イメージ
とはいえ、ただでさえ人口の少ない中から選ぶのは避けた方がいいな。前に創ったような器を用意して、魂の保管庫から選ぶ方法の方が無難な気がする。
今シャリオンにいるのは、俺とサージェス、たまにギル、そして性別がよくわからないラピス達。まあラピス達は正確にはトリルの保育用魔物ってとこなんだけど、ここでの雑用とか色々こなしてくれるから割とありがたく使わさせていただいている。
まあとにかく、華がない。ヴィーアは猫だから除外とする。癒し枠だよ癒し枠。
使徒適正云々は後で考えるとして、まずはどんな器を創るかだな! ネルはネコミミメイドだから、なるべく被らないようにしたい。万が一傷つくなんてことがあったらいけない。ないかもしれないが。
アイリーンのとこみたいに神獣を作るのも手なんだが、やっぱり人型がいいな。あ、女の子の双子とかどうだ? 白と黒で色分けして・・・。あんまりお姉さんぽくても、俺が困る。主に視線が困る。神様になってから性欲とかそういうのが減衰したような気がするが、まあそれはいいとして。とにかくお色気がありすぎても困るのだ。現地民を惑わすことになったらいけないし。
というわけで、大体16歳~18歳くらいを想定して、イメージを膨らませていく。
そうだな、髪の毛はストレートのロング・・・で銀髪と黒髪、銀髪の子は瞳を真紅に、黒髪の子は琥珀に。うん、中々可愛いんじゃないか? 服装はそうだな、ゴスロリじゃありきたりすぎるか。制服・・・は完全にJKだな、これはなし。絶対後からツッコミが入る。
まあ、動きやすい服装の方がいいだろ、軍服っぽいかんじでいいな。お揃いでいいや、髪の毛で区別つくだろうから、白を基調として・・・さし色を瞳とお揃いにしよう。銀髪の子は赤、黒髪の子は金色。
女性騎士っぽい感じになってきた、これは中々いい感じじゃないか? メイド服で作ったネルといい、今回といい、俺は自分で思っていたよりも制服が好きらしい。ちょっと硬めのイメージの方が好きなんだろうか? まあ、それはいいや。
流石に女性騎士みたいな感じになったとはいえ、帯剣させるわけにもいかないので、魔法のステッキみたいなものを作って、それぞれの腰に下げさせると、本格的にファンタジックな女性騎士が出来上がった。うん、これは中々会心の出来じゃないか。
さて、器の方はこれでいいだろ、たぶん。あーでもなんか装飾がちょっと足りないような気がするなぁ。俺の使徒ってのが分かる方が、個人的にはいいと思うけど、俺の色ってなんだ?
黒髪褐色だけど・・・これは自分ではわからなそうな気がする。女性陣に聞いてみるか?
「というわけで、俺の特色ってなんだと思う?」
『いきなり何よ? コーマの特色って・・・急に言われても』
「え、なにその反応。幼馴染なのに存在感ないってことなのか?」
『い、いやそういうわけじゃないけど・・・第一あんたの見た目がらっと変わってるじゃない』
「そういやそうだった。いやまあ見た目云々よりさ、ほら、性格っていうか、なんかあるだろ? イメージカラー的な」
『わ、私そういう系のを考えるの苦手なのよね・・・』
なんだ、これもネーミングの闇の範囲内なのか。聞く相手を間違えたかもしれない。
『シュミカの方が私よりも若干女子力は高いはずだから、そっちに聞いてみたら?』
結局アイリーンからはひとっつも参考になる意見は貰えなかった。これは女子力の範囲になるのか・・・? よくわからんが、とりあえずシュミカにも聞いてみるか。
『あらら~久しぶりだね~! 元気してた~? え、なにイメージカラー? え、うーん・・・』
「俺ってもしかして、特徴ないのか・・・?」
『特徴あるっちゃあるけど、色って言われると難しいよ~!』
まあ確かに、それも一理ある。
結局女性陣二人に聞いても、何の参考にもならなかったな。これは何力になるんだろうか。ちょっと不本意だが、ギルとサージェスに聞いてみるか? でもなー、ギルは結構適当言いそうだから、大穴狙いでサージェスに聞いてみるのもいいかもしれん。
「サージェス、今大丈夫か?」
『問題ない』
返答みじかっ、ちょっと聞いていいのか躊躇ってしまいそうだ。いやまあいい、聞いてしまおう。
『コーマのイメージカラーか、見た目だけなら黒なんだろうが、それだと神々しさとしては何か違うな。逆に、お前の目指す神の像というか、イメージに合わせたらどうだ?』
なんだろう、今までで一番参考になる意見だと思う。女子力か何力か知らないが、あの二人はサージェスに負けてて大丈夫なのか? 女子力じゃなければいいのか。
「俺の目指す神のイメージねえ・・・」
『好きな色でもいいと思うぞ、それにイメージ合うように行動すればいいだけの事だろう』
なるほど、神様のパイセンは言うことが違うな! とりあえず、自分をイメージしてみる。そんで、装飾品を自分が身に着けるところを想像した。そこについている宝石、その色は?
俺の掌の上に、翡翠をあしらった装飾品が現れた。




