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第一村人?と接触

※シュミカ視点です


 あっという間に結界に捕まって栄養になっちゃった魔物さんが消滅しちゃってから、結構経つなぁ。それでも天界じゃそんな大した時間は経ってなさそうだけど。


 私は、今も世界樹の下で、毎日農業に勤しんでいる。



 いや~、毎日が農業で楽しい楽しい! こないだ収穫した野菜も美味しかった! ちゃっかり味噌や醤油や塩の実も一本ずつ植えてあるから、料理の種類も充実してるんだ。


 この前なんか、料理作ってお外で食べてたら、よだれ垂らしたエルフと遭遇してね、線の中に入ってくるなら分けてあげるって言ったら瞬間移動かってくらいシュバッてこっちきて、ご飯食べて帰ってったんだよ!

 餌付けしてるみたいで、ちょっと可笑しかったけど、あんま警戒されてもなかったのは、私の見た目がエルフだからだろうか? それとも、精霊さんや妖精さんから何か聞いてたりするのかな?


 お外で料理できるように、かまどとか作っておいた方がいいかな? それとも、バーベキューセットでも作っちゃう? そうなると、お野菜以外にも色々欲しくなっちゃうなぁ・・・。特別に肉の実とか作ってもらえないかなぁ。じゅるり。


 あ、なんか食べ物の事ばっかり考えてるわ。毎日の農業生活が充実し過ぎて、食べ物が美味しくてさ~、今私物凄い幸せなんだよねえ。生きてる実感があるって素晴らしい!


 そんな幸せな感じなんだけど、ちょっと申し訳ない気もするんだよねえ。アイリーン達はせっせとトリルの為に色々働いてくれてるけど、私は結界張ってるとはいえ、遊んでるだけだしねえ。

 結界は、例のアレからトリルをというか、このウレインを護る為に重要な物。それは私にしか出来ない事も理解してる。毎日私の中にある力を消費しているらしいけど、実感がないし、実質私だけが楽してる感じがしてねえ。


 まあ、色々やろうにも、私には神の権限や力がない。こうして、下界で遊びながら時間が経つのを待つしかないのだ。農業やってるおかげで暇はしてないけどね。


 あ! ちょっとだけ真面目に考えてたら、こないだのエルフちゃんがまたきた! どうしよう、まだ何も作ってないよ今回は!


 「ごめんねー、今日は何も食べ物持ってないの」


 「いえ、別に食べに来たわけでは・・・」


 「あれ? 違った? じゃあ、普通に遊びに来てくれたの?」


 「大体はそんな感じですけど、私達エルフにも、その畑の作り方を教えていただけないでしょうか?」


 遊びに来る目的もあったんだ。それはまあ全然いいんだけど、農業指南をして欲しいと申すのか! よしよし、では私の持ちうる限りの農業テクを伝授してしんぜよう。エルフの子達の食べ物がグレードアップするのは歓迎すべきことだよね! だよね?


 「いいよ~、とりあえず土を作る事から始めよっか? 普段はどうしてるの?」


 「ええと・・・、土の精霊様にお願いして土を柔らかくしてもらっています」


 「ええっ、耕したりはしないの?」


 なんと、精霊さんが土起こししてたとは・・・まあ、ある物は使わないとね。あー、そっか道具とか発達してないんだっけ。


 「まあ、道具がないから仕方ないよね。それは良いとして、柔らかくしたその後が大事なのよ」


 「その後は種を蒔いて水をかけるだけですが・・・」


 「ノンノン! 種を蒔く前に肥料をやらないと!」


 「ひ、ひりょう?」


 「ええとね、その辺の土でも栄養はなくはないんだけどね。森には落ち葉がボロボロになったやつとかない? 新しい葉っぱの下の方にあるやつ。それを混ぜたりしてもいいよ」


 「なるほど、そういうのを混ぜると、土により栄養が宿るわけですか」


 「そゆことそゆこと、流石普段から農業してるだけあって、呑み込みが早いねえ」


 「ここの畑は、綺麗に野菜達が整列しておりますが、それにも意味が?」


 「うん、勿論あるよ! 作業しやすくするのもあるけど、間に溝を作る事で雑草を生えにくくさせるのよ。あとは、ある程度感覚開けてあげないと、お野菜達が栄養を取りあっちゃって育ちが悪くなるでしょ?」


 「・・・! 大変勉強になります・・・!」


 「ふふーん、農業の世界は奥が深いのよ! こんなのまだ序の口なんだからね?」


 「これでまだ初級なのですか・・・!」


 打てば響くようなこの反応! 楽しすぎじゃない? 農業友達が出来た喜びが凄い。話を喜んで聞いてくれるっていうのは、話をする側としては嬉しいもんだねえ~。


 「それで、今は何を育てているのかな?」


 エルフたちは、主に豆的なやつを育てているとのこと。あとは薬草だってさ。ここにあるような、胡瓜やトマトや、なすびなんかは全然見た事もないんだとか。これは次に植えるために接ぎ木してある何種類かを持たせようか・・・?

 いや、早まるな! まずは肥沃な畑を作る事からだよ!


 「じゃあ、畑を新しく作ったら、そこに植えるようの物を用意しておくからさ、希望があればある程度は聞くよ?」


 「では、初めてでも比較的育てやすいものを・・・、種類は良く分かりませんので」


 「あいわかった! いくつか選んでおくわ!」


 「ありがとうございます! 今日教えていただいたことは、集落の皆にも教えて、早速畑づくりを始めてみます!」


 うむうむ、素直な良い子じゃのう~。あたしゃうれしいよ!


 実際に見に行くことはできないけど、きっと大丈夫でしょ!

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