種族を作り替える
※コーマ視点です
「さて、早速取り掛かるか・・・」
とりあえず封印されている悪魔族達の性別を確認。若干女が多めか、でも総数はそんないないな・・・。もしかして自分達の中でも殺し合いとかしてたんだろか?
全部で50人ほどか、大体でいうと女30の男20くらいの割合だ。まあまずは女悪魔のデザインからだな!女で悪魔っていうと・・・いかん、お色気系しか浮かんでこねえ。
能力値は全体的にかなり高めだな、流石人類滅亡の原因。これは結構下げといても全然つえーな・・・。
一応参考までに今いる封印された悪魔族の見た目を管理画面に映し出すと、まあ結構美しい系だな。麗しいというか? 頭に羊っぽい角が生えてるところが実に悪魔らしい。ああでもあれか、元々はシュウが作った星だから、そういうデザインなのか? つまりこれはシュウの趣味ということ・・・いかん、他人の趣味を覗き見てしまったような罪悪感が。
もしかしたら、シャリオンの事は黒歴史くらいに思ってるかもしれねえし、全然方向性の違う奴にした方が供養にもなるかもしれないな! そうしよう!
ツノはまあそのまま残すとして、髪の毛の色が色とりどりなのを統一しよう。今は赤やらピンクやらエメラルドグリーンやらでカラフルすぎる。プラチナブロンドとかどうだろうか。あーでも黒のストレートも捨てがたい・・・。
悪魔の角に黒髪・・・いいな、これはいい。基本的に直毛でいこう。なんか服装がゴスロリっぽいのばっかだから、もうちょっと・・・制服っぽいのがいいな。軍服で黒髪で角付き・・・いいではないか。
瞳は男女ともに赤だな、これはなんとなく譲れない・・・ってシュウも同じか。元々赤かったわ。
どうせなら男女お揃いにしとくか、男も黒髪で直毛っと。長さはまあそのままにしとこ。男の方はなんか、イメージ的に執事・・・イメージが偏っている気がするが、まあそこはご愛敬ってな。
「よし、見た目はこんなもんでいいだろ」
次はステータスだな、ステータスの数値自体は軒並み下げておく。一応他の魔物達のステータスも参考にして平均くらいにしておく。これでなんかあっても止められるだろう。
性格を見ると、残虐だのなんだのと不穏ワードのオンパレードが並んでるが、それを片っ端から消していく。悪魔と銘うっているけどさ、いい悪魔だって居てもいいだろ。
誠実・ちょっと堅物・真面目・優しい・全ての種族に友好的っと。流石に優しさマックスは自重しとこう・・・。優しさのパラメーターだけ多めに振っておくか。
と、大体の設定を終えながらふと思った。
「こいつらをシャリオンでの神の使徒として使えないか・・・?」
「使えなくはないが、やめておいた方がいい」
すかさずサージェスが止めに入ってきた。今まで大人しく俺の作業を見てただけなのにいきなり発言してくるとちょっとびっくりするじゃねえか。
「お前がそう言うんなら止めといた方がいいんだろうな、んで、一応聞くけど理由は?」
「数が多すぎるのと、一つの種族だけを使徒にするのは公平性に欠ける。と、我が主なら思いそうだからだ」
「あー・・・確かにそうだな。短慮すぎたわ、すまん」
「いや、謝るほどの事ではない」
神の使徒はダメだとしても、こいつらをあの人間達のサポートにつけるのは大丈夫か? いくら地下都市の機能を使って自力で生きていけるとはいえ、数が少なすぎるもんな。
それをサージェスに相談してみると、一瞬考えた後に「それならば問題ないと思う」と返ってきた。じゃあそうしよう。
「でもあれだな、悪魔とかいうワードが入ってると、拒絶反応起こすかもしれないから、種族名まるっきり変えちまうか」
デビル族とかいうと、なんかちょっと・・・デビルイヤーは地獄耳みたいなアレっぽいから却下だな。ギルは喜びそうだが。すると、デーモン族か・・・いっそ悪魔の名前の中から選んでみるか?
悪魔っていうとサタンだな・・・これじゃ安直すぎるな。サターン・・・じゃ某ゲーム機だ。英語だと悪魔ってバレるかもしれないから、別の言語の言い方とかならどうだ? 地球でのサタンの呼び名を色んな言語で表示させたりできるか?
すると、ずらっと色んな言語でのサタンの名前が表示された。できんのかよ!
「んー・・・あ、これいいかもしれん」
ふと目に止まったのは、アラブ語での名前。
「シャイターン族」
これならぱっと見も悪魔っぽくないし、分らんだろう。新しい種族を作ったといえば、嘘は言ってないし、何の問題もなさそうだ。
<封印された悪魔族を元にして、新しくシャイターン族を作成します、ステータス値が下げられたため、ポイントはかかりません>
スキルは一応生活に役立つものを中心にしておいた。魔法は元々のやつが多すぎたから、便利そうなのを残して削除した。これで、人類からも魔物からも脅威ではなくなるはずだ。
<封印された悪魔族はシャリオンから消滅しました。新しく作ったシャイターン族をどこに配置しますか?>
「これからの方針を詳しく話したいし、地下都市の地上部分に俺も行こう、そこに配置してくれ」
さて、青空説明会だ。




