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転生者シュウ、新しい家族ができる

 ※シュウ視点です


 キャドリーを連れ帰り、アルケミスタの皆にもお披露目し、そして一匹を乗り物を研究する人たちに見せた。概ね良好な印象を持ってもらえたようで、早速畑の雑草を食べたりしてのんびりしているキャドリー達。


 試しに、荷車くらいの物を作ってみて、それを牽引させてみたら、結構余裕で引けた。動物が好きで、意思疎通も慣れればできるといった人たちの仕事は、これからはこの御者も加わるだろう。


 主に農業を仕事にしている人達の中にも、キャドリーと仲良くなり、なんとなく心が通じ合うという人も出てきた。これは割と早くに動物と会話できる技能を生やす人が、普通にその辺にいる時代がくるのかもしれない。


 そういえば、そろそろ俺の12の誕生日だ。女神と初めて会ってから、もう2年が経とうとしていた。


 それまでの10年と比べて、この2年間は濃すぎた。これでもかってくらい濃すぎだ。何せ、錬金魔法の開発に、罠魔法の開発、この星を害するために遣わされた魔物との契約、そんでもってこのアルケミスタの区画整理ときたもんだ。

 新種の動物の導入や、新種の植物によるガラス製作に、今度はゴムだ。


 毎日が目まぐるしい、でも充実している。そんな2年だった、そしてこれから先もきっと俺は忙しくしているんだろう。


 そんな忙しい日々も愛おしいと思う。


 あいつが余計なちょっかいを掛けてくることがなかったとしても、俺はこの星を愛おしく思い、今と同じように自分の住む町を発展させようとしただろう。もはやこれは使命だ。

 実際、女神自らお願いしてくることはあるけど、お願いされたくて頑張ってる自覚はある。やらされてる使命では決してない。


 次は、どんな事をお願いされるのかと思うと、結構ワクワクしているのだ。


 ま、今はキャドリーの運用が上手くいくように立ち回るのが優先かな。とはいえ、既に町の人達はキャドリーを受け入れて、生活の一部にしていっている。ほんと、逞しいよな、人間ってさ。


 ああそうそう、最近母親達にお願いして、家族に持たせる持ち物に刺繍をしてもらっている。願いを込めながら、魔力を使うイメージで刺繍してみてって言ってみたんだ。

 そんな直ぐには無いと思うけど、もし何かが生えてきたら儲けもんかと思ってな。上手くいけば、何かが付与された服を装備できる事になる。つまりは、バフが日常的に盛れるというわけ。

 もし何かあった時のためには、色んな事を試してみる必要があると思ってる。それは、武器を持って戦うだけが対策ではない。武器を持たない人々がいかにして脅威から身を護るか。


 でもそのせいで、生活が乱れては本末転倒だと思う。だからある程度生活の一部を使って、色々試すのだ。無駄は良くないからな。


 俺の住む町では、衣類は普通だけど、これから先、どこかで服飾の町ができるかもしれない。建築系に、農業系、労働者の町までできちゃったからなぁ。


 おかげで、町同士の交流も盛んになってきた。だからこそ、乗り物がこれから先の発展にも重要になってくる。町の中の道路も整備されてきたし、町と町とを繋ぐ道路も絶賛整備中だ。


 そうだ、キャドリーに気を取られてて、トリルゴムの木の事をすっかり忘れてたけど、そっちはきっちりと女神が神託を飛ばしてたみたいで、無事に確保できたらしい。

 これで、馬車・・・いや、キャドリー車? の足回りは安泰だろう。あのびよんびよんのバネは今はまだちょっと厳しいから、木バネ式になるだろうな。うろ覚えだったけど、ちょっと説明したらすぐに理解してくれて助かったよ。


 俺が別の星を担当している時は、こうやって毎日色々研鑽されている事なんて見もしなかったから、今が凄く新鮮で、人間の力って凄いなって思えてる。

 地球で暮らしてる時も、何気ない生活が色んな人の仕事から成り立ってるとか、考えもしなかった。缶コーヒー一つとっても、コーヒーを作る人、缶を作る人、それを運ぶ人、自動販売機を作る人、それを設置する人メンテする人。大雑把に考えただけでも物凄い人が関わっている。


 今じゃ、その当時なんも考えずにいてごめんなさいとまで思えるようになったわ。素直に誰かしらに感謝できるっていうのは、気持ちのいいものだ。

 当然、産んでくれた母さんや、頑張って家族を食わして行ってくれている父さんにも感謝している。彼らが愛してくれたおかげで、俺は今こんなにも充実しているのだから。


 ま、色々考えるのも、考える余裕が出てきたってこったな。焦りだけが先に来ていた頃とは違い、味方が沢山いる現在は比べ物にならないくらい気持ちに余裕がある。

 あいつも、ここで暮らしてみれば、この星の良さも、人間の凄さも分かると思うんだけどなぁ・・・。まあ流石にそれはないか、神様だもんな、他所の星の。


 そういや、俺を産んでから妹も弟も出来てなかった両親に、新たな命が宿ったみたいなんだ。母さんが、弟かしら、妹かしらってまだ大きくもなってないお腹をさすりながら嬉しそうに笑うもんだから、俺も嬉しくなっちゃってさ。


 無事に生まれるといいな。元気に育ってくれれば、それだけで十分幸せだ。

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