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お祭りの日程が決まったらしい

 「えっ、1か月間もお祭りやるの!?」


 「それがさ、各町でそれぞれの特産品とかを捧げたいという希望があってな・・・」


 復活祭の準備の合間を縫って、シュウが中間報告というか、経過報告をしてくれているのだが・・・ラプール大陸初めてのお祭りという事で、全員の気合が入りまくった結果、1か月間祭りをする事になったらしい。


 「女神像の前に捧げものするから、受け取って欲しいんだと」


 「ええと、それは降臨した方がいいのかしら・・・?」


 「それは騒ぎになり過ぎるからちょっと・・・」


 「だよね、じゃあシエルに代理で受け取って貰う?」


 「直接貢物だけ受け取れないのか?」


 「やろうと思えば・・・できるはず」


 「じゃあ、タイムテーブル作っとくからさ、その日その時間に女神像光らせて貢物受け取る感じでよろしく?」


 「う、うん。わかった」


 ラプールの住民達は、女神が自分達をちゃんと見てくれていると信じているため、特産品を受け取ってくれると思っているらしいのだ。神と人との距離が結構近いのは神話では良くある話だ、多分。

 一斉に受け取る事になると、女神様も忙しいだろうからという配慮までされている。だから一か月の期間らしいのだ。


 「順番を決めるのに、ケンカになったりしないかしら?」


 「その辺は大丈夫、くじ引きかじゃんけんで決めるよ」


 「そうね、その辺が平和でいいわね」


 「あー、そうそういない間にさ、カレンダー作ったから日程は心配しなくていいよ。て言っても、地球と同じ周期で月曜から日曜って感じだけど」


 「わあ! ありがとー! 今丁度そういえば・・・って思ってたところなのよ」


 「そりゃ良かった。まあ、暦がないと俺も不便だし丁度よかったよ」


 「ところで・・・まさか毎年やらないわよね?」


 「流石に毎年はちょっとな・・・でもオリンピック的に4年に一度とかならどう?」


 「あー、オリンピック的なお祭りならいいと思う! たまにはそういうのないとね」


 「じゃあ4年に一度くらいで提案しとくわ」


 「ありがとね、お世話になります」


 「どういたしまして、この程度ならどうってことねえよっ。んで、今から準備があるから2週間後から順次開始って事でよろしくー」


 「2週間後ね、分かった。うっかりしないようにタイマーセットしとこ」


 「便利だな、キッチンタイマーとか作ってみるか・・・」


 「いいわね、主婦の味方よね~」


 「母さんたちが助かれば、俺も嬉しいからな」


 「親孝行ね~、感心感心」


 このままいくと、シュウも神様になっちゃうんじゃないかと、一瞬そんな事が脳裏を過ったアイリーンだったが、そもそも元々神だぞシュウは。人間ー神ー人間というおかしな経歴ではあるが。


 挨拶も程々に、祭りの概要が決まったのを素直にアイリーンは喜んだのだった。


 シュウとの邂逅が終わり、シエルと白い部屋で祭りについての話などをしていると、コーマがロクストから帰ってきた。


 「おーい、ギルいるか?」


 「ギルなら今はシュミカのとこで講師してるわよ」


 「講師? なんでまたそんな」


 「交流が始まるから、他の大陸にどんな種族がいるかをエルフさん達に教えてるんだって」


 「なるほど、交流が始まるまでに俺んとこでも一応説明会やらないといけないな」


 「んー、ネルちゃんが既にやってそう」


 「確かに・・・ってそうだ、シエルちょっとネルが道路工事の事で手を貸してほしいってよ」


 「道路工事ですか・・・母様、宜しいですか?」


 「いいわよ、ネルちゃんの頼みなら断るっていう選択肢は無いわ」


 「ですね、ではコーマ様、ネルさんに承知したことをお伝え願えますか?」


 「OKOK! あとはギルに相談があったんだけど、その事に関してもシエルもちょっと関わる」


 神殿の事を言いかけた時、丁度ギルが白い部屋に帰ってきた。なんだかお疲れの模様。


 「お疲れ様ギル、ってほんとに疲れてるわね・・・神なのに」


 「肉体的にはピンピンしてるけどね~・・・あいつら結構遠慮なく質問してくるもんだから」


 「あはは・・・ほんとお疲れ様」


 「疲れついでに相談があるんだが」


 「ん、まあ大丈夫だから相談どうぞ」


 ネルの提案の内容をギルに伝えると、普通にOKという返事が返ってきた。女神像についてもシエルの作ったものを設置するでOKと。いきなり神殿がドーンと出来上がると、おかしな感じになりそうなので、中央広場に女神像を設置、ついでに石碑にはロクスト風の基本魔法セットを仕込むことになった事も伝えると、それも快くOKと。


 「とんとん拍子で話が進んでいくわねえ」


 「そりゃネルが優秀だからだな、俺はメッセンジャーの神になる」


 「アンタ怠け者の神って言われたの結構ショック受けてたもんね・・・」


 「憐みの視線を向けるんじゃねえっ!」


 「母様の像を設置しましたら、その日に夢神託を行うとかはどうでしょうか? ご挨拶をするには一括でやった方が宜しいかと」


 「あーそうか、神託っていう手が」


 「いいんじゃない? 一番効率がいいと思う」


 「神託ってもっと仰々しいものでは・・・って割と神託飛ばしまくってたわ、ごめんごめん」


 ロクストでの方針もすんなり決まってしまうのだった。

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