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帰ってきました

 あれから宿で夕食を頂きながら、ネルちゃんとシュウのお話を聞きつつ、これからの計画など色々と話に花を咲かせてしまった。私は普通に天界に帰ってきたけど。


 「いやー、楽しかったわ~」


 「ふふっ、母様が楽しそうで何よりでした」


 私のほっこりした様子に、シエルもご満悦のようだ。その様子を見て私もご満悦。ご満悦の連鎖は素晴らしいものだと思う。


 「私が居ない間、どうだった?」


 列車の旅を満喫している間、ここの業務を担ってくれていたのはフェンリル達。その中でも、陣頭指揮をとってくれていたのはシルフィーだ。

 生まれて間もないというのに、なんかごめん。


 「別に、特に問題もなかったぞ」


 「そっか、流石優秀だねえ、シルフィーは」


 ツンとおすまししているシルフィーをわしゃわしゃと撫でる。うーん毛並みが素晴らしい。


 「毛並みが乱れる」


 あーもーツンデレかわいい! 「フン!」という態度をとりつつも、尻尾が嬉しそうに揺れている。これわざとなの? あざといの? かわいいの?


 ウィードが小さい頃はこんな感じだったのかなぁ、なんてほっこりが加速する。ウィードは王様で俺様で、意地悪なイケメンって感じだけど、シルフィーはまたちょっと違った感じのツンデレ王子って感じでかわいいのよねー。


 「それで、次の仕事は?」


 照れ隠しなのか、シルフィーは次の仕事を要求してくる。とはいっても、トリルは基本的には平和なので、そこまで忙しくする必要はない。


 「今のところは通常業務だけかなぁ」


 無理に何かしようとは思わないけど、せっかく人員補充したんだし、何かやりたいという気持ちもなくはない。でも、あまり下界に干渉しすぎても、宜しくないというのはある。だからちょっとやらなきゃいけないことが見つかるまでは、通常のお困りごとを解決するくらいのふわっとした業務だけでいいと思うんだよね。


 「そうか」


 そういうと、シルフィーはその場で丸まって寝てしまった。まあ、ほんとに寝たわけじゃないんだろうけど、こういうちょっとしたしぐさが可愛いよね。


 それはそうと、ロクストは相変わらずネルちゃん一人でまわしてるんだよね? 人員が欲しいならこっちのフェンリル達回してもいいけど、本人に了承とらないとね。というか、聞いとけばよかった。さっきまで一緒に居たのに・・・。


 「ネルちゃん、今だいじょぶ?」


 『はいっ! アイリーン様からのご連絡ならば何時いかなる時でも大丈夫ですっ!』


 いや、それはダメでしょう。


 「ロクストはネルちゃん一人でまわしてるでしょ? お手伝いが欲しい時は、うちのフェンリル達いるから、いつでも言ってね? 今日言い忘れてたの」


 『ああ、そうでしたか~、今のところは特に急ぎの案件はないので、大丈夫といえば大丈夫なのですが、1名こちらに常駐させていただければとは思います』


 「一人でいいの?」


 『はい、お一人に来ていただければ、何かあった時に要請するなどできますし』


 「わかった、そっちに一人派遣するねー、もっと必要ならいつでも言ってね」


 『ありがとうございますっ! そのお心遣いだけでも十分にご褒美ですのでっ!』


 そんなやりとりのあと、フェンリル部隊の中からロクストに派遣する子を決めて、早速行ってもらった。これでネルちゃんの負担も多少は軽減できるといいのだけど。流石にネルちゃんは働きすぎなので、ここらで休暇でもとって欲しい・・・。


 「久しぶりにウレイン温泉でも行って、ゆっくりして欲しいよねぇ」


 「でも、ネルは行くなら母様と一緒に行きたいのでは?」


 「んー、でもねえ、私はもうゆっくりしちゃったから、流石にこれ以上は・・・」


 「ではまた暫くしてから、ですね」


 リフレッシュしたおかげで、体はピンピンしてる。というか、神の体なので疲れないから、ピンピンもなにもないんだけども。


 「ウレイン温泉とはなんだ?」


 寝てる(フリ)と思いきや、シルフィーが興味を持ったのか、ウレイン温泉について聞いてきた。ウレインにある離れ小島にある温泉の話をしてあげると、かなり興味を引かれたようで、尻尾がゆらりゆらりと揺れていた。


 「現地の精霊には連絡しておいてあげるから、行ってくる?」


 「む、そうだな、温泉という物には興味がある」


 そういやウィードも気に入ってたもんね、血は争えないというか。まあ、同じ魂なんだけども。


 「人の姿で入るなら、人形部屋にある子達使っていいわよ。そのままでも別に構わないけど」


 「だが、使徒がここを離れるわけにはいかないだろう」


 「別にいいわよ、何か急な事があれば連絡するし、行ってきたら?」


 「じゃ、じゃあちょっと行ってくる・・・何匹か連れて行くけど構わないか?」


 「うん、おっけー、行ってらっしゃい」


 入り浸ったりするのはちょっとアレだけど、お風呂が気に入ったら、ここにも温泉施設あるしね、そっちで楽しんでもらってもいいっちゃいい。でも天然温泉を知ってもらうのもいいし、現地の精霊とも仲良くなってもらうのもいい。


 私が遊んでる間、ここの管理をしてもらってたんだし、まあこれくらいの福利厚生があってもいいよね。


 

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