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事情聴取

※コーマ視点です


 「それにしても、随分と魔法文明が進んでたんだな」


 「それなのに何故絶滅したのかといった顔だな」


 「良く分かったな、もっとやりようがあったんじゃなかったのかってな。今のシュウ見てるとありえんだろ」


 自分の知る中でのシュウは聡明で、家族思いで、そしてラプール思いだ。元々神様やってたっていう驕りなんてものは微塵も感じられない。まあ、自分でも前はどうしようもないやつだったって言ってたから、以前のシュウはきっと・・・色々荒んでたんだろな。


 「ああ、今はトリルでよろしくやってるんだったな。そうだ、シュウは以前は弱き者の存在を認めない男だった。弱き者達は蹂躙されても仕方ない、強き者の為に存在するのだと」


 「なるほどな、力が弱くても、社会を支えているのは一握りの強い奴じゃなくて大勢の弱い者達っていうのに気付いてなかったってところか。そんなものはどこの世界でも共通なんだと思ってたけど、ゲーム感覚じゃしょうがないか・・・」


 大した説明もなしにゲーム感覚でやってたらこうなるのも仕方ないっちゃ仕方ないのか? そもそもその説明を怠ったサージェスが悪い気がするが。俺らの担当がギルで良かったなぁ・・・なんだかんだギルは色々と世話焼きだし、相談も一応は真面目に聞いてくれるしな。


 「お前たちは、何故ゲームだと考えずにやっているんだ? 余計な説明はしないようにと上から言われていたはずだが」


 おっと? もしかしてギルは上の命令にあんまり従ってなかった系か?


 「最初はゲームに誘われて・・・って事だったんだがな、割と最初からゲームじゃないって言われた気がするなぁ。俺はゲーム感覚が強かったけど、アイリーンはゲームだとしても真面目だからな。最初の設定すら真面目だったぞ」


 「・・・なるほど、ギルの勝手が全ての原因というわけではないのだな、主の性格が一番の原因か」


 「優しいのは元々だから変えようがないし、お高くとまってる神様より庶民的な神様の方が親しみやすいからいいんじゃねえの、俺もお高くってガラじゃねえしな」


 プライドの高そうな神様を目の前にして言うと、ちょっと嫌味っぽいか? まあ、事実だからいいか。


 それにしても、この地下都市を使ってれば、滅亡なんてしなくて済んだんじゃないのか? ある程度の人数で立て籠ってればそれなりに生き延びれると思うんだけどな。


 ちょっと原住民に事情聴取してみるか。


 「え? 私達以外の人々の事ですか?」


 「ああ、眠る前の状況についてちょっと聞いておこうかと思ってな」


 「私達が選出されたのは、この大陸で魔物が暴れ回り、力のない者達が次々と倒れて行った頃です。死を免れた各種族の一番能力の高い者が選ばれ、来るべき時に備えて眠りにつくようにと・・・。私達は皆でこの都市に住めばいいと言ったのですが、その頃暴れていた魔物が人の生命を感知する能力を持っていると。結界を張って維持すればやり過ごせるはずだったのですが、もうその頃にはそれだけの力を持った者達は・・・」


 「なるほど、随分と厄介な魔物がいたんだな・・・」


 「はい、私の故郷もその魔物に襲われ、無くなりました」


 「悪いな、嫌な事思い出させて」


 「い、いえっ、私達も現実を受け入れねば、先に進むことはできませんから・・・」


 いつまでも悲しみに暮れている暇はないもんな、それにしても中々メンタルが強い。選ばれるだけの事はあるってことだな。全員がこの調子なら、暫くはやっていけそうだな。


 「その魔物の名前とか特徴とかは分かるか?」


 「名前は・・・分かりませんが、種族は悪魔族だったとだけ・・・」


 「悪魔族か・・・」


 種族で検索掛けてみるか? と思った途端に目の前に検索画面が登場した。これは迂闊に下らん事考えれんな。多分アイリーンも似たようなことを思ったはずだ。

 一応居るには居るが、どいつもこいつも封印状態って表示されてるな。これは一度フェンリルのあいつに聞いてみた方が良さそうか・・・。


 「よし、ちょっと狼の森へ行って、その悪魔の事を聞いてくる、お前達は生活基盤を整える事に注力してくれ、何かあったら・・・そうだな、これを」


 トランシーバーもどきを創り出し、俺と直接連絡が取れるように原住民に渡しておく。そういえば、いつまでも原住民じゃ気の毒だし名前も聞いておこう。


 「で、今更だけどお前の名前は?」


 「私はエルフの選出者、エメルと申します」


 「ん、分かった、エメル。これの使い方は・・・」


 トランシーバーだし難しい事はほぼないけど、一応な一応。試しに使ってみたら、直接俺の耳に届いてむずがゆかった・・・。ちょっと調整しとこ。


 「じゃあちょっと行ってくる、結界は張っておいたから安心してくれていい」


 「行ってらっしゃいませ、コーマ様」


 あ、なんかいいな。敬われるの結構きもちいいわ。さて、狼の森はどこかなーっと・・・。うん、マップ表示されて点滅してるわ・・・便利だな。


 早速狼の森へ移動すると・・・なんか殺気立った狼達にめっちゃ囲まれてるんだけど?

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