コーマ、現場へいく
※コーマ視点です
「さて、早速行ってみるか」
「場所は俺が分かるから案内しよう」
「一応頭の中にシャリオン全体の地理を入れとこう・・・おっけー、じゃあ案内よろしく」
神の体っていうのは便利な物で、インプットがすげえ楽なんだよな。地球時代では考えられない話だな、便利すぎて。自分の脳みそがパソコンになったみたいな? それよりもっと便利だけどさ。
サージェスの案内で、早速例の地下都市に向かう。中々ロマン溢れる設定だよな。魔法使い質の叡智を詰め込んだ地下に広がる都市。
その奥底に眠る、魔物以外の種族の番たち。設定盛り過ぎてやばい、俺の大好物すぎて、アイリーンが勧めてくるのも分かる。いやアイツは俺の事理解しすぎだろ、お母さんか。
「ここだな、主の結界の反応がある」
「へえ、そんなのも分かるのか。さすが元々の神」
「フン、褒めても何も出ないぞ。そもそもこれくらいは分かるようになっているはずだが、分らないのか?」
「あんまり意識して人の力とか見てないからな。そういう繊細なのは俺のポジションじゃねえんだよ」
「ふむ・・・では神の力を行使することに慣れてもらうために、この結界を解除してもらおうか」
「えー・・・やってくれるんじゃねえのか」
「俺はあくまでも補佐だ。主な仕事はお前がせねばなるまい」
「一応俺上司なんだよな? お前呼びはどうなんだよ?」
偉そうな物言いは相変わらずだが、以前に比べたらとげが無くなった・・・のか? 良く分からないが、一応性格は丸くはなったようだ。
しかし、結界の解き方なんてわかんねーぞ。
「では、コーマと呼ぼう。それでいいか?」
「呼び捨てかよ、まあ・・・畏まられても困るっちゃ困るからそれでいいや。とりあえず、結界の解き方なんて知らねえから教えてくれよ」
「・・・いいだろう、まず、この結界を視る事はできるな?」
そう言われても、何もないようにも見えるけど・・・良く見るとうっすらと膜が張ってるようにも見える。シュミカの結界はずっと見てたからなんとなくわかったけど、意識してなかったらこれは見えんな。
「一応見えるが、これなんか二重になってないか?」
「そうだ、元々の結界の上に、我が主が結界を重ねたのだ。自分が居ない間に結界が解かれてしまうことのないようにな」
「なるほど、アイリーンらしいっちゃらしいな。性格が良く出てるわ」
慎重な性格してるからな。結界も元々張ってあった奴より、滅茶苦茶丁寧に張ってあるように見える。
「我々神の力を行使する者は、そもそも普通の人間の魔法のように呪文を必要としない。故に、解除するイメージを持てば、自然とそのように力が働くのだ」
「なるほど、イメージねえ・・・」
結界を解除するイメージって良く分からんが、この薄い膜がはじけて無くなるようなエフェクト的なイメージをすると、いきなり目の前の結界が消失した。
「できるではないか、これで両方の結界が解除されたことになる」
「ほう・・・こんなもんでよかったのか・・・難しく考えすぎてたな」
そもそもアイリーンも誰かに習って、ってこともしてないはずだ。天然のイメージすげえ。
扉を開けると、そこにはアイリーン達から聞いた情報通り、番が横たわっていた。流石にコールドスリープの機械の中に眠っているってことはなかった。SF的な世界じゃないしな、普通に棺だ。
結界が無くなった事により、この眠っている奴らの意識も戻ってくるはずなんだが・・・まだ起きてはこない。だが、生命の反応自体は感じる。
「起こすか?」
「いや、何百年も寝てたのにいきなりたたき起こすのも気の毒じゃねえ?」
「ふむ、そういうものか。では待とう」
自然に起きるのを待つ間に、種族の把握をしておこう。エルフやドワーフはトリルに居るやつらと大体同じだけど、この眠っているエルフは普通のエルフじゃなかった。ドワーフも普通のではなかった・・・。あれか、少しでも種族の中で強い者を選定したのか、生き残るために。
エルフはハイエルフ、ドワーフはエルダードワーフとステータスには表示されていた。ここのエルフとドワーフは仲悪いんだろか?
人間は普通・・・よりもちょっと強めか? ここの人間の基準は知らないから強め弱めはわからんが、とりあえず男はパワー系で女がマジック系っていうのはステータスを見ると分かる。なるほど、戦士と魔法使いの番ってところか。子供が生まれたら魔法剣士とかになっちゃう系か?
妖精族は、ここでは人扱いなんだな、精霊の一種かと思ってたわ。ちっちぇえな。
獣人の種類はあんまないんだな、熊と狼と・・・何故かリス。猫はいないのか・・・。まあいい、リスも可愛い。
流石に全種類ってわけにもいかなかったのかもしれないな。滅亡の危機に瀕した状態からやった事だろうし、悠長に集めている時間もなかったのかもしれない。
ま、事情は起きてから詳しく聞きゃいいな。
全員のステータスを見終わると、ちょうど人間が目を覚ましそうな気配がした。
「う・・・」
さて、どうなるかな?




