地下空間に入ってみる
※シエル視点です
地面の薄い部分に穴をあけ、地下部分に入ってみました。かなりの年月が経っているので、地下の物も全て朽ちていると思われましたが、無事な場所がありました。
倉庫・・・? でしょうか。複数のガラスの反応もここだったようです。ビンがありますね。この部屋は状態保存の魔法でもかかっているのでしょうか?
何かここを示すヒントのようなものがあればいいのですが・・・。
とりあえず、この瓶の中身を鑑定してみましょう。
<液体の入った瓶>
ポーション:標準品質
傷を治す液体。傷を負った箇所に掛けると簡単な傷なら治すことが出来る。飲用不可。
薬草を煮出したようなものですかね? そういえばシュウがポーションを発明していましたが、ここでの知識を応用したものみたいですね。
色の違うのは、用途が別という感じでしょうか?
<液体の入った瓶>
ハイポーション:標準品質
傷を治す液体。切断された傷も治すことが出来る、ただし再生はできない。骨折などは飲用で治す事が出来る。
あ、こちらは飲めるんですね。とりあえず、このポーション類は持ち帰りましょう。
母様が頑なに創ろうとしなかった、武器類もここには存在しているようです。刃物がついた長い柄の物があります。この星では、魔物と人間が戦っていたのでしょうね。私も・・・戦う事になるのでしょうか。
武器は扱う事に慣れていないですし、ここへ置いていきましょう。もし戦う事になれば、魔法でなんとかしましょう。
あとは、何やら紙の束があるようです。ここに何か情報は載っているでしょうか?
数字が沢山書いてありますね。ここにある物資の管理をするための帳簿のようなものでしょう。パラパラとめくっていっても同じような数字が羅列しているだけで、特にめぼしい情報はありません。
別の紙束も、似たような感じでした。中々思うような情報は得られていません・・・、あっ、何やらこの紙束の置いてある棚に魔力の反応がありますね。
「魔力で封印してあるのでしょうか?」
封印というにはお粗末な物ですが、特定の人物だけが見れるようにしてあるようです。大事な物がしまってあるのでしょう、多分。
その封印を解いてみると、一通の手紙がそこにありました。
誰か、大切な人に宛てた手紙のようでした。人物の名前と・・・あった、地名がありました! シュウの地図にその地名があるか見てみましょう!
「なるほど、ここはセントールで、現在地がこのあたり・・・」
地図にはセントール砦と書かれていました。となると、先程の南の反応の場所は・・・町だったところですね。小さな家などは全て朽ちているんでしょう、だから地中に空洞もないのに反応があったのですね。
折角なので、ここの倉庫をこの星での拠点にしますかね。ここに至るまでの通路と入り口の穴に隠蔽の魔法をかけておいたら魔物も入ってはこないでしょう。
ここの他にも扉がありましたが、食糧なども備蓄されているのでしょうか? トリルでは使徒の体であったので、食事を必要としていませんでしたが・・・。ここでは空腹になったりするかもしれません。睡眠もとらねば体が不具合を起こす可能性もあります。
この地下空間の他の部屋も見てみる事にしましょう。
いくつか扉がありましたが、その中のいくつかは地中に埋もれていました。状態保存のかかっていない部屋だったのでしょうか。となると、そこは寝泊まりするような部屋だった可能性があります。
最初の倉庫に毛布なども備蓄されていましたから、寝るのはあの倉庫で問題はないですから、寝泊まりする専用の部屋は必要ないですね。
道具類のようなものが棚に並べられている倉庫があったのですが、これは使い方がさっぱりわかりません。シュウにどんな文明でどんな道具を使っていたのか聞いておくべきでした・・・。これは失点ですね。
まあ、分からないものは分からないのでいいです。ですが、この鞄は多分マジックバッグというやつですね。ネルさんは空間魔法を使用して色々保管していましたが、この鞄はそれに近い事が出来るのでしょう。中身は・・・ありませんね。これはポーション類を入れておく用に持っていきましょう。
いざ戦う時に、慌てて空間魔法を失敗する事があるかもしれませんし・・・。未体験の戦闘では、いくら使徒として働いていた私であっても、ままならない事があると思います。
道具はとりあえず他は放置しておきましょう。説明書もないですし・・・。
食糧庫もやはりありました。備蓄なので小麦粉やらそういうものばかりかと思いましたが、状態保存の魔法があるので野菜類もかなりの量がありますね。私一人なら100年くらいかかりそうです・・・。
捜索に出る時は、この保存食を持っていく事にしましょう。
色んな食材をみていたら、私のお腹がくうぅと鳴りました。
ああ、これが・・・これがお腹が空くということなのでしょうか? ここでは私は普通の人間のように体に食べ物を入れないといけないようですね。
ということは、日が暮れたら睡眠も取るようにしないといけませんね・・・。




