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食を豊かにしよう

アイリーンが使徒の事で頭を悩ませている間にも時間は流れていく。

コーマも適性を持った魂が存在しておらず、どうすれば使徒の適性を得られるかと悩んでいる。


二人がトリルの前に居るため、時間の流れは少しだけ早い。


「困ったことの解決よりも、私が広めたい事でもいいわけよね・・・」


少しだけ考える方向を変えてみる。

現在アイリーンの大陸では主食が芋だ。一部では麦が栽培されているようだが

食べ方のバリエーションは少ないし、あまり美味しそうにも見えない。

人族はそれなりに人口が増えやすく、農業も普通にこなすのでコーマの大陸ほど食糧事情に困っているわけではない。

だが、色んな野菜を育てようとも、香辛料が存在してようとも、人々の生活が質素すぎて

食の追求にまでは至っていない。

腹が膨れれば十分、みたいな考えの人が多いようだ。


各ご家庭で食事をとる、という風習になっているようで、食堂なんかも普及していないみたいだった。

貨幣制度も未だ存在しておらず、基本物々交換の助け合いである。

基本的に平和なド田舎が大陸全土に広がっているといった感じだ。



「私的には食事を豊かにしたいのよね・・・」


食の豊かな社会で育ったアイリーンには、芋を茹でるだけ、塩をかけるだけ、野菜は基本的にサラダか茹でるだけみたいな原始的な生活をしている人々を見て、不憫に思ってしまうのだ。

塩をふりかけたふかしたジャガイモおいしいけども。美味しいけども・・・!サラダも美味しいけど!

如何せんバリエーションが少ない、少なすぎる。肉とか焼くだけだし・・・。

よくある話でいくと、オーク肉のトンカツだとかハンバーグだとか転生や転移した人が作って爆発的人気が発生して広まるとかそういうのも嫌いではないけど、普通のご家庭で食べられる美味しい食事が広まってほしいのだ。



でも、まだちょっと文化度的に足りてない。


例えば茹でた芋のその後は塩を振ってムシャー、である。ポテサラとかない、そもそもマヨネーズがない。

芋を潰して加工するマッシャーもないのだ、あの穴が開いてるやつね。

鶏は居て、卵も食べるみたいだけど、基本的に茹で卵オンリー。茹でるの好きだなおい。

食肉の文化はあるみたいだけど血抜きが徹底されているわけでもなく、あまり美味しくなさそう・・・。


色々考えながら足りていないもの、それについて自分がやる事を思いつく限り乱雑にメモに書きだしていく。


食材を加工するための道具

 ・道具を作る事の得意な者をピックアップしておく

<作ってほしい道具>

 ・フライパン(金属製品)・フライ返し(お好み焼きのヘラみたいなやつでOK)

 ・泡立て器(鉄でなくとも可)

 ・マッシャー(なるべく硬い素材ならOK)

 ・石臼(小麦粉用)

調理器具は今の文化度だとこのくらいだろうか、あっ、鍋は基本土鍋だから金属製の鍋も欲しいな。

これだけあれば多少は料理のバリエーションが広がるだろう、イメージをピックアップした人達に

配っておこう。

石臼担当の人は小麦を栽培している者たちの中から選んでおこう。

幸い、鉄製品は存在しているようだったので調理器具の為にも鉄関係の仕事に就いている人には頑張ってもらわねば。


加工される植物、野菜、穀物など現時点で足りてないものを今あるポイントで購入し、配置する

・麦の種類を増やす(ライ麦や大麦もち麦など)

・根菜類が少なめなので増やしておく

・植物に興味のある者をピックアップしておいて配置場所を神託で知らせる

・集落同士で交易という事を鑑み、配置はあえて偏りを作る


ちょっとメモを始めただけでやる事の多い事多い事。


えーと、順番としては・・・まずは香辛料や新しい野菜とあと米も欲しいから食物関係を配置するのからかな。

あっ、そうだお砂糖!サトウキビ植えとこう!



食物関係の配置を終え、植物に興味のある者を各地で検索し、その者たちにイメージを届けた。

これでしばらくすると、新しく栽培される植物が増えるだろう。たぶん。


あとは鉄か・・・これ案外難しいよね


鉄製品を作っている集落を見てみると、すごくむさ苦しい光景しか見えなかったので

あまり手を付けずにいたのだ。

作っている人に作るものをイメージとして渡せばそれを作るための鉄を、鉄を依頼されれば採掘量が自ずと増える、増やすためには人が必要なので募集する

みたいに芋づる式にならないかと考え、ダメ元で思いつく限りの鉄製品のイメージをばら撒いておいた。


あとはもうちょっとだけ時間の経過を見守る事にしよう。


今日の作業はこれまでかな、と一旦トリルの前から離れてベッドへとダイブする。

今日だけで色々あり過ぎたから体の疲れは感じないが(神なので)精神的に何だか疲れてしまった。

必要ではないが取る事の出来る睡眠をとって、考え過ぎた頭を休める事にしたアイリーンであった。


********************************************************************


「生まれる子にも適性が全然ねえ・・・っ!」


コーマは未だ現れない適正を持った人間を探し続けていた。

がんばれ・・・。

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