前か」
銀と黒、白と黒・・・ブランとノワール、あ、なんかお菓子っぽいな。そのまんまっちゃそのまんまだけど、ここはシャリオンだからフランス語とか関係ないもんな! 気づくやつは神サイドだけだ、これでいこう。
選んだ魂に、名前やらステータスやらを設定していく。そういえば、ネルの時はそんなに細かく設定してなかったかもしれない、現在のネルのステータスはここでも確認できるんだろうか? もう神になったからできねーかな? と、ふと疑問に思うと、普通にネルのステータスが出てきた。
「うおっ、なんだこれ、ネルすげえ」
普通にチートじゃね? みたいな数値が並んでいた。多分これは、ロクストで仕事させてたから、初期値ではないと思う。努力・・・したんだなぁ。なんかほっこりした。
いやほっこりするような数字じゃねえ、スキルもやべえ、数が多すぎて目が滑る。
「これを目安にしたらダメな気がする、すごくする」
最初からつよつよ過ぎてもなぁ、後々やばいよな、どうせ仕事してたら自然とあがる能力だってあるだろうし。そのへんの成長要素は残しておきたい。
あとは備考欄に性格設定しておこう、ブランの方は微ツンデレで、ノワールの方は天然小悪魔っと。あ、神の使徒なのに小悪魔はダメか。ちょっと天然ってことにしておこう。言葉は大事。
「よし、じゃあ魂を入れていくか」
ネルの時もシエルの時も、魂が定着するのに結構時間がかかった気がせんでもないが、まあそれはいい。急ぎってわけでもないし、待つのは慣れてる。
問題なく魂は器の中に入って行った。これであとは目覚めるのを待つだけだ。
「ラピスのどれでもいいから一体こっちへ来てくれ」
普通に声に出すだけで、一瞬で現れるゆるいの。この秒で現れるのちょっと怖いよな・・・。
「お呼びでしょうか、ご主神様」
あ、今回はちょっと堅苦しい方のラピスだ。まあいいや、この使徒たちが目覚めるまでラピスに見守って貰おう。んで、目が覚めたら連れてくるように頼んでおこう。
「畏まりました、では目覚めるまでこちらでお預かり致します」
いつの間にか2体に増えてて、ちょっとだけ体がビクッとなってしまった。予告ないと割とマジで怖いな。俺だけか?
「あ、ギルちょっといいか?」
『大丈夫だよ、またなんか面倒な事にでもなった?』
「いや、そういうわけじゃねえよ、新しく使徒創ったから、目が覚めたら教育頼んでいいか?」
『別に構わないけど、サージェスの手が空いてるなら、そっちにやらせた方がいいんじゃないの?』
「だめだ、あいつはだめだ、軍曹が量産されるのは避けたい、全力で避けたい」
『え、そ、そう。そういう事なら任せられた、すぐ対応できるようにそっちで待機するよ』
「あ、いまどこにいる?」
『シュミカの畑の近くでバーベキューしてる』
「俺用に肉と野菜包んでもらって」
『はいはい』
腹は減らんが、バーベキューと聞いたら、減らない腹が減ったような気になるから不思議だ。あの匂い嗅いだら、多分減ってなくてもグーグー鳴るだろ。腹減って帰宅中に、焼鳥屋の前とか通った時の地獄具合を思い出してしまった。つらい。
肉も好きだが、シュミカの作る野菜は美味しいからな、今は手広く色々と作ってるはずだから、バーベキューにして美味しいやつをちゃんとチョイスしてくれてるはずだ。
バーベキュー部屋とか作って、たまにみんなで食事会でもやりたいもんだな。
想像してたら創造してた、よくあることです。




