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ポイント交換

 サージェスが地球のサブカルにどっぷりハマっているという事をシュウに告げると、シュウは驚きの表情を浮かべた後、俯いて肩を震わせていた。

 やっぱりショックよね・・・自分の元上司が・・・。


 だが、良く見ると・・・物凄く笑いを堪えている。


 「あ、あの・・・シュウ?」


 「ちょ・・・ちょっと待って・・・ぐふっ」


 あ、堪えきれずに吹いた。何やらシュウのツボに入ったらしい。確かにあのサージェスがアニヲタ化するとかシュールでしかないんだけどね。


 シュウは暫く声を押し殺して床をバンバン叩いたりして笑い転げていた。そこまでするなら大声で笑ってもいいと思うんだけど?

 顔を上げると、笑いを押し殺し過ぎて顔が真っ赤になって、ついでに涙目になっていたシュウを見て、自分がいらない心配をしていたことが良く分かった。


 「もう落ち着いた?」


 「う、うん・・・ごめんごめん。あまりにもシュールな報告すぎて俺の笑いツボがマッハでヤバかった」


 「祭りの準備で忙しいのにごめんねえ、腹筋ちゃん」


 「普段から鍛えてるから心配いらないよ、久しぶりに涙出るほど笑ったわ」


 祭りの準備の進捗と、最終打ち合わせが今日の目的だから、しょっぱなから脱線しているのが少し申し訳なく感じつつも、これだけ笑ってくれたらサージェスの状況報告をしておいてよかったなぁって思ったり。


 「それで、祭りの準備はどう? 上手く行ってる?」


 「ああ、もうほとんどやる事はやったって感じで、後は各町で準備だな」


 「そっか、特に問題なさそうで良かったわ」


 「あー、それよりも道路の事なんだけど」


 「ああ、転移門への?」


 「そう、その事なんだけど、大陸の端っこまで行こうと思うと結構時間かかるだろ?」


 「そうね、近いとこならまだしも・・・だね」


 「そこで、鉄道は敷けないかと考えてるんだけど、どう思う?」


 確かに鉄道なら人数もそれなりに乗せれるし、スピード的な問題も解決する。問題は・・・資源かな?


 「敷くのには反対しないけど、燃料には何を考えてるの?」


 「ほんとはさ、地球をなぞって蒸気機関でも作ろうかと思ったんだけど・・・ラプールって石炭とかないよな?」


 「そうなのよね・・・資源っていう資源がそこまで豊富でもないのよね」


 「そこで、空の魔石がその辺でも採れるようにとかできないかなと」


 「あー、そっか、乗る人達にちょっとずつ融通してもらう?」


 「うん、ラプールはまだ通貨がないし、乗車料金代わりに魔力を支払って貰おうかなと」


 「空の魔石かぁ・・・そうねえ・・・」


 「あの、母様少しよろしいでしょうか?」


 黙って後ろに控えていたシエルが、挙手と共に前へと出てくる。


 「どうしたの? 何か妙案でも?」


 「ええと、空の魔石を採れるようにするよりも、神殿でお祈りをするときに魔力を少しだけ融通してもらって、ポイントをためると魔石が貰えるという風にしては如何かと」


 「なるほど、ある程度貯めると魔石と交換できるわけね」


 「はい、交換できるのはその時の町の代表のみという風に登録しておけばいいと思います。登録変更手続きも出来るようにすれば、引き継ぎもできますし」


 「じゃあ初期魔法セットの石碑のとなりにポイント台でも設置しましょうか」


 「なんか・・・ファンタジーなのに主婦っぽいのが出てきたな」


 「暫定的な呼び方というか、分かりやすい名前の方が理解しやすいでしょ」


 「そうだけどな、でもまあ、それなら魔石が一定数入りやすくなるし、どの町でも手に入れる事ができるから、その方向で設置お願いしていいか? 鉄道のレールを敷くだけの鉄はまあ、錬金術で手に入れる事が出来ると思うし」


 「おぉ、錬金術もそこまで進んできたのね、流石シュウだわ」


 「鉱山とかもそこまで豊富じゃないからな、この錬金術が広まれば、鉱物資源も一定数安定的に手に入るしな」


 「じゃあ鉄道のレールや本体はシュウにお任せするわね、私の方は祭りで各地を巡るついでにポイント台を設置するでいいかしら?」


 「石碑に取説書いておいてくれると有難い」


 「なるべく分かりやすいように書いておくね、識字率は多分問題ないと思うから」


 「赤ん坊以外は皆文字が読めるから問題ないぞ、変な言い回しさえされなければ」


 「あー、私もあんまり堅苦しい言い回しは得意じゃないからその辺は心配しないで」


 祭りの準備の事よりも、鉄道事業の方に力が入ってしまったわね、まあいつもの事か~。


 「あー、そうだ、ポイント台で交換できるものは魔石だけでいいの?」


 「んー・・・可能だったらでいいんだけど、各町で希望を出して、可能なら叶えてあげるって事はできそうか?」


 「ああ、その土地で悩みごとの種類って違うものね、分かった、リクエストを書いた紙を入れてもらうように空洞にしとくわ、石碑」


 「さんきゅー!」


 こうして、メインは魔力を貯めてゲットできる魔石が手に入って、リクエストの物次第では手に入れる事ができるポイント台の設置が決まったのだった。


 あとでギルにポイントの目安なんかも聞いておこう。あ、ポイントじゃないや、魔力か。

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