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ドーピングエナジーバナナ

 シュミカは恐ろしい速度でバナナを植えているらしく、マーキングがあれよあれよと言う間に黄色に染まっていく。一人でやっているわけもなく、エルフさん達を従えてやってるらしい。納得。


 いやそれにしても物凄いスピードなんですけど。


 シュミカが張り切ってラプールでバナナを植えている頃、ロクストではシュミカから派遣されたエルフさんがネルちゃんと接触し、ロクストでもバナナを植え、株分けの仕方、育て方などを伝授しているらしい。

 神として在る事を放棄した当時のシュミカからは、想像もつかないほどの働きっぷりだなぁと、黄色く染まっていくマーキングをぼんやり眺めながら当時を思い出す。


 どんどん準備が進んでいくと、それに応じて建物の方も急ピッチになったようで、思ったよりも早く旗が立ちそうだ。頑張ってくれるのは嬉しいけども、無理はしないで欲しいなぁ。


 そんな願いも空しく、翌日には旗の第一号が立った。きっとヘロヘロになってるよね・・・と拡大して様子を見てみると、なんか皆すごい漲ってる感が凄い。どういうことなのか心当たりもないので、忘れかけていた機能をそっと使う。そう、監視カメラのように過去の映像を見る事が出来る機能だ。


 昨日の時点に時間を合わせ、その町の保育園の建設現場を再生していると、建設に携わっている人がバナナをもいで食べていた。ああもう、それは園児たちの為のモノなのにぃ・・・欲しかったら株分けして自分で育ててね。


 何やらバナナを食べた人の動きが物凄く良くなった気が・・・気のせいではなさそうだ。他の人にも勧めて、連鎖のように元気が伝番していくのが見て取れる。


 子供には栄養満点の食べ物を食べさせたいと作ったトリルバナナだったが、思わぬところで想定外の効果が出るようだった。そういえば、大人が食べた場合の設定とか全然してなかった気がする。


 自分達も試食したはずなのに分からなかったのは、多分私達が神の体を持っているから。疲れないから滾りもしないっていうオチなのである。


 ふと思い出す、トリルバナナを作っていた時のテンションを。


 あの時はなんだか凄く楽しくて、深夜のテンションによく似ていたかもしれない。子供が食べて、栄養満点元気百倍! とか言いながら創ってた気がするわ。ステータスの文言には入れた記憶がないんだけど、もしかしたら勢いで入れたかもしれないので、現地に植えられているバナナを鑑定してみる。


 <トリルバナナ>

 子供の成長の為に作られた食物。栄養満点! 元気百倍!

*以下は未設定のため自動的に作成されました*

 大人が食べるとエナジードリンクの物凄い版のような効果が得られます。

 ステータスも24時間倍になります。


 あちゃー、入れてたわ、そして大人の設定してなかったから勝手に設定されてる・・・。なるほど、良く分かったけど、これは危険だわ。管理画面で効果を下げておこう・・・大人が食べると少しだけ元気になります、ステータスは消化されるまで2割ほど上昇します。


 これでよし。ふう・・・余計な仕事をしたわ。主に自分のせいで。


 それにしても、設定が不十分だとあんな変な効果が自動的についてしまうとは。このシステムおかしくない? いやデミスが作ったシステムだから有り得るかも? あの人チャラいもんね・・・。多分このシステムはAI的なモノも入ってると思うんだよね、そうじゃないと私達の操作だけではとてもじゃないけど追い付かないもの。ま、その辺は助かってるからどうでもいいっちゃいいけど、今度から何かを創る時は気を付けて設定しないといけないなぁ。


 ノリと勢いでやってはいけない。


 「コーマ、ラピスラズリの派遣は何時くらいになりそう?」


 『ん? ああ、もうそろそろ訓練も終わりそうな感じするけどな・・・ってきたきた。早速送るか? どのくらいの数欲しい?』


 どうやら丁度お勉強も終えたらしい。とりあえず旗が立ったのはまだ1か所だけだが、効果を治すまでに食べた人が他にも居そうなことを考慮して・・・


 「とりあえず20体くらいかしらね?」


 『おっけー、直ぐ送る。教育を担当したのはサージェスだから、苦情は全部そっちによろしくな?』


 「え、ちょっ、なんか不穏な事言わないでよ!?」


 逃げやがったわ。通信が切られてしまった。一体どんな仕上がりだというのだろうか? サージェスは一体どんな教育を施したの・・・? なんか心の準備が


 「初めまして、ご主神様の上司の女神様、私共はラピスラズリα部隊でございます、何なりとご命令を」


 可愛い声が聞こえたのだけど、言ってることが軍隊っぽい。可愛さとは真逆の感じが凄くする。ギギギと音が鳴りそうな様子で振り返ると、そこには可愛らしい姿をしたラピスラズリ達がずらりと並んで跪いていた。


 こわっ!


 「え、ええと、貴方達には今からトリルでの保育園で働いてもらいます、これはコーマから聞いてるわね?」


 「はい、使命については聞いております」


 か、かたい、堅苦しい。声と見た目は非常に可愛い・・・ギャップが酷すぎる気がする。


 「で、では今から1カ所に付き二人で行動してもらいます、案内はシエル、私の使徒が担当します、そちらの指示に従ってください」


 「畏まりました、必ずや女神様のご期待に応えて見せましょう」


 コーマァアアアアアアア!!

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