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シャリオン

 復活祭まであと数日といったある日、アイリーンとシエルの二人で考えた魔物の星の名前がやっと決まった。あーでもないこーでもないと、色んな候補を出しては引っ込め、いよいよそれが決まった。


 狼に関連する名前だと、他にも魔物がいるし・・・。それ以外だと中々浮かばないといった所である。名付けはフィーリングが大事! とシュミカも言っていたので、声に出してみてこれだ! と思ったものにしたのだ。


 「や、やっと決まったわ・・・」


 「おー、最近ずっと悩んでたもんな、二人で」


 「それはそうと、ギルはいいの? ここにいて」


 「時には休憩も必要なのだよ・・・肉体的には疲れ知らずだけど精神的には疲れるんだよ」


 「お、おう」


 「それで、何になったの?」


 「「シャリオン」」


 特に意味があって付けた名前ではなかったのだが、色んな候補を書き並べて声に出していった時に、この名前が何故か気になったのだ。それで、二人で一斉にこれと思う物を声に出すという方法で、見事にシンクロしたので決定したといういきさつがあった。


 「へえ、いいんじゃないか? なんか知らんけどしっくりくる」


 「うん、妙にフィット感があるね」


 「そうなのよね、何故かこれって感じがしたからシュミカには感謝だね」


 「シュミカが何かしたのか?」


 「ううん、意味とか由来とか色々込めると難しく考え過ぎちゃうから、ずらーーーっと上げといてビビッと来たものを選ぶといいよって助言いただいちゃって」


 「あー、シュミカらしいっちゃらしいな」


 シュミカはサージェスがアイリーンの使徒になるということで、お役御免になるところなのだが、農業楽しすぎるので、結界はもう張ってないが世界樹の元にとどまっているのだ。

 神としての力は農業方面だけなので、帰りたい時は天界の誰かしらを呼ぶしかないのである。だからここにはいないのだ。


 「決まったから、シュウにも教えてあげないとねー」


 「それはいいとして、サージェスはどうしてるんだ? あいつも休憩か?」


 「う・・・うんまあ、休憩・・・かな?」


 「なんかその意味深な言い回しは怖いんだけど・・・、虐待とかしてないよね?」


 「流石にそこまではしないよ! 一応ギル様の半分は優しさで出来てる設定なんだから!」


 「残りの半分はなんなんでしょうねぇ」


 「頭痛に効く感じじゃね」


 「それもう100%バ〇ァリンじゃない!?」


 そんな楽し気? なやり取りをしている一方、使徒の教育部屋では・・・サージェスが頭から湯気を上げる勢いで机に突っ伏して燃え尽きていた。

 知識は問題なく頭に入ったのだが、倫理というか常識というか。アイリーン達の価値観がどうしても理解できなかったため、様々な物語やら地球から輸入したN〇Kの教育番組を片っ端から見せているのだ。

 最初こそ何だこれは、なぜそうなるとブツブツ言っていたサージェスであったが、理解できない事が多すぎて脳が拒否反応を示し始め、果てには・・・現在のように机に突っ伏して限界を迎えていた。


 それを掻い摘んでアイリーン達に説明すると


 「それはサージェスじゃなくても辟易するというか・・・なんというか」


 「洗脳じゃね?」


 という反応が返ってきたのだった。


 「いやだって、ほら、俺が自分で説明するより、頭に入りやすいかと思って」


 「そういや最近ギルはいい子ぶるのやめたよな、前は僕とか言ってたのに」


 「えっ・・・」


 「気付いてなかった? 最近結構素が出てきてる感じよ?」


 「あー・・・ま、まあ・・・そうだね」


 「サージェスにもギルにもいいんじゃない、今回の事は。本音もずっとしまっておくと精神衛生上良くないと思うし」


 「そうだな、サージェスは性格に難ありだから、改善するいい切欠になるんじゃないか?」


 「そうあって欲しいね・・・これで改善されでもしたら、マジで教育番組に感謝するしかない」


 「間違ってもラノベとかにハマらせるなよ? なんかおかしな人格芽生えそう」


 「は、はは・・・気を付けるよ」


 実は、あまりにも教育番組ばかりではと思い、地球ではやっている小説なども読ませているとは言えなかった。本人が、こんな事ありえるかっ! だの こんな感情が何故ここで芽生えるのだ! とか文句ばかり言っているので大丈夫だと思ってはいたが、ちょっと宜しくないかもしれないと思い直したギルであった。


 「ラプールのほうの転移門への道とかはどうなってるんだ?」


 ロクストではネルとシエルが力を合わせて別方向への道路を敷いている最中だ。ラプールでは、道路工事をしてくれる人を募ったのだが、応募が殺到しているので、それの対応が大変だとシュウがボヤいていたと話す。


 「じゃあもうちょっと先になりそうな感じだな、こっちは割と順調っぽいけど」


 「シュミカの方は、世界樹の麓に転移門が設置されて、道が無くてもそこに行けるみたいにしたみたいね。流石精霊とエルフの土地は違うわ」


 「まあ、あの大陸が一番チートな気がするな」


 「うちは普通に人間が頑張ってくれてるから、そっちはボチボチ見守るしかないわねぇ」


 ロクストでの工事が終われば、シエルも自由に動けるようになるので、ラプールでの工事でも指揮を執ってくれるとありがたいのだが。

 いや、その前にサージェスの教育を終わらせなければ。

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