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使徒について考えよう

使徒に関しては、色々考えないといけないことも多いので

一旦各々の部屋に引き上げた。

シュミカは途中から寝てたので起こしてあげると、目を擦りながら部屋に帰っていった、きっと二度寝する。


人の人生を取り上げて、再び与えるか・・・ほんと神様になったみたい、なったんだった。


倫理とか日本基準で考えたりしたら多分ダメなんだろうけど、ここは私達の星で

私の作る大陸だ。きっと問題はない、私の気持ちの問題でしかない。

自分に無理やり言い聞かせるみたいにして、住人一覧を見ていく。


使徒の適性を持つ人間を一応人数の多そうな大きな町から検索していくが


一応いなくもないっていう程度で適性1ばかりだった。

大きな町でもそんな感じだったので、なかなかそういう人間は生まれにくいのかもしれないなと考えながら

いくつもの町を検索しては、ほかの町へと視線を移していく。


「そりゃそう簡単に見つかるわけないか・・・」


流石に1の人間を使徒にするのは躊躇われる、時間を程よく進めつつ

入れ物を作るのか、転生させるのか、そのまま連れてくるのかを決めておこうと

一応目の前の作業は目で追いつつ思考を走らせる。


入れ物を作り、使徒となる魂を入れるというのは一番自分の思うように動いてくれる使徒になるだろうけど

なんだかそれも傲慢な感じがして気が進まない。

そのままっていうのは一番自分の中ではありえなかった、自分に置き換えてみたら一番辛そうだと

感じたからだ。

だとすれば、転生させてふんわり運用が一番自分的には合ってるんじゃないかと思うのだ。


「そうすると・・・問題はどういった祝福(ギフト)を与えるかよね・・・」


手順としては

一旦魂を召し上げる(方法は色々)→こちらの世界で(多分白い部屋になる)面接→事情を話す

→転生させる(転生先はこちらで選択)

こうなるわけだが、まずはこちら側の使徒を遣わせる目的に沿った祝福(ギフト)でないと意味がないので、使徒になってくれそうな子にしっかり説明しなければならない。

自分達の都合で召し上げるわけだからそれ相応のきちんとした対応をとるのは当然だろうから

なるべく本人の意思も尊重しないと・・・

考え始めると問題がてんこ盛りすぎてどこから考えればいいのか分からなくなってきた。


そもそも、今は何を解決したいか


「そもそもの目的を先に考えないといけないわよね・・・」


時間を100年ほど進めたことによってある程度の発展は遂げた。

それによって浮上してくる問題もいくつかはある、あるのだが・・・使徒が必要かと言われると

今までの手順通りでも現時点では問題がないのだ。

解決の土台を提供し、誘導するでOKな感じである。


「めぼしい人が出るのと使徒が必要そうな問題が出るのとどっちが早いかしらね・・・」


溜息を零しつつ、人差し指で軽くトリルをつついてまた作業に戻るアイリーンであった。


────────────────────────────────────


悩めるアイリーンの脳内がグツグツ煮込まれている頃

コーマはさっそく造形を頭の中でモデリングし始めていた。

絶対的条件として猫耳、尻尾は付くだろ?そんで出来ればメイド服着てほしいし

にゃんは付けなくていいから敬語とちょっと厳しめの性格で・・・

と、早くも造形から脱線しつつあった。


コーマの大陸は100年程の時間経過を経て、食糧危機や人類滅亡の危機が解消されつつあった。

ドワーフの住民の一部が畑を作り、自分達の作った道具を使って開墾を進めて行き

そこへ流浪の民である猫獣人が各地から得てきた様々なものを持ってきて交換する。

好循環が生まれ始め、徐々に人口が増え始めていた。


ドワーフの国はモノづくり、採掘、農業とそれぞれに分かれ、集落を築き

いつの間にかドワーフと言えばこれ!という酒を造る事に成功していた。

食糧大事すぎるな、と今更の認識をせざるをえない。ギルには感謝しかない。


現在のお困りごとはというと、やはり食糧関係に尽きる。

種族ごとの生息地域が離れすぎていて、食糧がドワーフだけでは行き届かない場所が結構あるのだ。

にゃんこ達だけではカバーしきれないというのもあるが、やはり自力で効率よく食糧を得る事を目指してほしい。

使徒にやってほしい事は

農業の技術を他の種族の集落に伝え、自給自足をもっと促す。

というものだ。

まずはそこからだろう、とコーマは考えた。

余裕ができれば種族の間でも交流することが出来てくるかもしれない、その時はまた使徒にひと頑張りしてもらうとして


「いねえ」


適性のある者を検索するが、悲しいことに1ですらいない。


コーマの大陸にすむ住民は性格にクセのある者が多いというか

クセの強いのしかいないというか。

ドワーフは気が短いものが多く、交渉事には向かないし、自分の気が向かなければ依頼を受けてくれない。

農業系ドワーフも採掘系ドワーフも基本ドワーフなので似たようなものだった。

ドラゴンは基本寝てるしか弱き存在である人などの為に働こうという気がないので対象外。

ドラゴニュートもそんなドラゴンを崇めているのでコーマの言うことを聞いてくれそうにないので適正なし。

リザードマンも基本的には自分達の縄張りの外には出ない引き籠り種族だ。

残すは猫獣人だが、基本猫なので。



猫なので。



「詰んでね?」


これは本格的にギルに相談する案件かもしれない、と項垂れながら考えるコーマであった。

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