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あらいぞく

 早速アライグマを元に、イメージを作っていく。前回はちび達だけでよかったが、今回は一つの世帯を作るので、大人の男女、子供の男女と中々に作業が多い。

 まずは大人の男女から作っていくとする。前回同様に今回も耳はちょこんと出ているだけの仕様。かわいらしい耳を付けた男を作るのか・・・と多少はテンションを下げつつ、例の尻尾をつけたかわいらしい男女が出来上がった。


 「ちょっと可愛らしすぎるよな・・・もうちょい背を高めにしとこう」


 大人の男女だというのに、元が可愛い動物なため、そちらに引っ張られすぎてどう見ても中学生の男女くらいになってしまった。

 それをさらに成長させた見た目に仕上げると、多少童顔ではあるものの、ちゃんと大人に見える男女が完成。


 「髪の毛の色は、こげ茶くらいにしといて、白のメッシュ・・・いやいかん、また引っ張られる」


 いろんなところに引っ張られすぎである。

 こげ茶の髪に、茶色の瞳の可愛らしいペアが完成したが、これを元にちびっこも作っていく。大人のイメージが完成しているので、今度は容易にイメージがしやすい。目の前に器があるので、余計なものに引っ張られることもない、多分。


 「ふう・・・こんなもんでいいだろ、あとはステータス設定だなぁ」


 今回は加工系の作業をさせたいので、普通に人間のステータスの基本から弄ることにする。基本ステータスにプラスで器用さを追加したり、魔法も全属性の弱いものに適性を置いておく。料理したりするのに丁度いいだろうという考えからだ。強すぎる力は、持っていても意味がない、現時点では特に。


 「まあステータス系はこんなもんでいいな、あとは魂を選別か・・・料理適正で一旦検索かけてみよ」


 思った以上に多かった。数値はすべてにしていたため、恐ろしい数が検出されてしまう、これでは選ぶのも大変だ。


 「多すぎる・・・とりあえず3以上でもっかい」


 それでもかなりの数が残ってしまった。料理できるやつが多すぎだろ・・・とコーマは、眉間を揉んで項垂れた。眼精疲労はないにしても、なんとなくやってしまうのだ。


 「使徒適正だけはいれちゃいかんからな、何かほかの・・・ああそうだ、全属性適正」


 全属性の適正は流石に1からすべてにしておく、すると、かなりの数が絞れた。さらに、気性が穏やかにしてみると、選びやすい感じにまで数が絞れた。


 「おー、いいんじゃないのー、とりあえず大人の方にこれとこれをいれて・・・子供の方はこれとこれにしよう」


 割とこのへんは適当にやってしまうきらいがあるが、今のところは問題が起きていないので良しとしている。


 「あ、そうだラピスいるか?」


 「お呼びでしょうか、ご主神様」


 「今から創った新しい種族に魂いれるからさ、食品加工のあれこれを教えてやってくれないか、基本的な事でいい」


 「というと、衛生管理面と、調理の基礎あたりでしょうか?」


 「そうだな、そのあたりならどの位で完了する?」


 「料理適正があるのならば、2,3時間いただければ」


 「え、ちょっと早すぎない? あんましスパルタにされると可哀想なんだが」


 「そこまで過酷な事はないと思いますが」


 「ま、まあお手柔らかにな・・・あと子供たちの面倒も見てほしいからもう一体補佐につけてあたってくれ」


 「承知いたしました、では研修部屋を用意していただけますでしょうか」


 「ほいよ、キッチンと座学用のスペースがあればいいか?」


 「はい、あとは筆記用具などもあれば」


 「おっけー、ちょっと見てみてくれ」


 コーマがそういうと、ラピスは早速作られた研修部屋へと移動する。すぐさま戻ってきて、完璧です、さすがご主神様ですと称賛してきた。仕事のできるゆるキャラこわい。


 合計4名に早速先ほど選んだ魂を入れていく、目を覚ました彼らは、まずコーマにあいさつをし、続いてラピスにお願いしますと挨拶をした。中々礼儀正しい子達だ。


 魂を入れた直後に、普通に一般人としての振る舞いができるのは、基本的知識が自動的に組み込まれるからだ。子供なら子供の、大人なら大人の年齢に応じた基礎知識セットが自然と身についている。

 これは新しい種族を作るにあたって、大人の見た目なのに0歳児では困るからと、サージェスやギルに聞いて、しっかり対策をとった成果である。


 研修部屋は、キッチンスペースと座学用の机と椅子、教壇とホワイトボード、あとは子守用にキッズスペースも完備している。音の立たないようなおもちゃ、おひるね用の布団、中々のサービスだ。


 「ではまた後程」


 恭しく頭を下げるラピスと大人の男女、もう一体のラピスに抱っこされてちびっこの男女も研修部屋へといってしまった。


 「あ、やべそういや種族名・・・」


 後で考えようと思って暫定的に<新井族>とつけたまま、確定してしまったことに、今更気づいてしまったコーマであった。


 まさかの漢字名がシャリオンに爆誕してしまった。

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