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復活祭初日

 ついにやってきましたお祭り初日!わくわく交換ボックスの準備もバッチリだし、こちらとしては正座で待つべきなのかしら? と、ずっとソワソワしてる。


 初日でしかも一つ目の町では、神殿にも朝早くから沢山の人が準備に訪れて慌ただしくしている。次々に運び込まれてくるスイーツ達を見ながら、地球でも馴染みのあるものだったり、見た事もないようなものだったりするので、お腹が空いたりしないこの天界でもお腹が空いてくるような感覚に襲われる。


 「はぁー、美味しそう・・・」


 うっとりしながら、お菓子の行列を眺めていると、パティシエールの代表の人もやってきた。いよいよお祭りの開始だね! あ、シュウもいるわね。


 女神像の前は沢山のお菓子で埋め尽くされる勢いだ。どうしよう、こんなに貰っても食べ切れるんだろうか・・・。ここは一種類ずつ貰っておいて後は皆で食べるように言おうかしら? 一つずつ貰ったとしても結構な量があるようにも見えるし、あ、でも待てよ、シエルと一緒に食べたいし二人前くらいにしておこう。


 食いしん坊な事を考えていると、神殿の中は満員御礼で、皆ざわざわしつつ目をキラキラさせている。初めてのお祭りだもんね・・・そりゃわくわくもしますわ。


 『女神の無事の帰還を祝し、ここに復活祭の開始を宣言する!』


 パティシエールの代表が宣言を行うと、その場にいた人々から歓声が沸き起こった。これだけの人数が一斉にわぁぁって言うと凄い音量だねえ。


 熱気に包まれた神殿の広間に、再び静寂が訪れる頃、再び代表が口を開く。


 『我がパティシエールの町で作られた菓子を、女神に捧げます』


 そう言うと、代表は女神像に向かって祈りだした。それに倣って祭り会場に居た人々も跪き、祈りを捧げだした。


 「よし、タイミング的には今だね!」


 実は予行練習はちゃんとやったのだ、シュウの協力でだけど。さっと大きなお皿を二つ用意して、1種類2つずつ天界へと移動させる。予想よりも多くの種類のお菓子が用意されていたので、結構集中しないと失敗しそうで怖いわ。


 下界ではお菓子が二つずつ消えているのを、お祈りから頭を上げた人たち何人かが気付くと、女神が見ているという実感が湧いたのか、また歓声が沸き起こった。


 「パティシエールの住民の皆様、私の為にこのような素晴らしい品々を準備して下さりありがとうございます。これは心ばかりのお礼の品です、これから皆の生活の役に立てて下さいね」


 そう言い終え、わくわく交換ボックスを基本魔法セットの石碑の隣に配置すると、その場にいた人々は驚きのあまり声も出ないようで、全員が目を丸くさせて口をぽかーんと開けている。

 演出が過ぎたかしら・・・? 毎度おなじみ光の柱がすーっと降りてきて、交換ボックスが光と共に設置される、そして光が収まるというパターンである。こういう演出とかはベタなやつしか思いつかない想像力のなさが憎い・・・!


 ギルは「ベタな方がいいんだよこういうのは」って軽く言ってたけど、そういうもんなのかしら?


 代表の人が交換ボックスに書かれている取説を読んで、自分の指を押し当てて早速使用者登録をしていた。シュウが前もって、こういう物を欲しいと女神に皆で祈ろうって言ってくれたおかげで、なんだこれは! だの言われずに済んだ。ラプールでは祈りが女神に届くことが結構あるっていうのが割と知られていて、シュウの言う事にも皆はすんなり頷いたっていうわけよ。


 何はともあれ、私の役目は無事に終わった。シュウに貰ったスケジュールを確認して、その時間までに・・・この、お菓子を・・・! 食べる!!!


 あー、色々な種類あるけど、どれから食べようかなぁ~~~~~! と、色とりどりのお菓子を前に悩んでいると、シエルがお茶を入れてきてくれていた。流石シエルさんですわ、執事か。いやメイドか。


 ここでは食べ物も賞味期限とかないけど、痛みの早そうなものを選んでおこう。ケーキぽいものからね。ケーキですら既に何種類かあるんだけど・・・。とりあえずオーソドックスな苺ショートから食べよ~。

 久しぶりのスイーツを前に、私はかなりテンションがおかしくなっていると思う。自覚はあるんだけど、こればっかりは抑えられないわよね。


 「シエルの分もとってあるからね、一緒に食べましょ?」


 「はい、ありがとうございます母様」


 実はこのお祭りのために部屋の模様替えをした。貢物を置くためのスペースが、前の状態だとちょっとどころか多分全然足りないからだ。まあ一応前の状態も記憶してあるのでいつでも戻せるのだけども。


 ふんわり生クリームにふわふわスポンジ、瑞々しい苺・・・ああ、懐かしの味・・・! 天界では望めば出せるんだけど、やはり人の手で作られたものは格別な気がする。優しい味がするよぉ。


 「ん~~~~~おいしっ」


 「これは中々に素晴らしいですね・・・」


 シエルも感心したようにぽつりと呟く。口の中でなくなっていくケーキが名残惜しい。なんで食べたらなくなっちゃうんだろう? とかIQ低くなりつつケーキをたいらげる。


 「あ、母様あと一つくらいは食べれそうですがどうします?」


 時間があまりないようだが、当然食べるわよ!

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