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戻った力

※シュミカ視点です


 急にギルが険しい顔になってしまって、私はどうすればいいのか、と思っていると


 「ちょっとこれは分析する必要があるから、僕はこれで一旦上に戻るよ。あ、魔法は使えるようになったと思うから、色々試してみて?」


 「あ、うん・・・わかった。ありがとギル」


 私のお礼を聞くか聞かないかくらいのタイミングでギルは上に戻っていった。一体何だったのか・・・、例の神のちょっかいが度を越えてきているのかな?

 元々色々越えてるか・・・。


 さて、普通に魔法が使えるようになったかもしれないから、さっきのブロックの所に戻って、収納を試してみなければ!

 さっきの事は、きっとギルがなんとかしてくれる! うん!


 難しい事は考えないようにして、今は目の前の課題に取り組むのだ。バーベキューの為に! シュミカさんはやればできる子、出来る子なのだよ!


 自分を鼓舞しながら、さっきの所へ戻るけど、これが結構距離あるんだよねー・・・ワープできないかしら?


 と、思ったとたんに目の前にさっき作ったブロックが現れた。


 「へ? あれ、いつの間にここまで歩いてきたんだろ? もうちょっと遠かったと思ったけど・・・」


 ま、いいや。収納だ収納!


 と、思った瞬間、目の前にあったブロックが消えた。あっれええええええ? あの苦労はなんだったの? むむむとかやってた私は一体なんだったの!?


 出来ないと出来ないで悔しいけどさ、こうもすんなりいくと、逆にさっきまでの私の滑稽な姿は一体・・・ってなるよね? 今は他に誰もいないとはいえ、めっちゃ恥ずかしいんですけど?


 いないと分かってはいても、思わず周りを見回してしまう、小市民な私。これは小市民的習性みたいなもんだ、不可抗力ですよ。


 てことはだよ。


 さっきいきなり目の前にブロックが現れたのって、もしかしなくても、転移魔法使ったの?


 よ、よし・・・今度は世界樹のさっきギルが寝てたところを頭に思い描いて・・・移動! と、思った瞬間に、目の前に木の根っこが。


 「あはは・・・こんな簡単にできちゃうのかぁ・・・例のアレめ、許さんぞー!」


 あんな恥ずかしい詠唱考えなくても良かったんじゃん・・・。ほんと、邪魔しいなんだから!


 プリプリしながらも、かまど予定地にブロックを出していく。取り出すときも、思えば実現するので、簡単なものだった。


 てことはだよ?


 炭とかも出せたりするの? バーベキューと言えば炭。よくホームセンターに売ってたやつ。


 「出来るんだ・・・」


 かまどのブロックとブロックの間に、炭が現れてしまった。んんん? なんか魔法っていうか、これおかしくない? 魔法の範疇越えてない?


 いくら、元神って言っても、普通の人間よりちょっとだけ神様に近いくらいにまで制限されてるんじゃなかったっけ? 魔法が生えた感じもなくここまで自由に使えてしまうのは、いくらなんでもおかしいんじゃ・・・。


 これじゃまるで・・・


 「天界に居た時の、感覚だ・・・」


 自分の部屋とか創った時に、思っただけで実現する感覚。ギルが私から取り出した魔力の塊、アレの中にもしかして・・・私を縛る制限も入ってしまったのでは? あ、それってやばくない? ギルの失態ってことにならない・・・?


 自分の魔法の力だと思って、色々やってしまったけど、このくらいならまだ・・・バレはしないだろう、と思う。多分。ギルが帰って、色々分析するとなると、次に来るのはかなり先になるかもしれない。それまで、私の中でこの大問題になるかもしれない事を抱えておくのはちょっと、いやかなり嫌なんだけど。


 「都合よくアイリーン来ないかなぁ・・・」


 『あれ、なんかシュミカの声が聞こえてきたんだけど・・・』


 「!?」


 あ、これほぼ確定で私の制限無くなってるわ。


 「あのー、アイリーン?」


 『あっ、マジでシュミカだ! なんで通信できてんの!?』


 「それは私が聞きたい事のような気がするけど、アイリーン、ちょっと聞きたい事があるんだけど」


 『あ、うん。なに?』


 「ギルから、私の中に入ってた魔力の塊について、何か聞いた?」


 『あー、なんか持って帰ってきて、すんごい顔してちょっと行ってくるって言って出てったわね、あれってシュミカから取り出したものだったの?』


 「うん、なんか魔法使おうとしたら上手く使えなくてね、それでギルに見て貰ったら、前に吸収した魔物の魔力っぽいって話になってさ? 取り出してもらったら、あの塊になったって感じ。あ、で、それでね? もしかすると、私の神の力を制限してた何かまで一緒に取り出しちゃったかもなの・・・」


 『・・・ええっと・・・それって、ちょっとまずくない?』


 「そう思ったから、アイリーンが都合よく来ないかなって・・・、ギルに伝えて欲しいって言おうと思ったの。まだ確定じゃないけど、ほぼほぼ確定だと思うから」


 『ちょっとギル呼び出してみるわ』


 「おねがいー、このままじゃ夜しか寝れない」


 『それは普通よ』


 アイリーンのツッコミはやはりいいものだ・・・。打てば響くっていうか?


 ギルの反応を待つしかなくなった私は、これ以上作業する気にはなれず、寝床で待つことにした。

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