チュートリアル
ギルの提案をあっさり承諾した3人は次の休みの日に合わせて開始してみようということになった。ゲームを新しく始めるときは一番時間がかかると見ての事だ。
キャラメイクにチュートリアル、既存のシステムならばチュートリアル不要かもしれないが
まったくの知識なしからだとやはりじっくりきっちり始めたほうが安心できるものだ。
いつもの日常から再び別の世界へ向かう
「さ~、キャラメイクがんばりますか~」
そう言って愛梨は登録を終え、キャラメイクを開始する。
髪型、髪の長さ、髪の色、肌の色、瞳の色、顔の造形、背丈・・・と自分好みに仕上げていく。
重要なのは
やはり胸あたりだろうか、盛るか盛らないか
・・・いや盛るでしょう?
せっかくリアルとは別の人物になるのだからここは盛らねば!多少の虚しさはあれども憧れはあるのでそこは迷いなく豊満ボディ一択であった。
艶やかな金髪ストレートのロングヘアー、透き通るような美しい白い肌、整った顔に瞳の色はブルーだ。身長は今の自分よりちょっと高め、そしてボンキュボン、これ重要。
服装は・・・なんか女神ちっくなカーテン纏ったようなアレですよアレ。胸元が多少強調されてはいるが、本体とあわせて神々しいやらなんやらでバランスがとれている、と思う。
センスに自信はないが、そこまでヘンテコってこともないだろう、うん、大丈夫。
どうせリアルじゃないしね!
一応納得のいく形でキャラメイクを終えると、次はチュートリアルだ。ギルがものすごく大雑把に説明した感じでは地球に似た星を自分好みに作り上げていく感じとかなんとか。
そう、プレイヤーは星に生きる人々ではなく、神様なのだ。某戦国武将の野望的な感じにでもなるのだろうか・・・、いや創るってことはもっとスケールがでかいんだろう。
チュートリアルルームに入ると自分たちが作り上げる星の模型が現れる。ぱっと見は地球とそっくりだったが、大陸の形などが全然違ったので「あー地球じゃないなー」くらいの
思いしか抱かなかった。
デフォルト状態なのでこれから他の3人と一緒に地形を弄ったりすることになるようだ
細かく見たい場合は模型の見たい場所に指を添え、スマホの拡大する動作をする。
「ふむふむ、某アース的な感じね」
今はまだ生命も誕生していない状態らしく拡大しても特に生命活動というものはみられないが、おおよその操作はなんとなく理解できた。
生命を配置というところを指でなぞると人型生命体、動物、魔物、精霊などカテゴリが表示され、詳しく見ていくとデフォルトの3Dサンプルが表示された。
ゲームを進めることによって得られるポイントで色々カスタマイズもできるようだ。
「人型は人間だけじゃないのね」
人型生命体は人間、エルフ、ドワーフ、各獣人、動物は地球のものが大半で、魔物はドラゴンからゴブリンまで様々だった。
精霊は各属性(火、水、土、風、光、闇)で、見た目の性別は選べるようだ、ちなみに妖精も精霊カテゴリにいた。
精霊や属性があるので当然とばかりに魔法が存在するようだ、人間は基本的には魔法を持たないが
かけ合せにより稀に魔法を使える人間が生まれることもあるらしい。
魔法を使えるのはエルフ、精霊、妖精、ドラゴンや魔物の一部、ドワーフは限られた魔法のみ使用できるみたいだった。
初めはポイントもないので0ポイントで配置できる動物と魔物の一部、精霊の一部しか配置できなくなっていたが、地球だって最初から人間がいたわけではない(とされている)ので無駄にリアルにしてあるなーとしか思わなかった。
大まかな説明を把握し、漸く3人の待つ部屋へ向かうことにする。
「あ~皆どんな見た目にしたんだろなぁ」
ナイスバディのパツ金美女になった愛梨は軽くスキップしながらチュートリアルルームを後にした。