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コーマ、フェンリルのウィードに会う

※コーマ視点です


 「フレンドリーな狼達って言ってなかったか・・・?」


 サファリパークの猛獣ゾーンに放り込まれたような、そんな感じだよなこれは。めっちゃこえーわ! いやそんな呑気な事考えてる状況じゃねえ、どうにか話が通じそうな奴はいないのか!?


 見回すと、どうやら狼達の代表っぽいのは今はいないっぽい。詰んだな! いや詰ませはしない! 神だしな!


 「俺はアイリーンの代行でシャリオンに派遣されてきた神だ! 怪しい者じゃない!」


 アイリーンという名前にピクリと反応を示す狼達、ごにょごにょと仲間内で話し合っている・・・多少警戒は緩まったかな?


 「ここの・・・ああそうだ、ウィードってやつと話がしたい。呼んできてくれないか?」


 「いきなり結界ぶち破って怪しい者じゃないとか、それはちょっとどうなんだ?」


 狼達の方からではない、空中からその声が響いた。若いが貫禄のあるその声に、この狼達の王であるウィードの声だろうと容易に想像がつく。フェンリルっていい声してんだな。


 「いやぁ、すまん! 本当にすまんかった! 短絡的にここに来たことは本当に申し訳なく思ってる。次からは連絡を入れてから来るようにするからどうか許しちゃくれないか?」


 「・・・まあどうせアイリーンが結界の事とか然程詳しく話してなかったんだろう、今回は多めに見ておく。次はちゃんと連絡寄越してからにしてくれ、毎回結界を張り直す羽目になるのは御免被る」


 「あ、ああ。結界の事は種族同士の諍い防止とかいう程度は聞いたかも・・・その程度だけど」


 そう言うと、ウィードはやっぱりか・・・みたいな感じで呆れたように溜息をついた。なんか仕草がいちいち人間臭いなこいつ。悪い奴ではなさそうだ、まあ、アイリーンが懐いてるくらいだからいい奴なんだろう。


 「で、いきなりここに来るということは、俺に用があるんだろ?」


 「話が早くて助かる、この星に封印されている悪魔族について何か知らないか?」


 「知っているが、アイツらがどうかしたのか? まさか封印が解かれたのか!?」


 「いや、紛らわしい言い方ですまんが、封印は解かれてはいない。人間を滅ぼしたのがそいつらみたいだから、ちょっとどういう奴らかを聞きたくてな」


 人間達が仮死状態で眠っていた事はウィードに知らされていたので、その辺の話は割愛することができた。その人間達が目覚めて、活動するにあたって、今も人類を滅ぼした種族がいるのかどうかという話になったのだと説明する。


 「なるほどな・・・悪魔族はな、俺達みたいに今現在も生きている魔物達から見ても共通の敵だったんだよ・・・あいつらに滅ぼされた種族は人だけじゃねえからな」


 「そうか、じゃあ話が通用するような種族じゃないんだな?」


 「通じねえなぁ、どうして魔物同士でまで殺し合うんだって聞いたことがあったんだが・・・楽しいから滅ぼすんだと。命が奪われる瞬間の絶望の表情や、恐怖に染まる心を見るのが心からキモチイイっつってたわ。ありゃただのやべーやつだ」


 「そ、それはかなりのやべーやつだな・・・」


 普通に封印解いたらダメなアレだ。あ、でも待てよ・・・権限行使で種族のステータスというか、性質そのものを弄ったりできねえかな? あーでもポイントいるんだっけか・・・。


 そう考えていると、悪魔族のステータスが目の前に現れ、総数、ステータスのどの部分を弄るとどれだけのポイントが消費される等の情報が記されている。


 「もしもさ・・・悪魔族のそのヤベー部分を取り除いたら、共存はできるか?」


 「まあ、他人に迷惑をかけない奴らなら何の問題もないな。封印されてから200年以上は経ってるとは思うが、未だ記憶に残っているくらいだから、ひっそりと生きていくってんなら文句はねえ。交流はしたく・・・ないな」


 「あー、まあそうだよな」


 悪魔族を元にして、種族そのものを作り替えるとしたら、どれだけのポイントが消費されるんだ?


 <封印された悪魔族を媒介にし、新悪魔族を構築する際、元になった悪魔族のステータスを上回るものであればポイントは加算されますが、ステータスを下回る場合はポイントはかかりません>


 ほう・・・じゃあ新しく作り替えた方がお得だな。お得と言えばアイリーンが好きな単語だな。俺も好きだ。お得っていいよな!


 「よし、ウィードの話だけで判断するものでもないかもしれないが、悪魔族を作り替える事にする」


 「お、おい、そんなことして大丈夫なのか?」


 訝しげにこちらを見てくるが、そこはまあ俺も神だし大丈夫だ、やさゴブややさオーク創り出した実績があるんだからな!


 「封印されたやつを元手にまったく別ものに変えるから、その辺は心配しなくていい。それに封印がいつ解けるかの心配が無くなるんだからいいだろ?」


 「それは・・・そうだな、アイリーンの代行に任せる」


 全ての話が終わってから、改めてウィードに挨拶をし、補佐であるサージェスの紹介もして、新しい種族を作るために一旦シャリオンの管理室へと戻った。


 「さて・・・やさ悪魔? を作るとしますかね」

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